景品を取れない設定にしたクレーンゲーム機で遊んだ客が料金をだまし取られたとされる事件で、大阪府警は13日、ゲームセンター運営会社「アミューズメントトラスト」(大阪市浪速区)社長の大平(おおだいら)剛史容疑者(33)ら2人を別の客2人に対する詐欺容疑で再逮捕した。昨年12月の逮捕後、38都道府県から約300件の被害相談が寄せられ、申告額は約6000万円に上っているという。
再逮捕容疑は昨年12月7日、大阪市中央区道頓堀1のゲームセンターで、千葉県の20代の女性2人組から1万3000円をだまし取ったとしている。ボタン操作でカッターの刃を動かし、ひもを切るゲーム機でぬいぐるみや家庭用ゲーム機など数万円相当の景品を狙わせ、今回再逮捕された社員の男が「次やったらいけるよ。練習の時にできたから絶対にできる。全部あげるから頑張って」などとけしかけていたという。大平容疑者は「自分は指示していない」と否認し、男は「社長の指示だった」と認めているという。
メーカーなどによると、このゲーム機はボタン操作通りに刃が止まるのは一定周期ごとに1回しか起きない仕組み。その回以外は位置がずれるため絶対に切れないという。府警は、成功する回を避けるために大平容疑者らが何らかの不正操作をしていたとみている。【伊藤遥】