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「はれのひ」社長は黄色ブレザーのビッグマウス えげつなかった手口

小泉耕平週刊朝日

横浜市中区のはれのひ本部(撮影/小泉耕平)

横浜市中区のはれのひ本部(撮影/小泉耕平)

行方不明になっている「はれのひ」の篠崎洋一郎社長

行方不明になっている「はれのひ」の篠崎洋一郎社長

 振袖の販売やレンタルを手掛ける「はれのひ」(本部・横浜市中区)は成人式当日に幹部らが“音信不通”となり、多くの被害をもたらした。1月11日現在も同社の篠崎洋一郎社長は行方をくらましたままで、真相は謎に包まれている。

【写真】行方不明になっている「はれのひ」の篠崎洋一郎社長

 篠崎社長は「はれのひ」を本格展開する以前は、コンサルティング業を営んでいた。本誌は篠崎氏からコンサルティングを受けていたという、東京都八王子市内の呉服店のオーナー(70)に話を聞いた。オーナーはこう語る。

「篠崎氏と初めて会ったのは2010年、着物関係の業界人が集まる交流会の場でした。着物業界の大手企業に勤めていたといい、そこで学んだ経営ノウハウを生かしてコンサルをしているという。具体的には、テレマーケティングの手法です。一般顧客に直接、営業電話をかけて、成人式や卒業式の着物のレンタルと着付け、写真撮影までをトータルで販売する。呉服の知識自体はあまりありませんでしたが、ビジネスには自信がある様子で、落ち着いた語り口で『そちらの売り上げを伸ばしてみせます』と断言する。頼もしいなと思い契約しました」

 当時の会社名はシーン・コンサルティング。コンサル料はひと月10万円ほどで、月に1回、店舗を訪問する篠崎氏に担当者が指導を受けた。すると、それまで不振だった振袖部門の業績がみるみる伸び、年50~60件だった成約件数は5年後には300件以上になったという。

「指導は厳格で、実際に社員がテレアポをするのを聞いて、『こうした方がいいんじゃないの』などと手取り足取りアドバイスをしてくれた。専務でカメラマンの60歳くらいの女性を同行して来る時もありました。全国に10社ほどの顧客がいて、年に1度は東京や京都のホテルで研修会を開いていました。彼はお酒が強く、服装も黄色いブレザーなど派手なものを好んでいた。ビジネスライクであまりプライベートの話はしませんでしたが、ビッグマウスで、『将来は上場したい』『中国でブライダル事業をやりたい』などと夢を語っていた。正直、ちょっと眉唾な話で、ちゃんと自分の足元が見えているのかな、とも思いましたが……」


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