仮想通貨とは?始める前にしっておきたい仕組みやメリットデメリット、仮想通貨5選を紹介
ビットコイン、ライトコイン、イーサリアムなど、様々な仮想通貨が溢れています。今や仮想通貨のニュースを聞かない日はないでしょう。
しかし、各仮想通貨について、名前ばかりが先行してしまい、その中身や仕組みについては、あまり知らない人も多いのでしょうか。結果、どれに投資していいかわからず、投資の機会を失っているかもしれません。
今回は、仮想通貨の根幹を支える仕組みおよび、各仮想通貨の特徴、今後どのように広がっていくかについて解説していきます。
仮想通貨の誕生は最近?歴史と仕組みに迫る
仮想通貨の歴史は意外と古く、2008年にはじめて、仮想通貨の概念が発表されたと言われています。10月にサトシ・ナカモトさんがインターネット上で論文を提唱したのを機に、仮想通貨の研究がはじまり、その3か月後の2009年1月頃に、ソフトウェアが開発されました。そしてその後すぐに、初めての取引が行われました。
そして1年後の2010年に、仮想通貨の取引が可能な取引上が完成し、実際取引所ができてから3ヵ月後に、初めて決済が行われました。
ブロックチェーンとP2Pとは?
仮想通貨は、存在を成り立たせるために「ブロックチェーン」および「P2P」という技術を使っています。
P2Pの仕組み
P2Pとは、peer to peerネットワークとも呼ばれ「サーバー」を持たない分散型のネットワークになります。
本来、インターネットはサーバーと呼ばれるものに接続し、サーバーから情報を取得します。これは、サーバーとPCの役割が明確になる一方、サーバーがダウンすると、情報の担保ができない、というリスクがあります。
一方、P2Pは個々のパソコンが相互につながっており、全員が共有のファイルを持つことになります。このため、一つが攻撃を受けても他のデバイスがダウンすることはなく、常にバックアップを持つことができるという利点があります。
ブロックチェーン
これを応用したのがブロックチェーンです。ブロックチェーンはP2Pネットワークを利用し、取引が発生すると、それぞれが同じ記録を作成し、保持します。こうやって、常に同じ情報を複数人が持つことで、その情報の正確性を担保しています。
仮想通貨と普通の通貨、最も大きな違いは?
では、仮想通貨と普通の通貨や電子マネーは、いったいどこが違うのでしょうか。
発行体がない
まずは「発行体がいない」ということです。一般的に通貨は中央銀行が印刷し発行。その価値を担保します。電子マネーであれば、企業がその価値を担保し、ポイントを発行します。
管理者不在
しかし、仮想通貨には、中央銀行というものが存在しません。つまり、誰も管理を主体的にしている人がいないのです。仮想通貨の整合性は、それぞれのコンピューターが演算をすることで、その正しさや価値を担保しているわけです。
発行は?
また、管理者がいないということは、発行が行われていないのか、というと、決してそうではありません。仮想通貨は、マイニングと呼ばれる採掘行為をすることで、新しい仮想通貨が付与されます。といっても、実際に採掘をするわけではありません。
仮想通貨は、その性質上、一定期間ごとに、すべての取引記録を取引台帳に記録する必要があります。その処理は、ネットワーク上に分散されて保存されている取引台帳のデータと、追記の対象期間に発生したすべての取引のデータの整合性を取りながら正確に記録することが必要です。
これらはすべてコンピューターで行われますが、膨大なリソースがかかります。何万にもおよぶ取引を正確に処理しなければいけないからです。有志メンバーのリソースによりなされています。
そして、取引記録を追記した人に対して、その見返りとして仮想通貨が支払われるのです。この報酬は新たに発行された仮想通貨によって支払われます。通貨の新規発行はこの瞬間に起こります。
発行の上限設定
新規発行は仮想通貨ごとに総量を定めていることが多いです。なぜならば、総量を決めないと、無限に作れることになってしまい、その結果。仮想通貨の価値が下がってしまうからです。
たとえばビットコインの場合、発行総量は、2140年までに2,100万 ビットコインとされていて、それ以降は新規に発行されることがないとされています。
仮想通貨は新しい通貨?仮想通貨のメリット・デメリット
テレビや新聞では、仮想通貨を通過として認めるかどうか、という議論が日々されています。というのも、仮想通貨には通貨に比べて優れた点もあれば、デメリットももちろんあるからです。では、メリット、デメリットを整理してみましょう。
【メリット】
- 個人間で直接決済できる
- 円やドルとの交換が格安で可能
- 煩わしい制限や手続きが存在しない
- 投機の手段としても使える
個人間で直接決済ができる
仮想通貨の1番のメリットは、個人間、または個人と法人で、直接決済ができる点です。これまでの通貨の場合、相手に送金するには、銀行などを介して送金する必要がありました。しかし、仮想通貨は個人間が直接決済を行うことが可能です。
仮想通貨は、このような金融機関の介入もありません。直接個人間でお金を手わたしするように、仮想通貨の直接決済が可能です。これによって、今までかかっていた決済コストの低減が期待されます。
円やドルとの交換も格安で可能
銀行とは異なり、仮想通貨の入り口は両替所と呼ばれる、現金と仮想通貨を交換するところになります。彼らは主に交換およびマイニングを収益源としています。
銀行の両替に比べて、両替所での交換も格安になっています。これは、実際にお札不要で電子データのみでやりとり可能だからです。そのため、余計なコストがかからず、格安での両替が可能です。
また、円、ドル、ユーロなど主要国通貨と交換可能ということは、世界どこでも仮想通貨が使える可能性があるということです。今は一部店舗でしか使えないですが、今後、決済が広がっていくと「海外旅行でも両替をする必要はない」というようなこともあり得るのです。
煩わしい制限や手続きが存在しない
通貨というのは、各国の法律で厳しく縛られています。そのため面倒な制限や手続きがあったりするのです。一方、仮想通貨は、銀行を経由した決済では無いので、煩わしい手続きや制限が存在せず、より自由な取引が可能になります。
投機の手段としても使える
ビットコインは、まだプレーヤーが少ないため、比較的値動きも荒いことが多いです。各国の要人発言や地政学リスク等で、価格がすぐ変動します。
このため投機の手段としても使うことが可能です。少額であっても、今後大きく価値があがるという点では、投機対象としても注目されています。
仮想通貨のデメリット
もちろん、仮想通貨は、メリットばかりではありません。デメリットも存在します。
【デメリット】
- 決済ポイントが少ない
- 政治的リスク等で価格が大きく動く
決済ポイントの少なさ
デメリットの1つとして、まだまだ決済ポイントが少ないということです。仮想通貨はまだ普及段階であり、使える店舗等は制限されています。流通を増やす点では、これは大きな課題です。
政治的リスクの影響
また、国が認めた通貨でないということは、信用性を後ろ盾するものがいない、ということです。例えば、中国がビットコインの取引を停止させる方向で動いたとき、ビットコインの価格は大きく値下がりしました。また、日本においても、現段階では通貨とは認められていません。
政治的リスク等で、価格が大きく動くのは安定的に使いたい人にとっては、デメリットと言えるでしょう。
今注目されている?仮想通貨5選
それでは、仮想通貨の中でも、今、どのような通貨が注目されているのでしょうか。仮想通貨の規模を見る資料として、時価総額があります。
仮想通貨の時価総額は、価格×取引量で計算され、「大きい方がたくさんのお金がその仮想通貨に流れている」という証になります。
知名度ナンバーワン!「ビットコイン」
まずは、皆さまも1度は聞いたことがあるでしょう、ビットコインです。ビットコインが最も古い仮想通貨であり、また、すべての仮想通貨のベースとなっています。時価総額は8兆円程度となっています。
日本でもビットコインの利用度は上がっており、デパートや飲食店で使えるケースもあります。決済の面でも投機の面でも、比較的目に触れやすいメジャーな仮想通貨です。
参考までに、世界発のビットコインと商品の交換は、2010年に10,000ビットコインとピザの交換をしたのが初めて出そうです。この時に比べると、今の価値は、約222万倍になっています。
契約情報も記録できる「イーサリアム」
イーサリアムは、19歳のヴィタリック・ブテリンの主導によって作られた仮想通貨です。時価総額は、ビットコインに続き大きく、4兆円程度となっています。
イーサリアムの大きな特徴は、スマートコントラクトと呼ばれる、取引情報に加えて、契約情報もブロックチェーン上に記録できる仕組みです。契約情報まで記録できる分、より信用度が高いのが特徴です。
ビットコインから分割した、「ビットコインキャッシュ」
ビットコインキャッシュは、ビットコインから分割された仮想通貨です。名前は似ていますが、ビットコインとの互換性はありません。できたのは2017年の8月と新しく、しかし、1兆円ほどの時価総額があります。
ビットコインは、急速にその取引量が拡大したことで「スピード感ある決済ができなくなるかもしれない」という状況に陥っていました。この事態を防ぐために、新しい仮想通貨を作り、分割することで、ビットコインの負荷を減らそうとしたのが、ビットコインキャッシュです。
日本の銀行とも提携している「リップル」
リップルは、アメリカのリップル社が生み出した仮想通貨です。時価総額は1兆円程度で、ビットコインキャッシュとほぼ同じくらいです。
リップルは決済面に特に強みを持っています。ビットコインより決済スピードが早く、通貨間の橋渡しとなる「ブリッジ通貨」であるため、世界の各通貨との橋渡しが容易に可能です。現在、日本のメガバンク含め、世界中の主要金融機関がリップルと提携を進めており、2018年以降続々と新しいサービスが立ち上がる、といわれています。
実は二番目に歴史がある「ライトコイン」
ライトコインは元グーグルのエンジニアであるリー氏が作り上げた通貨です。2011年に開発されているのですが、ライトコインの時価総額は5,000億円前後と、そこまで高くありません。
より日常生活に特化した形となっており、決済スピードはビットコインに比べても早くなっています。その分、マイニングが簡単であると言われており、その安全性を不安視される方もいます。
まとめ
仮想通貨が初めて構想されてから、もうすぐ10年たとうとしています。その間、仮想通貨は大きく成長し、時価総額はトータルで10兆円を超えるようになりました。規模が広がるにつれて、法整備など様々な問題も生まれつつあります。
しかし「銀行を介さない取引が可能である」点や、「手続きが簡便になる」という点でも、その便利さは際立っています。今後、さらに価値があがっていく可能性があります。
また、仮想通貨は、様々な種類があり、仮想通貨ごとに特徴があります。もしかすると、この中のいずれかが、10年後には、世界通貨として君臨しているかもしれませんね。
なお、別の投資について知りたい方には「お金を増やす!【初心者向け】初めて投資する前に知っておきたい投資10選」のページでいろいろな投資方法の良い面・悪い面を紹介しているので参考にしてみてください。