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【2017-2018】長野の冬の夜を彩るイベント7選。軽井沢高原教会から善光寺まで

2017.12.21

凛とした寒さに包まれる長野県の冬。各地で寒冷地ならではの澄んだ空気や雪景色を利用した、美しく幻想的な夜のイベントや祭りが開催されています。今回は、その中から特に長野県の魅力を楽しめるものを厳選してご紹介。満天の星のもと、白銀の世界が広がる長野の夜だからこそ出合える景色がたくさんありますよ。

▲毎年2月上旬に長野市で開催され、善光寺がライトアップされる長野灯明まつり(写真:中嶋秀磨)

【軽井沢町】聖なる森が光に包まれる「軽井沢高原教会クリスマスキャンドルナイト2017」

日本有数のリゾート地として知られる軽井沢。聖なる森に佇む「軽井沢高原教会」は、大正時代より多くの文化人が集う由緒ある教会です。毎週日曜には誰でも参加できるゴスペル礼拝が行われるなど、“開かれた教会”として時代を超えて親しまれています。
この教会で毎年12月に開催されるのが「クリスマスキャンドルナイト」。教会前には、このイベントのシンボルである高さ6mのもみの木ツリーが立ち、ランタンキャンドルとツリーのイルミネーションが温かく森を照らします。
▲森の中央に浮かび上がる「光の十字路」
▲ランタンが貸し出され、森で「ランタン散策」を楽しむことができる

また、毎週日曜に開催される「星空式」では、クリスマス4週前からキャンドルに日曜ごとに1本ずつ火を灯し、クリスマスを祝う「アドベントキャンドル」を実施。教会に集まった人々で隣の人へと炎をつなぐ、神聖な時間を過ごせます。
▲教会に響くやさしいハンドベルの調べ

さらに、金・土曜はハンドベル、日曜と12月25日はハープ演奏や牧師の講話とゴスペルを組み合わせたクリスマス音楽礼拝を開催。教会内に響く音楽や、ギフトをテーマにした牧師の言葉を聴いて、その感動を大切な人と分かち合いましょう。

【安曇野市・大町市】長野県内最大級のイルミネーションイベント「光の森のページェント」

北アルプスの麓にある「国営アルプスあづみの公園」。安曇野市の堀金・穂高地区と、大町市の大町・松川地区のふたつに分かれている国営公園です。「光の森のページェント」は、そんな2地区で約2カ月間にわたって同時開催される安曇野の冬の風物詩です。
▲夜の森を鮮やかな計70万球の光が照らす「光の森のページェント」

2017年度のコンセプトは、「幻想的な世界で“わたし”が輝く」。自然の中という立地とインタラクティブな演出で、幻想的な世界がつくり出されます。
▲光の世界に入り、主役となって非日常体験ができるような演出がいろいろ

さらに今回は「7つの宝石の秘密」と題し、イルミネーションで輝く森の中に秘められた“7つの宝石”をすべて集めるイベントも開催。7つ全てを集めると“真実の宝物”にたどり着けるのだとか。スマートフォンを使って2地区のイルミネーションスポットを巡り、7つの宝石を集めてみましょう。
▲堀金・穂高地区には4つ、大町市の大町・松川地区には3つの宝石が飾られており、音楽と連動する演出もある
▲宝石にまつわるイルミネーションや、ハートが印象的なフォトスポットも

また、堀金・穂高地区では「光と花火のショー」、大町・松川地区ではコンサートなどのイベントが行われるほか、両地区でクラフト体験や屋台なども楽しめますよ。
▲堀金・穂高地区で毎週土曜と12月24日20時から開催される「光と花火のショー」

【上田市】鹿教湯温泉が灯と雪できらめく「氷灯ろう夢祈願」

「鹿が猟師に教えた温泉」であるという言い伝えからその名が付いた、上田市の鹿教湯温泉(かけゆおんせん)。高血圧や動脈硬化、神経痛などの症状に効能があると言われ、古くより湯治場として栄えています。
そんな鹿教湯温泉で1997(平成9)年から続く恒例行事が「鹿教湯温泉氷灯ろう夢祈願」。毎年12月末から翌年1月末の間、氷を灯ろうにした「氷灯ろう」が温泉街に約200個飾られ、街全体がやさしく幻想的な雰囲気に包まれます。
▲手作りの氷灯ろうが雪景色の中で輝く

旅館が連なる湯端通りから内村川にかかる「五台橋」を経て、「日本三大文殊」のひとつとされる文殊堂前の46段の石階段や薬師堂周辺まで「氷灯ろう」が並ぶ景色は感動的。イルミネーションとは異なる温かみを感じます。
▲屋根付きが珍しい木造橋「五台橋」は、「日本のマディソン郡の橋」ともよばれている

また、鹿教湯温泉最古の源泉跡に立つ共同浴場「文殊の湯」の露天風呂からは、湯に浸かりながら氷灯ろうが輝く雪景色を眺めることができます。

なお、約200個の氷灯ろうは、毎日16時30分頃に「文殊の湯」前で火が灯されます。その時間帯にこの場所に集まれば、誰でもたいまつで火を灯す作業を体験できます(参加無料、予約不要)。
氷灯ろうに願いを込め、自ら点灯することで成就を祈願できる「夢祈願氷絵馬」も人気で、鹿教湯交流センターにて1,000円(税込)で販売されています(要予約)。
▲五台橋から先には文殊菩薩や薬師如来が祀られていることから、かねてよりこの橋は「現世と神の世界を結ぶ橋」とされてきた

雨や雪、強風などの悪天候で氷灯ろうの点灯が困難な日は中止になる場合もあります。例年2~3日は中止に見舞われるそうなので、心配な方は鹿教湯温泉旅館組合事務局まで事前にお問い合わせを。

【野沢温泉村】村人たちの情熱がぶつかり合う日本三大火祭りのひとつ「道祖神祭り」

長野県の北部に位置し、開湯700年以上の歴史をもつ野沢温泉村。この村の名物のひとつが、毎年1月15日に村をあげて盛大に開催される「道祖神祭り」です。1993(平成5)年に国の重要無形民俗文化財に指定され、例年、国内外から多くの観光客が押し寄せる日本屈指の奇祭です。
▲江戸時代後期にはすでに盛大に行われていたとされる「道祖神祭り」

この祭りは、小正月に注連縄やしめ飾りなどを焼いて無病息災や五穀豊穣を祈る「どんど焼き」のひとつで、村の平安や初子の祝い、良縁祈願や厄祓いなどを祈念して行われます。高さ10数m・広さ8mにも及ぶ巨大な社殿を舞台に、火を付けようとする村人と、それを防ごうとする厄年の男衆による激しい攻防戦が繰り広げられます。その激しさや壮大さから日本三大火祭りのひとつに数えられています。
▲攻防戦は例年20時30分頃スタート。火がついたたいまつや松の枝で互いにバシバシと叩き合う男たちの姿は、本気の喧嘩さながら!

命がけの攻防戦はおよそ1時間半にも及び、毎年けが人が出る本気の戦い。そして壮絶な攻防戦の末、22時すぎに双方の手締めによって社殿に火が入れられます。大きな炎が上がり、雪に包まれた周囲が明るく照らし出されると祭りは最高潮に。こうして燃え落ちた社殿は翌朝までくすぶり、この炭で焼いた餅を食べると1年間は風邪を引かないと伝えられています。
▲社殿の炎は遠く離れていても熱が伝わってくるほど

なお、この攻防戦に参加できるのはあくまで村人のみ。祭りには「社殿の正面からしか攻めない」「腕を下げない」といった独自のルールがあり、観光客の参加は厳禁です。また、祭りの前々日の1月13日の昼に行われる御神木里曳き(厄年の男衆が温泉街で御神木を引き回す行事)や14日の社殿づくりも観光客は見学のみです。
▲「道祖神」とは、集落の境や村の中心に祀られ、災厄や悪霊の侵入を防いで子どもの成長や子孫繁栄などをもたらす守り神

【飯山市】豪雪地帯の冬の風物詩!「かまくらの里」

長野県北端に位置し、日本有数の豪雪地帯として知られる飯山市。「かまくらの里」とよばれる飯山市信濃平には、毎年1月下旬から2月下旬までの約1カ月間、豊富な積雪で作られた15基ほどのかまくらが出現します。今や飯山の冬の風物詩として多くの観光客に親しまれており、土・日・祝日の夜はライトアップも行われ、昼夜を通して、家族や友だち、恋人などと雪国体験を楽しむことができます。
▲地元住民による「かまくら応援隊」によって作られ、1基あたりのサイズは大人5名が入れるほど

期間中、かまくらの中で食事が楽しめる「レストランかまくら村」も開催。地元野菜やいいやまブランド豚「みゆきポーク」を使った信州味噌仕立ての「のろし鍋」を食べることができます(2名より注文可能、要予約)。
▲地元産食材を使った具だくさんの「のろし鍋」。飯山産のおいしいお米で作られたおにぎりが1人1個付く
▲かまくら内部には机と椅子も設けられている。冷えるので防寒対策は万全に

また、本格的な神殿を構えた「かまくら神社」も登場。土・日・祝日の夜は「かまくら神社」参道の小さなかまくらもライトアップされるため、より幻想的な風景が楽しめそう。
▲真っ白な雪原が広がる会場ではソリを100円(税込)でレンタルでき、ファミリー層に好評。寒くなったら暖かい避難所があり、トイレも近くにある

さらに、毎年2月第2土・日曜には「かまくら祭り」が行われます。第2土曜の19時からは花火大会も。澄んだ冬の夜空を鮮やかに彩る、雪上の花火鑑賞は感動的ですよ。
▲かまくらの里の夜空を尺玉やスターマイン、ナイアガラなどの花火が彩る

【木曽路】古きよき宿場町に幻想的な明かりが灯る「木曽路氷雪の灯祭り」

江戸時代の五街道のひとつである中山道。そのうち、木曽川に沿って険しい峠や深い谷を越えて伸びる街道部分は木曽路とよばれ、11の宿場町から成っています。今も往時の面影を色濃く残すことから、この地を訪れる多くの旅人が江戸時代にタイムスリップしたようだと話します。
▲妻籠宿(つまごじゅく)は全国で初めて古い町並みを保存した宿場町で、国の重要伝統的建造物保存地区に選定されている

毎年1月下旬から2月中旬まで開催される「木曽路氷雪の灯祭り(ひまつり)」は、木曽路の宿場町と木曽御嶽山麓(きそおんたけさんろく)などを舞台に、アイスキャンドルや雪像に明かりを灯すイベント。8市町村にまたがる12カ所で開催され、地域ごとに開催日が異なります。
▲各地域で実行委員会が設けられ、それぞれに趣向を凝らした幻想的な風景と催しが楽しめる(写真:開田高原)

そのひとつ、「信州木曽ふくしま雪灯りの散歩路」は毎年2月第1金・土曜に開催。木曽町の福島宿周辺の約2kmに住民手作りのアイスキャンドルが約5,000個並び、雪像コンテストも行われます。五平餅や木曽地方の伝統的な発酵食品「すんき漬け」を使ったパイ、さらには豚汁やすんき汁などの体が温まるグルメも揃うほか、甘酒なども振る舞われます。
▲アイスキャンドルが輝く雪のすべり台も登場する「信州木曽ふくしま雪灯りの散歩路」

さらに第1土曜の昼には同町の御嶽山麓に広がる開田高原に、大きなかまくらや雪のすべり台が出現。もともと「開田高原かまくらまつり」として同時開催されていたもので、木曽馬による「馬ゾリ」のほか、スノーシューやスノーモービル体験、かまくら作りなども楽しめます。夜はアイスキャンドルの点灯や「木曽星の会」による星の観察会も行われますよ。
▲木曽路では満天の星も楽しめる(写真:福島宿)

また、毎年節分の2月3日に開催される「奈良井宿アイスキャンドル祭り」では、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された古い町並みに約2,000個の手作りアイスキャンドルが点灯。地元住民による日本酒や豚汁、ホットワインのサービスがあり、20時からは打ち上げ花火大会も行われます。
▲宿場町の町並みにアイスキャンドルが灯り、花火も楽しめる「奈良井宿アイスキャンドル祭り」

【長野市】善光寺門前の冬の夜を美しく彩る「長野灯明まつり」

最後にご紹介するのは、1998(平成10)年に開催された長野冬季オリンピックを記念し、メモリアルイベントが発展した形で2004(平成16)年から長野市の善光寺門前で開催されている「長野灯明まつり」。オリンピックの「平和を願う精神」を後世に残していくために、世界に向けて“平和の灯り”を発信する目的で始まりました。
▲長野冬季オリンピックのメモリアルイベントがきっかけとなって始まった「長野灯明まつり」(写真:中嶋秀磨)

開始以来、多くの人を魅了しているのが、善光寺をオリンピックカラーの赤、緑、青、黄色と、黒の代わりの紫の5色の光で照らす「善光寺・五色のライトアップ」です。平和の象徴である善光寺の本堂と主要な建物が宵闇に浮かび上がる様子は圧巻で、特に雪の夜は降る雪と相まって幻想的な風景に感動します。
▲期間中、毎日18~21時の間、本堂などの諸堂が五色の光でライトアップされる(写真:中嶋秀磨)

また、善光寺表参道では、一般参加型のイベント「ゆめ灯り絵展」も開催。公募による「未来」「平和」がテーマの切り絵を飾った灯ろうが展示されます。期間中、切り絵作家をはじめとする審査員や一般投票などによるコンテストも行われ、最終日には入賞作品の表彰式も行われます。
▲表参道は歩行者天国となり「灯り絵常夜灯」が等間隔に並ぶ(写真:中嶋秀磨)
▲長野駅前にはアーティストや作家が手がける「ゆめ大灯籠」も登場(写真:中嶋秀磨)

また、善光寺の宿坊が並ぶ法然通り、釈迦堂通りには道の両脇に竹かごの灯ろうが灯され、各宿坊では「宿坊ゆめ茶会」と題したさまざまなイベントやライトアップも行われます。茶会やコンサート、特別拝観、温かい食べ物の振る舞いなど、それぞれの宿坊でのイベント内容、日程や時間などの詳細は長野灯明まつりのホームページにてご確認を。
仲見世や門前町の店も延長営業され、期間限定商品の販売などもあり、町全体が盛り上がりますよ。
県内各地で冬の幻想的な祭りやイベントが開催される長野県。古きよき町並みと人々の温かさがそこかしこに残り、この地でしか味わえない旅情も楽しめます。今年の冬は、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツと合わせ、長野の夜を満喫できるイベントも楽しんでみませんか。くれぐれも、暖かい格好はお忘れなく!

※写真は2017年度のものではありません。また、天候状況によって変動する企画もあるため、詳細は各ホームページなどでご確認ください。
島田浩美

島田浩美

編集者/ライター/書店員。長野県出身・在住。信州大学卒業後、2年間の海外放浪生活を送り、帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店「ch.books(チャンネルブックス)」をオープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。(編集/株式会社くらしさ)

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