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日本平山頂新施設、「夜景遺産」生かし誘客 土曜限定で開館延長

(2018/1/14 07:58)
静岡県が今秋の開館を目指す日本平山頂シンボル施設のイメージ図。奥手にある展望回廊は静岡市が整備する(静岡県提供)
静岡県が今秋の開館を目指す日本平山頂シンボル施設のイメージ図。奥手にある展望回廊は静岡市が整備する(静岡県提供)

 静岡県は静岡市清水区の日本平で今秋の開館を目標に整備する「日本平山頂シンボル施設」の開館時間について、ほかの県有施設と同様に午前9時~午後5時を原則とした上で、土曜に限り4時間延長して午後9時までとする方針を固めた。「日本夜景遺産」に認定された日本平の夜の魅力をアピールし、夜景観光の誘客促進を図る。
 シンボル施設は吹き抜け状の構造の鉄骨造り3階建てで、正八角形の外観を持つ。富士山や清水港の景色を楽しめる展望フロアを設け、日本平ゆかりの人物や歴史文化の展示なども予定する。2020年東京五輪・パラリンピック主会場の新国立競技場を手掛ける隈研吾建築都市設計事務所が設計した。総事業費9億5千万円。
 県は指定管理者による運営方式を導入し、土曜夜の開館に民間の知恵を生かしたい考え。9月中にも施設を完成させ、運営準備が整い次第、開館する方針。静岡市がシンボル施設に接続する形で展望回廊を整えるとともに、施設前の造園工事を進めている。
 市観光交流課によると、日本平への観光交流客数は富士山が世界遺産登録された13年度の192万人をピークに減少し、16年度は124万人。同課の担当者は「昼間は富士山、日没後は清水港の夜景とPRし、巻き返しを図る。土曜夜の施設開館への期待値は高い」と強調する。
 土曜夜のシンボル施設開館は、日本平が日本夜景遺産となった16年以降、市民有志や日本平観光組合などが毎月第4土曜の夜に開く「日本平夜市」を参考にした。県観光政策課は「夜の静岡の魅力を堪能できる場の提供を通じて滞在型観光のきっかけをつくり、県内経済の活性化につなげたい」と話している。

 ■静岡県、18日まで意見公募
 静岡県は日本平山頂シンボル施設の開館時間などを定める条例骨子案をまとめ、18日までパブリックコメント(県民意見公募)を受け付けている。県議会2月定例会に議案提出し、今秋の開館に合わせた条例施行を目指す。
 骨子案によると、開館時間は原則、午前9時~午後5時(土曜のみ午後9時まで)。第2火曜休館。観覧は無料。骨子案は県のホームページなどで閲覧できる。問い合わせは県観光政策課<電054(221)2858>へ。

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