日本経済新聞が有望スタートアップを調査した「NEXTユニコーン調査」で、推計企業価値が2326億円で首位となったプリファード・ネットワークス(東京・千代田)。これまで「日本唯一のユニコーン」と呼ばれていたメルカリ(同2位、1479億円)を圧倒したのは、AIの深層学習開発に特化した同社だった。
「頭脳集団」の知られざる内幕を電子版コンフィデンシャルや日経産業新聞で集中連載します。
■トヨタを変えた AI異能の100人集団(1月15日公開)
トヨタ自動車、NTT、ファナック、日立製作所……。たった100人あまりの技術者集団が名だたる日本の名門企業と相次ぎ提携を決めた。営業マンはゼロ、「下請け仕事ならやらない」と宣言する。技術者の大半が20~30歳代、就職の条件には「コンピューターのすべてに精通していること」。目指すは「未来のグーグル」だ。巨人トヨタが漏らした本音とは。
■35歳のツートップに見る「盛田・井深」の再来(1月16日公開)
プリファード・ネットワークス
AIの一種である深層学習で制御技術を開発する。西川徹社長は「深層学習を導入することで製造業に変革の波を起こしたい」と語る。昨年8月にはトヨタ自動車が約105億円を、12月には日立製作所や三井物産などが20億円を相次いで出資した。「彼らこそ現代の盛田昭夫、井深大だ」。同社COOの長谷川順一氏は、そんな思いでソニーの要職を辞してプリファードに転じた。プログラマーとしてならした西川徹社長と、週に論文を100本読む天才肌の岡野原大輔副社長。東大の同級生だった35歳のタッグは、危うさを抱えつつも異才を引き寄せる磁力を放つ。ソニーの絶頂期と転落を知る長谷川氏がAI集団に見たのは、ソニー創業者が夢見た「愉快ナル理想工場」だ。
■AIの業界標準「趣味で作っちゃいました」(1月17日公開)
プリファードの代名詞ともなったAI深層学習のフレームワーク「チェイナー」。誰でも使えるオープン仕様としたことで業界標準となった。自動運転の旗手と目される米半導体エヌビディア、米マイクロソフト、米インテル……。海外の名だたる名門がその完成度を認めて提携を申し入れた。そのチェイナーは、27歳のエンジニアが「趣味で」、たった10日間で完成させた。
■ファナックがうなる「賢いロボット」の切り札(1月18日公開)
富士山麓に密生する孤高の黄色い会社ことファナック。製造用ロボットで覇権を握り世界の工場に君臨する同社は、外部との接触を断つ独自路線で知られていた。そのファナックが挑むAI搭載の「賢いロボット」革命。それを可能にしたのがプリファードの深層学習技術だった。内向き集団だった「ロボットの巨人」を外に向けさせた技術とは何か。
日経産業新聞でも関連記事を掲載します。
■西川徹プリファード社長インタビュー(1月15日掲載)
■「チェイナー」世界をつかんだ最強の道具箱(1月15日掲載)