Spotify、Apple Music、AWA、LINE MUSIC……多種多様な音楽配信サービスが普及している昨今。それぞれが新機能を次々と追加していく中で、楽曲数や音質、ユーザビリティの改善といった音楽を聴く上での進化だけにととまらず、音楽の新たな楽しみ方を提案するようなサービスにも注目が集まっている。
最初に紹介するのは、楽器演奏者が重宝するであろう音楽再生アプリ「mysoundプレーヤー」。音響機材や楽器でおなじみの「ヤマハ」がサービスを提供しており、ハイレゾ再生に対応しているのも特徴のひとつ。2017年9月に行われたアップデートにて、ヤマハ独自の解析技術を用いた「コード表示機能」を追加。再生音源のコードをはじめ、歌詞、ギターおよびピアノ譜、五線譜も表示される。耳コピする手間が省ける上、コードの押さえ方が表示されるのも楽器初心者にとっては嬉しい。同アプリのように、自社の強みを活かしつつ、一定のユーザー層に特化したサービスは今後求められてくるのかもしれない。
若年層を中心に盛り上がっているのが音楽SNSアプリ「nana」だ。2015年頃から登録者数を徐々に伸ばし、2017年10月にはユーザー登録数が500万人を突破している。同アプリでは、ユーザーにより録音・投稿された演奏や音声をミックスし、アプリ上でバンドや合唱、音遊びができる。いわゆる“弾いてみた系”や“歌ってみた系”の楽曲をリスナーとして楽しむこともできる上、クリエイターとしてオリジナルソングを制作することもできる。また、先日nanaから生まれたユニット「クラスメート」がメジャーデビューしたように、SNS内で出会ったユーザーが実際にアーティスト活動を行う場合もある。また、2018年1月11日には日本マイクロソフトが提供する「女子高生AIりんな」との共同プロジェクトを発表。ユーザーの投稿楽曲をもとにAIが機械学習を行い、歌唱能力を向上させていく過程をnanaで視聴することができる。
昨年10月からスタートした「Spotify for Artists」も新しい取り組みと言えるだろう。その名の通り、Spotifyで音楽配信を行っているアーティストに向けて開発された同アプリ。新作リリースから1週間までのリアルタイムな再生回数が確認できるほか、ユーザーの年齢、性別、居住地域から他にどんなアーティストを好んで聞いているかといった情報もスマートフォン上で容易に確認することができる。このデータは、アーティストが新しく楽曲制作を行う際の参考にすることも、マネジメントがマーケティング分析の指標にすることもできる。今後はリスナーに対するサービスの向上とあわせて、同アプリのようなアーティスト側にスポットを当てた取り組みの需要も増えるだろう。
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