鹿島建設社長、押味至一さんのご経歴、好物、出世秘話
2017.06.02
私はCADオペとして、土木の現場を中心に建設業で5年以上働いてきました。
最初はCADの操作しかできなかったのですが、今では白紙から図面を起こせるようになりましたし、数量を拾ったり、報告書を取りまとめたり、簡単なものであれば、施工計画書も作れるようになりました。
そして現在、土木建設業の現場を異動するたび、どこの現場でも耳にする言葉があります。
「CADオペが足りない!」
この言葉を聞くと、CADを操作できる人が足りない、と捉える人が多いのですが、実は「土木がわかるCADオペが足りない」という意味なのです。CADオペの転職サイトや求人サイトでは分からないと思いますが、土木建設業の現場が欲しがっているCADオペとは、ただのCADオペではなく、次のようなCADオペなのです。
土木のCADオペとして私を育ててくれた方は、私に作業を頼むとき、一度自分でやってみせてくれる人でした。ときには、紙の図面に赤のボールペンや青のボールペンなどを使って、図や文字を描きながら指示を出してくれたのです。私が自分でイメージを描けるように意識して指示を出してくれていたのだと思います。
そういう丁寧な指示のおかげで、私は次第に自分がやっている仕事のイメージを描けるようになりましたし、現場でいつまでにどんな手順で仕事を進めていくのかを学ぶことができました。
私の初めての現場は、鉄道工事の土木工事で、都市部のど真ん中。住宅密集地の工事で難易度も高い現場でした。その現場に勤務しているゼネコンの社員たちはとても優秀で、仕事のクオリティーはかなり高いものでした。
私は最初、仮設図の修正から入っていきました。当初は敷鉄板や重機の呼び方などが全くわからず、土木の知識もそれほどなかったため、常に手取り足取り教えてもらいながら仕事を進めていました。現場は最盛期でとても忙しく、しかも夜勤のある現場なのでかなりバタバタしていましたが、私が教えを乞いに行くと、その方は必ず手を止めて、まずはご自身で手を動かしてみせて、手順や意味などを教えてくれました。山本五十六元帥の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」を実践している方でした。
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