藤岡さんと出会ったのは2006年に僕がMIの講師になった時からで、
学校で色々話をするようになりセッションもするようになった。
深く付き合いだしたのは変拍子セッションの原型とも言える
三軒茶屋GRAPEFRUITMOONでのセッションを一緒にやり始めてからだった。
その時は彼はいつも教本の締め切りに追われ、ライブのMCは決まって
ライブ終わって帰ったら1万文字書かなきゃ間に合わないってやばくないですか?
皆にMC中に質問するのだ。
これがライブのお決まりであった。
それでいてライブ後、すぐ帰ればいいのに
一杯だけ飲もうかな、大丈夫でしょ大丈夫でしょ。
と呪文のように唱え、飲み始める。
(マジですぐに帰ったほうがいいよ と皆思っていてもだ)
そして終電が近づき、結局誰もいなくなるまで飲んで
『いよいよやばい いよいよやばい』
『なんか酔っぱらってきた酔っぱらってきた』
全ての言葉を2回づつ言い始め、、、
そして焦って帰る。
で、次に日学校で朝10時に会うと
雑賀『昨日1万文字書けました?』
藤岡さん『帰ったら酔っぱらってて全然かけなくて、、、今日朝4時に起きて片付けてきました。今回はマジでやばかったです』
(最初から酔っぱらってたよ。うん。)
これがまさに藤岡幹大である。(本当か?!w)
とにかくオファーがある仕事は忙しかろうがなんだろうが
絶対的に引き受けるのが彼の信条だった気もする。
やろう!それめっちゃええやん!
藤岡幹大もノリノリであった。
が、、、、、
曲があまりにも難しく、ライブ中に一回もお客さんが手拍子できないし、
回を重ねるごとに著しくお客さんも減り、、同時にお客さんの笑顔も減っていた、、
(当時は本当に10人くらいのお客様の時もあった笑)
やばい。。。
控えめに言って、これはやばい。
はっきり言ってGRAPEFRUITMOONに大迷惑である笑
何しろ店側も全然楽しくないマニアック極まりない変拍子を聞かされ、
お客もいないのである。
しかも僕たち演者も2時間変拍子は思ったよりもハードで、
リハが終わった時点で頭を使いすぎて
皆でブドウ糖を摂取するという、まさかの事態になってきたのだ。
めっちゃ頭疲れる。めっちゃ頭疲れる。
藤岡幹大でさえ呪文のように言っていた(また2回言う)
突然ノリノリのTOWER OF POWERなどを選曲に入れた。
うん、控えめに言って すごく楽しい。。
なにこれ。最高。
TOWER OF POWER最高かよ!
万歳David Garibaldi!
https://www.youtube.com/watch?v=fcL23m9QuaM
しかし、ライブタイトルは『変拍子セッション』のままであった。
そう、我々も簡単に諦めるわけにはいかない!!
なんとかいい塩梅でできないか、、
(※この時点でだんだん向いてる方向が音楽的ではなくなってきた、、。笑)
よし。
ひとまず 曲中が全て変拍子はやめよう。
テーマだけ変拍子でソロ中は4拍子の曲にしよう。
その方がいい。
すると、お客さんに笑顔が戻り始めた。実に楽しそうである。
これだ。
我々の向かうべきところは!我々は常にお客様第一主義である。
そしてFirst Circle(8分の22拍子)やBlue Rondo Turk(8分の9拍子)などなど、、
ずっと変拍子の曲は
やるなら歌モノがいいかもしれない。
だんだんと現在の変拍子セッションの形ができてきたのだ。
こんなライブメセニー以外ない!笑
そして月日は流れ相当な曲数のレパートリーになってきた。
するとその頃から、藤岡幹大の大出世によりBABY METALの
お客さんでいつの間にか満席になるようになったのだ。
Red Hot Chili PeppersやGuns N’ Roses、Metallicaなど錚々たる
スーパースターとワールドツアーをBABY METALが一緒に回り、ますます天才ぶりが開花したのだ。
ワールドツアーの規模のでかさを聞くのもリハ中の楽しみになっていった。
とはいうものの性格は全く変わらず、小さな営業仕事も、執筆も講師業も仕事は選ばない、
自分は決しておごり高ぶることもない、素晴らしいやつだった。
そしてここ2年弱は僕が歌舞伎町でMusic Bar Circleを経営しだしてからは、
すごい人気になっていった。
もうまさに店を経営している僕にとっても完全な『小神様』いや『大神様』となったのだ。
ライブが終わるとそのフランクな性格からお客さんともいつも楽しそうに話していた。
彼は実はCIRCLEが始まって以来、ライブ後、終電で帰ったことがないのだ笑
大体12時くらいになると、、
藤岡さん『もう今日は タクシーでええわ、もうちょっとだけ雑賀さん大丈夫ですか?』
雑賀『全然全然〜 飲みましょうよ』
この『もうちょっと』いう言葉、彼は意味を分かっていない。笑
明け方下手したら明けてから、、、。つぶれるまで帰らないのだ。
明け方は大体、カウンターのパソコンを勝手にいじり出し、
YOU TUBEを見よ。。(自分家かよ!)
井上陽水とかを見だす。
藤岡さん『これめちゃいい!これめっちゃいい!雑賀さんこの動画知ってます??』
雑賀『あ〜いい!でも知らなかったかも!』
これが長い時には1時間続くのだ。
そして明け方、、、、。
藤岡さん『ちょっとだけ弾き語りしてもいいですか?』
(でた!!!この時間から弾き語るのかよ!)
雑賀『全然!』(もう朝方だし!ベロベロだしいいよ!w)
大体 『傘がない』はマストである。
そしてファンと僕に抱えられながら歌舞伎町区役所通りのタクシーに乗せこむのである。
それでいて、本当に最高のプレイヤーで先生で天才でした。
実に彼が出した教本は27冊!恐ろしい数!
またいつかライブやって飲み明かそうね!!!!!
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