cakes読者のみなさま、こんにちは。
2018年が始まってそろそろ2週間、仕事や生活のリズムは戻ってきましたか? 私は仕事や生活はさておき、身体が戻れていないことを強烈に実感中です。とくに消化器系の内臓たちが「どこまでこき使うんだ!」と疲れ切っています。毎年のことですが、年末年始は乾杯続き、ごちそう続き、肉! 魚! 餅! 酒!の贅沢週間になるから、年明けにはすっかり疲弊して、やさしい料理で癒されたい……という内臓達のつぶやきが確かに聞こえます。先人達も同じだったようで、だからこそ1月7日に食べる七草がゆには、胃腸を休める狙いもあるわけですね。
そこで最近毎年思うこと。内臓が疲れている1月前半なら、七草がゆ、毎朝食べたい。七草粥用の七草セットって、7日限定で店頭に現れて8日には跡形もなく消えるけど、売れ残ったあれは、いったいどこに行ってしまうのだろう。8日過ぎても、しばらく置いておいてくれたらいいのになあ。胃腸をいたわる七草は、7日だけじゃなくて、しばらく毎朝食べたいって思ってる人、案外多いんじゃないかな。
というわけで、疲れた胃腸を労わるべくよく作っているのが、この大根と大根葉のお粥。もともと七草メンバーの中にいる蘿蔔(すずしろ)は大根のこと。大根自体に消化を促すジアスターゼが含まれ、弱った胃腸に優しく働いてくれるから、7種揃わないなら大根だけで作ろうというわけです。葉物を中心に野菜高騰の新春だけど、大根ならそこまででもないし。
このお粥の主役は、たっぷり入れる大根葉。ビタミンなどの栄養が豊富だし、何よりシャキシャキの食感で、にわかに健やかさを取り戻せそうな気持になれます。だからこれは、できるだけ葉付きの大根を買って、たっぷりお粥に入れて欲しい。私は元気な葉付き大根を見つけたときこそ、これを作ります。かなりシンプルな味だから、食べているとちょっと辛みや酸味のある箸休めが欲しくなるので、残った大根の皮で作るさっぱりおつまみ(これでまたお酒が飲みたくなってしまうのですが……)も一緒にご紹介します。こちらはパリパリの食感に仕上がりますよ。
お粥に入れた大根は口の中で柔らかく溶け、シャキシャキの葉の食感の違いも楽しい。また、お粥に余ったおもちを小さく切って入れると、とろみとボリュームが出ます。ちなみに、葉付き大根は買ったらすぐに葉の付け根ごと実(根)から切り離すと、実の栄養分が葉に持っていかれず、実が痩せません。
では、パパッと作っていきましょう。
Menu do dia 本日のメニュー
材料(1人前)
葉付き大根 葉は好きなだけ、実(根)は4㎝幅分
ご飯 茶碗1杯
昆布 10㎝四方 1枚
水 500CC
塩 小さじ2
・おまけのつまみ用
残った大根の皮
しょうが(ごく薄切り)2~3枚
しょうゆ 小さじ2
酢 小さじ2
つくり方
大根の葉は洗って刻みます。
大根は皮を5㎜ぐらいの厚さにむき、芯部分は1㎝角に切る。
小鍋に昆布と水を入れて強火にかけ、沸騰直前でごく弱火にし、5分ほど長めに煮て昆布を取り出す。
角切りの大根を加えてふたをし、中火で火がとおるまで数分煮る。
その間に簡単なおつまみを作る。残った大根の皮を適当に切り、生姜の千切りと一緒にボウルに入れる。
しょうゆと酢を加えてよく和える。
身近な調味料を使う場合は上記でもいいのですが、実はおすすめは煎り酒での味付け。そもそも江戸時代にしょうゆが一般化する前から使われていた調味料で、日本酒に削ったかつお節と梅干を入れ、ことことと煮たもの。現代の市販品の煎り酒は、塩味まろやかでほんのり梅のニュアンスもあり、かつおだしがきいているので和え物に便利。
和えたらしばらく味をなじませて完成。漬け時間が短時間だとあっさり味、たくさん作って1日寝かせると、しっかり味がしみた箸休めの常備菜が完成です。
お粥に戻ります。小鍋の大根が煮えたら、小さく切った餅とご飯を一緒に入れ、塩を加えてふたをせずに強火で煮る。
途中であくが出るのでしっかり取り、餅が柔らかくなったら大根葉を一気に加え、
火を止め、ふたをして2~3分蒸らします。大根葉をしっとりさせるイメージ。
そのまま食卓へ。ふたを開けて完成!
さらっとしたご飯と柔らかい大根、餅の食感、そしてシャキシャキの大根葉は、思った以上にそれぞれが主張します。ときどき大根皮のしょうが和えをつまみながら食べていると、あっという間に完食してしまいます。
それでは、今週末は大根葉たっぷりのお粥で、胃腸や肝臓をゆっくり休ませながらお過ごしください!