2017年秋からスマートスピーカーが続々と日本で発売され、音声アシスタント(AIアシスタント)の存在がより身近になってきた。iPhoneユーザーにとってはSiriがおなじみだが、GoogleアシスタントやAmazon Alexaなども私たちの生活にじわりと浸透しつつある。
GoogleアシスタントはAndroidスマートフォンで使えるし、Alexaに至っては、米HP、台湾Acer、台湾ASUSがWindows 10 PCの新モデルに搭載すると発表した。
日常生活で「『OK、Google』なんて言うのは恥ずかしい」という声もあるが、PCのマイクに向かって話しかけるだけで、ディスプレイで映画や音楽を再生したり、検索結果を表示したりできるのは便利だろう。
しかし、Windows 10にはMicrosoftの音声アシスタント「Cortana」(コルタナ)が搭載されている。17年8月には、米Amazon.comと米MicrosoftがAlexaとCortanaを年内に相互接続させる計画も発表していたが、それが実現しないまま今回のAlexa対応がアナウンスされた。「もう、フロントエンドの音声アシスタントとしてCortanaを使う機会はないのでは」──そんな懸念も聞こえてくる。
そもそも、Windows 10採用PCを使っているものの、Cortanaは使ったことがないという人もいるのではないだろうか。かくいう筆者もあまり使う機会は多くない。Cortanaは何ができるのか、その役割は今後どうなっていくのか――“コルタナさん”について改めて振り返ってみたい。
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Cortanaは、「コルタナさん」と呼びかけて起動する(オン/オフの設定可能)。できることは、インターネットの検索、天気の確認、アラームのセット、音楽再生、翻訳、為替レートや株価の確認などで、Siriを始めとする他の音声アシスタントと同等の内容だ。冗談を言ったり、川柳を詠んだりもでき、ユーモアのある応答や雑談をしてくれるところはSiriに近い。
ちなみに、川柳は「あなた今 Cortanaしてる Cortanaなう」。冗談を言ってというと、「Cortanaと話しすぎて肩がコルタナ……こんな感じでいいですか?」と回答。他の音声アシスタントとは違う独特のセンスを持っているようだ。
これだけ見ると、Alexaが搭載されれば実用面は代用できそうな気もするが、Windowsのインタフェースで動作すること、Microsoftアカウントを使ったサービスの利用などはCortanaに利がある。PC内のファイル、Windowsのアプリや設定などの検索が可能で、米Microsoftは10月に通話サービス「Skype」でもCortanaを使えるようにしたと発表した。
Windows環境での音声アシスタントの地位を独占することはできなくなってしまったが、PC内のファイルやメール、Windowsアプリの検索などはCortanaに任せ、周辺機器などのホームコントロールはAlexaに任せるなど、両者の使い分けが進んでいくのかもしれない。
すでにCortanaさんを非表示にしている人もいるかもしれないが、これを機に1度試してみるのもいいだろう。今後、どのような進化を遂げていくのか。コルタナさんの憂鬱は続く──。
ぼくがCESに行った2002年は、MicrosoftがAmazonの立ち位置にいた。Windowsを核に、Mira、Freestyleといった技術を使ってホームオートメーションという提案をCESの会場でしていたと記憶している。
しかし、リビングへの進出はXbox以外では成功することなく、ホームデバイスのコントロールでもAmazonとGoogleとAppleに持っていかれている。それを打開するための苦肉の策がCortanaとAlexaの接続だったのだが……。
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