大阪府泉大津市の焼き肉店の男性従業員(35)が、玩具のボーガン(洋弓銃)でつまようじを顔に多数打ち込まれるなど経営者らに暴行を繰り返されたとされる事件で、一度に約60本のつまようじが顔に刺さっていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は、傷害や暴行の疑いで逮捕した経営者の向井正男容疑者(42)ら3人が携帯電話で撮影しながら遊び半分で男性に激しい暴行を繰り返していたとみて調べている。
捜査関係者によると、向井容疑者らの携帯電話に暴行の様子が写真や動画で保存されていた。約60本のつまようじが刺さった男性の顔のほか、抜き取った後に多数の傷から血が流れる様子が撮影されていた。さらに、尻などに熱湯をかけられて熱がる男性が氷入りのクーラーボックスに体をつける様子を映した動画もあったという。
向井容疑者と店長の御園生裕貴容疑者(25)は昨年7月と9月の2回、焼き肉店内で男性の顔にボーガンで多数のつまようじを放つ暴行をしたとされる。
向井容疑者らは「昨年5月ごろから暴力を振るうようになった」と供述。府警は向井容疑者らが次第に暴力をエスカレートさせ、玩具なども使って暴行を繰り返していたとみて実態を調べている。
府警は12日、両手に針金を巻き付けてティッシュペーパーを差し込み、火を付けて指にやけどをさせたとする傷害などの容疑で向井容疑者らを送検した。【山田毅、村田拓也、藤河匠】