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憧れられたい THE BOHEMIANSインタビュー

憧れられたい THE BOHEMIANSインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2011/08/29
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2000年代の初頭に海外で起こった、いわゆる「ロックンロール・リバイバル」とは、単に音楽的な揺り戻しではなく、思想やファッションなども含んだ、ユースカルチャーとしてのロックンロールの復権だった。その影響が日本でも表れはじめたのは2000年代後半、近年ではTHE BAWDIES、毛皮のマリーズらが相次いでメジャーデビューを果たし、ロックンロールを取り巻く状況は間違いなく盛り上がりを見せている。そんな状況をさらに押し進めるであろう期待の新人が、山形出身の5人組THE BOHEMIANSだ。

UKのロックンロールバンドの系譜を受け継ぎながらも、THE HIGH−LOWSやスピッツといった日本のバンドも愛する彼らは、ユースカルチャーとしてのロックンロールをより日本に広める可能性を持っている。特に、メジャーデビュー作のタイトル『憧れられたい』が示すように、自らをアイドルと認識し、お茶の間へと入っていく覚悟を持っていることは、他のロックンロールバンドとの大きな違いと言えよう。そんなバンドの姿には、最高のロックンロールバンドであり、最強のアイドルでもあった、かつてのチェッカーズを重ねずにはいられないのだ。それでは、山形のミック&キース、ヒロト&マーシー、いや、あえてフミヤ&尚之と呼びたいTHE BOHEMIANSのフロントマン、平田ぱんだとビートりょうの第一声に耳を傾けてみよう。

平田くんと出会ってバンドやることになったとき、「俺キースで、お前ミックな」って…一瞬言ったよね。

―今の時期はいろんなところで聞かれてるとは思うんだけど、まずは結成の経緯から教えてください。

平田:…(りょうに)どれでいこっか?

―いろいろあるんだ(笑)。

平田:いろいろ用意はしてて、インタビューによって使い分けようと思ってたんですけど…結局ホントのことしか言ってないです。嘘がつけない(笑)。

―プロフィールによると、美大で平田くんとりょうくんが出会ったんだよね?

平田:この人(りょう)が学校の自己紹介で「古いロックが好きです」って言ってたんですよ。それでこの人の家に行ったら、雑誌でしか見たことのないCDがいっぱいあったし、あとブルースギターを弾ける人に出会ったのが初めてだったんで、それが鬼のようにかっこよくて。それで「バンドやろうぜ」って言ったんですけど、それから3年ぐらい何もやれなかった。周りに、この人と俺しかまともな人がいなくて。

憧れられたい THE BOHEMIANSインタビュー 平田ぱんだ

―実際にTHE BOHEMIANSを結成したのはいつなんですか?

平田:学祭のステージに立ちたくて、かろうじて趣味が合いそうなガレージ好きと1回だけライブをやってるんですけど、それが21歳とかで、THE BOHEMIANSを組んだのが22歳かな。

―りょうくんはいつから音楽に興味を持ってたの?

憧れられたい THE BOHEMIANSインタビュー ビートりょう

りょう:元々は中学から吹奏楽をやってました。バンドはコピーバンドぐらいしかやってなかったんですけど、高校のときにMTRにドラムとかベースを録音して、それを持って1人でステージに立ったことはあります。しかも、やったのがSex Pistolsの“ANARCHY IN THE UK”で(笑)。


―それを1人で(笑)。ギターリストになったのは?

りょう:平田くんと出会ってバンドやることになったとき、「俺キースで、お前ミックな」って…一瞬言ったよね。

平田:俺は恥ずかしくって「ボーカルやる」って言えなくて、「ベースやる」って言いましたけどね。俺がボーカルとかありえないと思って。

―意外にですね。自分は花形じゃないと思ってたんですか?

平田:「スターになってやる」みたいな気持ちは、その頃はまったくなくて。

りょう:逆に、自分は小学校でスピッツを聴いてから音楽にのめりこんだんですけど、その頃からミュージシャンになりたいってぼんやり思ってて、草野マサムネさんみたいにアコギ持って歌いたいと思ってました。

平田:バンドメンバー5人ともスピッツが音楽の目覚めなんですよ。

―もっとUKロック原理主義的な人たちかと思ってたけど、そうでもないんですね。

平田:俺はスピッツが音楽の目覚めで、ロックンロールを教えてくれたのがTHE HIGH-LOWSですね。

りょう:僕はスピッツ以降は古い音楽しかダメでした。THE STORKESとかを平田くんから教えてもらったんですけど、好きになるまでにはブランクがあって。最近この人に言われて思い出したんですけど、「ギターにブルース色のないこんな音楽はクソだ」って言ってたみたいです(笑)。

2/4ページ:人が先行してない音楽は、音楽であってもロックンロールではないですね。

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リリース情報

{作品名など}
THE BOHEMIANS
『憧れられたい』

2011年8月31日発売
価格:2,500円(税込)
FLCF-4397

1. メイビリーン
2. 夢と理想のフェスティバルに行きたい
3. パーフェクト・ライフ
4. ガール女モーターサイクル
5. THE ROBELETS
6. Goodmusictime!!
7. 太陽ロールバンド
8. 私のシンフォニー
9. 王国の謎
10. 憧れられたい
11. FaFaFa(素敵じゃないか)
12. 五人の若者劇場『タイムマシーン秘話』

プロフィール

THE BOHEMIANS

ザ・ローリング・ストーンズの公式カメラマンである有賀幹夫氏が「久々に武道館が見えたバンドだ」と評し話題騒然の5人組ロックバンド。黒いハットと赤いジャケットにグラムメイクでステージ狭しと飛び跳ねる天才エンターティナーで作家性をも魅せるVo.平田ぱんだと、今世紀最高のメロディーメーカーであることをまもなく世界が知ることとなる1960年代から抜け出てきたかのようなヴィジュアルのGt.ビートりょうを中心に Dr.チバ・オライリーがチャーリー・ワッツのような微笑みのドラミング。対比的にBa.星川ドントレットミーダウンが、冷たいほどの視線でクールにグルーブ男。Key.本間ドミノ先生はニッキー・ホプキンス+スティーブ・ナイーブのような演奏スタイルで。そんな5人のオリジナルが融合されたスタイルで年間60本のライブをこなす。2010年5月Indies Album『I WAS JAPANESE KINKS』を発表し突如頭角を表し、2011年各メジャーレコード会社争奪戦を経て(株)フォーライフミュージックエンタテイメントと契約。8月31日リリースのメジャーデビューアルバム『憧れられたい』ではエンジニアにザ・イエロモンキー、ザ・ブルーハーツ、エレファント・カシマシなどの作品を手掛ける山口州冶氏を迎え、より強力な1960年代のブリティッシュビーツな世界を完成させた。ロックンロール・アイドル!THE BOHEMIANS。近年もっとも注目のバンドの1つである。

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