(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年1月6/7日付)

溺れた妻助けた若者を酔って刺殺 露バイカル湖で男逮捕

ロシア南部にある世界最深の淡水湖、バイカル湖(資料写真)。(c)AFP/ GRIGORY SOBCHENKO〔AFPBB News

 シベリア地方のバイカル湖畔にたたずむ静かな観光の町が、ロシア人ナショナリストの間で思わぬ批判の的になった。中国人投資家が湖に面した不動産を買い上げたからだ。

 ロシアの新聞各紙は、中国による「侵略」や「征服」、さらには中国の「くびき」――中世のモンゴル帝国によるルーシ侵略を指す言葉――に関する見出しを掲げ、リストビャンカというこの町をめぐる世論をあおり立てた。

 5万5000人の署名を集めたあるオンライン嘆願書(リストビャンカの人口は2000人に満たない)は、中国政府がこの地域を中国の省に変えようとしていると訴え、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、この町で中国人に土地を売ることを禁止するよう求めている。

 「人々はパニックに陥っている! 当局は何もしていないが、この状況が変わらなければ、我々は急所を、我々の不動産を失い続けることになる!」

 ユーリア・イワネツ氏が公開しているウェブサイト「Change.org」上の嘆願書には、こう書かれている。

 ロシアのソーシャルメディア「フコンタクテ(VK)」のイワネツ氏のページによると、同氏はリストビャンカと隣接するアンガルスクという町の出身で、「我々はヤギを庭に入れてしまった」と書いている。今回、メールやソーシャルメディアのメッセージに返答を得られなかった。

 このメッセージは、自国より豊かで人口の多い隣国についてロシア人が抱くお馴染の不安をあおる。人口が少なく、経済発展が遅れたロシアの東側3分の1は、中国人が大量に移住してくる恐れがあると見られているのだ。