NvidiaのAutoSIMは「インセプション」ばりの自動運転車用仮想環境だ
Nvidiaは今回のCESで、沢山の新しいものを発表しているが、そのほとんどは車を中心にしたものだ。その中でも最も興味深い発表の1つがAutoSIMだ。これは、これまで世の中で実際の車を使って実際の路上で行われたものよりも、遥かに多くの時間が使われた、シミュレーションのための仮想テスト環境だ。
NvidiaのCEO、Jensen HuangはプレスQ&Aの席で、AutoSIMを(夢の中の夢を描いた映画である)「インセプション」のような仮想環境だと語った。とはいえNvidiaのAutoSIMの構造は夢ではない。仮想化されたAIエージェントが、より大きな仮想環境の中で動作するものであり、仮想化された拡張現実ソフトウェアも実行されている。
AutoSIMは本質的に、非常に強力なNvidia DGX GPUベースのスーパーコンピュータ上で実行される巨大な仮想世界なのだ。その中には、複数の仮想都市とそれらの都市の仮想道路を周遊している仮想車両があり、生成された都市環境を仮想の歩行者、サイクリスト、動物などが共有している。
「私たちは本質的に、こうした仮想車両が走り回る仮想世界を、膨大に所有することになります」とHuangは語った。さらにViveヘッドマウントVRディスプレイのようなものを使うことで、こうしたシミュレーションの中への「ワームホール」を実現することが可能で、そこでは例えば、Nvidiaの新しい車載拡張現実プラットフォームであるDrive ARなどを、観察したりテストしたりすることが可能になる、と付け加えた。
AutoSIMの本当に凄い部分はどこか?仮想都市の仮想道路上を走るそれらの仮想車両それぞれが、Nvidiaの車載自律スーパーコンピュータープラットフォームDriveの仮想版を実行しているということだ――つまり、アンドロイドたちは本当に電気羊の夢を見ているが、その羊たちは自動運転車ということだ。
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(翻訳:sako)