連続テレビ小説 わろてんか(85)「泣いたらあかん」[解][字][デ][再] 2018.01.13
(キース)はいはいはい。
入って入って。
(志乃)は…離しとくれよ。
何だいこれ!ええからええから。
ほらお母ちゃんはここな。
特等席や。
ああっ。
お母ちゃんが東京で新しい暮らしを始められるようみんなで盛大に送り出したるわ。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」
(万丈目・小声で)伊能さんまだ来たはらへんけどもうそろそろ始めまひょか。
(藤吉)そやな。
(てん)そうですね。
うん。
しゃあない。
やろ!よっしゃ。
え〜それでは大変お待たせ致しました。
これより万丈目キチゾーの独演会を開きたいと思います。
(一同)は?
(歌子)誰の独演会やて?いやだからわての。
いや皆さん聞かはりました?この顔で独演会するそうです。
顔でやる訳やおまへんからね。
当たり前や。
その顔で独演会なんて百年早いわ。
隠せ隠せ。
お騒がせしました〜。
すんまへん。
(せきばらい)え〜今日は俺のお母ちゃんを見送る食事会に集まってもろておおきに。
けどお母ちゃんいうてもホンマもんの親子やない。
(ドアが開く音)よう来てくれはりました。
さあこちらへ。
(栞)これを返しに来た。
何でこれをあんたが…。
俺がかまどから拾たんや。
いらないよ。
捨てたもんだ。
ちょっちょっちょっちょっ…。
座って座って。
このあと俺ら万歳やるんや。
(アサリ)そ…そや。
キースとアサリのどつき万歳の復活や。
せっかく来たんやったら最後まで見てってな。
ちっちゃい頃から身寄りもない母親の顔も知らんと育った俺は東京で志乃さんにえらい世話んなった。
そん時になよう聞かされた自慢話がある。
ずっと昔に生き別れになった息子の話や。
頭がようて気が優しゅうて男前やて。
その話する時はいっつもニコニコわろてうれしそうやった。
はあ〜せっかくお母ちゃんできたて思ったんやけどな〜。
ホンマもんの息子にはかなわへんわ。
その桐箱をずっと大事にしてはった志乃さんのお気持ちうちは同じ母親としてよう分かります。
(隼也)これへその緒やろ?うちにもあるで。
なあ!へえ。
そうかい。
これ名前やろ?何ちゅう字や?「しおり」って読むんえ。
しおり?どういう意味や?おばちゃん。
おばちゃん言うとったやないか。
子どもの名前は親が願い込めて付けるもんやて。
道しるべっていう意味さ。
森の木に一本一本目印をつけて歩くように己の人生道に迷わずたくさんの人を導いていってほしい。
そういう願いを込めて付けた名前だよ。
ふ〜ん。
ええ名前やな栞君。
子どもの頃よく一緒に活動写真を見に行った。
あなたはいつも楽しそうだった。
だから僕は人の心を豊かにするような活動写真を作りたいと思った。
今の僕があるのはそのおかげです。
ありがとうございます。
それだけ伝えたかった。
ちょっお母ちゃん何泣いてんねや。
泣いてなんかないよ!そや志乃さんはうれしいだけや。
何で橋づくしで橋の名前も言わんと4回もたたくのや。
おおそら橋の名前言わんでも4回たたいたら橋になってんねや。
何で?4回たたいて四ツ橋や!
(笑い声)
(アサリ)ちょっとわしにも貸せ!
(キース)何や。
(アサリ)・「ここで続いて一二三四」・「五六七八」何やこれは!8回たたいて八ツ橋どすえ。
それ橋やのうて京都のお菓子やないか!
(笑い声)今までお世話になりました。
ホンマに東京帰らはるんですか?頑固やなあ。
知り合いの寺なんかに住み込みで働くより伊能さんが世話するて言うてたのに。
あの子だってしかたなくそう言ってるだけさ。
そや今朝の新聞読まはりました?新聞?へえ。
栞君大阪の経済発展に貢献しただけやのうて地震の救援に尽力したいう事で大阪府から感謝状をもろたそうです。
そうですか。
ほらここや。
「これからも人の道標となれるよう誠実に一歩一歩歩んでいきたいと思います」って。
こんにちは。
間に合わはってよかった。
忙しいだろ?わざわざ来なくったって…。
これを。
何だい?これ。
(栞)これだけあれば東京で小料理屋をやれます。
いらないよこんなもん。
もらう筋合いないから。
ならもらわないでいい。
僕から借りて下さい。
ただ返済するには20年かかります。
それだけ長生きしろいうこっちゃ。
借りときぃや。
ありがとう。
キーちゃんもず〜っと私の息子だよ。
ありがとう。
本当にありがとうございました。
このご恩は一生忘れません。
これからも栞の事どうぞよろしくお願い致します。
お元気で。
栞もね。
そしてようやく待ち人が帰ってきました。
(風太)おい。
(トキ)風太…。
風太や!風太が帰ってきたで!お帰り!おうおうおうおう!お帰り!
(3人)お帰り!お帰り風太!よう戻ってきた。
ただいま!何やえらい歓迎やな。
ホンマご苦労はんやったな。
へえ。
(ほうきが倒れる音)
(泣き声)何や泣いてんのか。
ちゃんと帰ってくる言うたやろ。
な!おうそやおい!ほい!これのおかげや。
おおきにな。
何や泣くなもう!あれは?饅頭。
饅頭食わしてくれ。
ん!泣くな泣くなもう。
復興支援の興行は被災した芸人への温情と応援もあってどこの寄席も連日大盛況。
「こぶをこさえただぞ」。
「じゃあ何か?おいうちの寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る所に住む所ヤブラコウジヤブコウジパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの…」。
こうして大阪と東京の絆が生まれ北村笑店の東京進出が一気に進んでいきました。
2018/01/13(土) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(85)「泣いたらあかん」[解][字][デ][再]
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は、伊能(高橋一生)と志乃(銀粉蝶)親子を和解させてやりたいと考え、志乃のお別れ会を開き伊能を招待することにした。
詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は志乃(銀粉蝶)が東京へ帰る前に、実の息子である伊能(高橋一生)と和解させてやりたいと考え、志乃のお別れ会を開き伊能を招待することにした。だが伊能は現れず、キース(大野拓朗)が息子に代わってあいさつをしようとした時、やっと伊能が現れる。最初は頑として志乃を許そうとしない伊能だったが、母が栞という自分の名前に込めた深い思いを聞き、伊能の心は大きく揺れ始める。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,徳永えり,大野拓朗,前野朋哉,藤井隆,内場勝則,銀粉蝶,高橋一生
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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