加えて家賃下落と空室問題もある。まして、地方の場合はより厳しく、一般的に年に最低でも価値が1%は下がるといわれている。そうなると一年しかもたない計算になり、利回りが13%以上ないと難しく、そんな投資市場はもはや存在しない。つまり、数年後も今と同じような母数を保ちながら、このスキームが続いている可能性は極めて低いのです」
東京商工リサーチの調べによれば、このスキームを乱用していると悪名高い、某地方銀行Bの平均給与額は国内平均の中では圧倒的上位につけている。
不動産投資は、自己責任の世界だ。だが、その裏では、高額なアパートローンで泣きを見る投資者の存在がいることも現実だ。
【長嶋修氏】
不動産コンサルタント。業界・政策提言や社会問題全般にも言及するなど、精力的に活動中。著書に『不動産格差』(日本経済新聞出版社)など
<取材・文/栗田シメイ>
いよいよ始まるのか。