青柏祭のでか山と人形をはらうために巡行する神輿。今年は2基の神輿が祭りに臨む=昨年5月、七尾市府中町
七尾市山王町の大地主(おおとこぬし)神社は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている「青(せい)柏祭(はくさい)」で、戦時中から途絶えていた神事を復活させる。同市小島町の唐崎神社の神輿(みこし)を約70年ぶりに担ぎ出し、両神社の神輿が市街地で合流、大地主神社までともに市内を練る「合同渡御(とぎょ)」で住民らのけがれをはらう。今年、能登国と同じ誕生から1300年を迎える同神社の節目を華々しく飾る。
神輿渡御は青柏祭初日に行われる。かつては、両神社の神輿がそれぞれの境内を発して市街地を練った後、大地主神社の神輿が御(み)祓(そぎ)川にかかる桜橋で唐崎神社の神輿を迎えていた。合流した2基は大地主神社に移り、山車(だし)「でか山」のおはらいを行う習わしだが、現在、祭礼で神輿が出ているのは大地主神社のみとなっている。
能登立国と神社創建の大きな節目を迎えるに当たって、神社では鳥居の再建や拝殿の修復が進められている。唐崎神社の宮司職も兼ね、神社の奉賛会とともに神事復活を企画した大森宮司は「祭りは風流物で絶えず変わってくもの。かつての祭り風景をあらためて楽しんでほしい」と話した。