〒みなさま
あけましておめでとうございます(*´∨`*)
今年はちょっと身近な人の影響を受けてたくさん更新できるようにしたいと思います!
長いこと書けていないけど、今日も普通の日記を・・・!
検索流入とか、ブクマとか考えないただの記録ですので読みにくかったらごめんなさい。
自分と正反対だけど、なぜか一緒にいやすい子とのただのガールズトークです
正反対の性格の友達と二年ぶりにガールズトークした話
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登場人物
私 筆者円野まど・引きこもりの甘ったれ。のんき。
D ディー。本当にこの名前で周囲に呼ばれている。最近二年ぶりに海外から帰国した私の知人。黒髪で長めのショートヘアの女の子。口調はつよめの27才。
ディーが帰ってきた!
2017年も終わる頃、突然ブログ用のTwitter(@maaemon)にDMが届いた。
そこには短い文章が二つだけ。
>Dです。
>帰国したので正月どこかで会おう。
それを読んだ後、スマホにびっしりと着信が入ってる事に気がつく。
少し迷って、DMから返信した。どうして私がブログをしてることを知ってるのとか、違ったらどうするつもりだったのかとかそういうことは質問しなかった。
彼女はディーだから、聞いてもしかたない。ちょこちょこやりとりはあったけど、たぶん、会うのは二年ぶりくらい。
会う、ことになったけど
Twitterで饒舌に「おはよう!」などと言っていても、コミュ障はすぐには治らない。今でも私は自宅から半径200メートル以上の外出には消極的だ。
Skypeで話そうかと言い掛けていると、ディーから再度DMが届く。
家から一番近いスタバと、日時の候補が幾つか。
有無を言わせない短文だ。
私は分かりやすい性分なんだと思う。こういう時、大体相手の先手が来る。
細かい応酬が終わったあと、私は改めて彼女を思い出す。
ディーはとても激しい女の子だ。
よく怒るし、物事を包んで言わないことが殆ど。
その分話が早い人なんだけど、どうしても衝突を生みやすかった。
彼女は自分が思ってもいないことを思っているかもしれないポーズを取ることや、社交のためにものごとを柔らかくいうことを良しとしない。
容姿の良し悪しや能力の優劣も、思ったことをずばずば言う。
相手からだけじゃなく、自分からも人との繋がりをどんどん断ち切っていく。
「付き合う価値のない奴と付き合っていてもしょうがない。」
こういう、聞く人によってはドキッとするような事もよく言う。
彼氏が冷たいと泣きじゃくる友達に
「要するに向こうはきみのことそこまで好きじゃないんだろうね。ていうか、そもそもきみさあ何度も同じ話で人の時間を無駄にするならそのことをもう少し感謝するなり詫びろよ。そういう所がめんどくせえんだよ。」
と告げたこともある。そういえばその時どうなったのか、細かく思い出せない。
私はその痺れた空気の中、少し前にセットしたペヤングの湯ぎりを切り出していいものか足をもぞもぞさせていた。緊張感×湯ぎりは、果たしてアリなのか今も分からない。
結末としてはその子とディーの縁はその日切れたし、私はとても柔らかいインスタント焼きそばを食べた。
思い立ったらいてもたってもいられない人で、突然雀荘に入り浸ったり、普通に遊んでた帰りに車を購入したり、大学にもう一度行くと言って受験勉強を始めたりした。
超現実主義かと思えば7個下の子と結婚を前提に付き合い出して、本当の愛とは何か聞いてきたこともある。その頃ディーは驚くほど愛と哲学の本を読んだ。かと思えば仕事のために東京を離れて戻ってきたから会おうと、教えてないブログのアカウントから連絡をしてくる。
諸々思い出して色々あったなあと思った後、外は寒いかな、と思考がスライドしていく。自分とは全然似てない。たぶん正反対の女の子。
時々その激しさに驚くこともあるけれど、
ディーには、行動に嘘がないという素晴らしい長所がある。
考えが正反対の2人
「あんな奴と話すの時間の無駄だわ。」
更に共通の知人を誘おうか、と言うとこちらを振り返らないままそう言う。
そしてそのまま、コーヒーのオーダーを伝えた。
私はスタバでは大体ホワイトモカを選ぶ。「出た、その吐きそうになるほど甘いやつ」とディーが言っているのを聞きながら、私はさらにケーキを一つ加える。店員さんの笑顔がかわいい。テーブルについてからは、近況報告もそこそこに、人間関係の話になる。
先ほど誘おうとしたKちゃんという女の子と、ディーはもう仲が良くないと言うのだ。
Kちゃんはプログラマーなんだけど、話すと8割会社の上司の話や世の中の転職事情の話になる。簡単に言うと「今の管理職世代は、見る目がもう時代遅れで仕事の采配も人事もずれてる」みたいな話。その時その時で、状況や人名は変わるんだけど要約すると大体この話になる。
ディーはそれに対して、だからどうした、と感じるらしい。
私はそれに賛成も反対もしない。
「Kちゃんみてると、いつも人のせいにしてるからイライラする。もう無理。イライラせんの?」
「全然しないよー。Kちゃん仕事大変なんじゃない?容量がいっぱいになる時もあるよ。言葉通りの考えをしてるわけじゃなくて、そういう時身近な人に吐き出しちゃうんじゃない。」
のんびり返すと、ディーは足を組み直して私をまっすぐ見た。
「まどちゃんは甘すぎ。それって誰のためにもならないかもよ?」
その時私が驚いた顔をしたのかもしれない、彼女はトーンを落として「ごめん。怒ってるわけじゃない。私はあなたが好き。これはディベート。」と前置きして話を戻した。
「もう大人だよ。別にさーいつも向上心を持てとか、同じくらい稼いでる層じゃないと話合わないとか、そういう意識高い系みたいな話がしたいわけじゃないの。失礼な話だけど友達が自分より社会的評価や価値が断然低い人だっていいの。でも、精神的に自立してなくちゃイヤ。等身大の自分をよく見ないで現状を受け入れられなくなってさ、こんなはずじゃないのにって愚痴るの時間の無駄じゃない?それで何が変わるの。努力しろよって思う。いやね、たまにはそういうことあるよ?でもKちゃん何年もこうじゃん。私達がそれを受け止めてる限り、Kちゃんも甘えてることにも気が付かないままなんじゃない?」
流暢に話し続ける様子を見て、ディーは前からこのことを考えていたんだなと思った。
「うん。」
先を促す相槌を打つ。彼女は落ちてきた長い前髪を鬱陶しそうに振り払ってからまた口を開いた。
「Kちゃんって何かうまくいかないことは誰かや何かのせいっていうのが全ての考え方の根底にあるもん。実力発揮できないっていつも言ってるけど場所は勝ち取るもんじゃん?それでいて人には特別に見られたい感じとかもあるし。見えてないものが多すぎて一緒にいても退屈だしその時間に価値がないって感じるようになった。Kちゃんってまどちゃんの一個上?二個?」
「二個かな。そういえばKちゃんとディーって長い付き合いだよね。」
もともと、Kちゃんを介して私はディーと出会った。2人は少なくとも五年くらいずっと仲良しだったように思う。
「そう、なにげに付き合い長いよ。だからこの話を彼氏に話したらディーは冷たいねって言われたんだよね。人と人との関係ってそんな風に割り切れるものなの?って。一度仲良くなったら人間として、その弱さに付き合うことって出来ないの?俺もダメになったら簡単に捨ててきそうだねって言われた。」
「彼氏は自分が言われた場合を考えてしまったのかな。実際どうするの?」
「やー彼氏はまた友達とは違う、何なら家族候補じゃん。そういう一番近い人間だからわからん。でも、常にお互いに向上して行きたいとは思うよ。」
私はちょっとすぐに返事ができないと思ったので、とりあえず頭を落ち着けようとホワイトモカのカロリーを検索して、ひどく後悔した。ケーキの分も調べる勇気がない。
私が話さないので、ディーが言葉を続ける。
「最初はまどちゃんのことも偽善者だなって大っ嫌いだったわ。でもなんとなく気にくわないのと、明確に受け付けられない理由があるのは違うからKのことはもうだめだわ。もう会わないと思う。ただ、彼氏に冷たいねって言われるとちょっと考えちゃう。彼氏にそう思われるのは悲しいし、むかつく。」
ここに書き連ねた単語は強気だけど、ディーは少し参った顔をしていた。
むかつくと言ったけど、悲しいんだろうなと思った。
彼女は誰にでも心を開かない分、開いた人にだけは弱い。
「ディーはどうしたいの。」
「何が。」
「ディーって付き合う人に何を求めてるの。一緒に向上してくこと?それともお母さんみたいな、帰る場所でいてくれる愛情?両方とか、他のなんでもいいけど、結局何を一番叶えたいのかなってことをまず明確にするといいのかも。」
今度はディーが黙ったので、私はカロリーが少しでも低い事を祈りながらケーキを食べた。それから自分だったらパートナーになる人に何を望むのかなあという事をのん気に考える。あ、寒くてガラスが曇っている。冬の晴れはきれいだなあ。そういえば新しい靴が欲しい。頭の中があちこちいく。眠くなってくるなあと思っているとディーも外を見ていた。そのままさっきの返事をしてくる。
「たぶん、私が恋人に求める愛情ってお母さんみたいなやつ。たまに失敗してもやり直せて、一緒に居る約束が消えないような関係。」
「じゃあ、彼氏に友達とあなたとの関係は求めてるものが違うよって話してみる?」
「うん。」
最後のうんは、周囲のがやがやに飲み込まれそうなほど小さかった。
自分の言ってること、矛盾してるよねってさらに小さく加えた。
私はそれでいいじゃない、とだけ言った。
そろそろ家に帰りたいと言うと、「二年ぶりに会ったのに。まどちゃんこそが一番冷たい奴だわ」とディーが笑。
「家が好きなだけなんだよ、家に来てくれるならまだ話そう。」と家禁断症状を隠すことなく私は答えた。
人はなかなか変われないもので、私は外にいるとやっぱり緊張してしまう。
随分ましになったけれど、私は突然とにかく帰ろうとする。
けれどディーはその私の我儘を、一度も怒ったことはない。
会うと思うこと
帰り道、結局わたしの家に来ることになったディーの横顔を見ながら、自分と同じ人なんかいないんだな、という当たり前のことを考える。
だから、色んな価値観が常にあってそれは押し付けられることも押し付けることもほんとはしちゃいけないんだろうな。
ディーはたくさんの人とうまくやることに何の価値もないという。多くの人は自分にとって取るにたらないモブだと言いきる。
対して、友達に人生を何度も豊かにしてもらったと感じ、それこそ人生の宝物だという人もいる。
両方の言い分が分かる。
わたしにもいやだな、接したくないなと思う人やものは本当はある。
でも、たとえ共感できなくても誰かの価値観を私が否定していいことではないし、何より色んな人がいるから多分世界は面白いし先に進むんだと思う。
そしてその私の考えも、きっと賛否両論あるんだろうけど、それでいいはず。
そういう同一でないものが同時に存在することが、時代を進ませるひとつと思っている。今あちこちで言われてる多様性っていうものが、楽しくて優しくて面白いことをたくさん生むといいな。
ディーに会うたび、私達は全然ちがうなと思う。
私は彼女の考え方や行動の多くを理解はできても選ばない。
けどいつも自分にはない考えや気持ちが飛び出して、違うことってすてきだなあと思う。彼女が叶えたいものを叶えていけたらいいなと思う。
仲がいいからなんでも正しい、なんてぜんぜん思わないけれど
仲がいいから、自分にはない可能性がいっそう輝いてみえる。
ディーのことが嫌いで「なぜディーなんかと仲良くするの?」と私にいう人もいるし、私のことが嫌いで「なぜまどちゃんなんかと仲良くするの?」とディーに言う人もいる。
ディーはその時「正反対だから、比べることがなくて一緒にいて疲れない。」と答えたあと、「自分にはないものを、自分は持たないけど、親しい人にもっていてほしい。」と答えた。
私は常日頃、そういう時はへらへらと「だってディーのこと好きだからあ。」と脳が溶けているとしか思えない返事をしていたので、ディーの答えを聞いた時は大変気まずかった。
家について3Dプリンターでは作れないものを作りたいねという話をしているうちに、私は眠ってしまって、起きたらディーは帰っていた。
部屋が真っ暗なので、電気をつけようと起きあがると数回咳がでた。
私はとても神経質な性格だ。
好意のあるなしに関わらず、よほど相性の良い人以外は長時間一緒にいると体力を消耗してしまう。その事を、相手に気にさせることのないようなつよいからだがほしい。
なんとなく悲しい気持ちになっていると、ベッドサイドのメモ帳に伝言があることを見つけた。
「ご馳走様でした、今年も宜しくお願いします :D」と書かれていて、私はこの海外で使われる顔文字「:D」(縦にすると顔になる)を多用することから彼女がディーと呼ばれはじめたことを思い出した。
ベッドからのろのろ降りて、ライトをつける。
冬は日暮れが早く、外はもう真っ暗だ。なんだか無性に雪見だいふくが食べたいけど寒そうだなあと思って窓に手をかけるとスマホが光る。
届いたメッセージはディーからで起きた?の後に「日が暮れるのが早いね。なんか食べたくなってアイスを買ってかえるところ!」と書かれている。
私達は全然違うけど、どこかでやっぱり、繋がっている。
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新年一つ目がだからなに話ですいません(*´∨`*)
今年もどうぞ宜しくお願いいたします!
それではまたお便りします
円野まど