鍼灸のどんなところが妊活にいいの?
妊娠できる心と身体を目指しませんか?
卵管閉塞や子宮筋腫などあきらかな器質的変化が不妊の原因になっている場合、その器質的に対して鍼灸治療の効果はあまり期待できないかもしれません。期待できるのは機能的な部分で、あきらかな原因が見つからない、卵管閉塞などが改善されたのになかなか妊娠できないなどの場合に質の良い卵胞(卵子)の形成、子宮内膜の良好な環境づくり、卵管の機能回復など妊娠する力を取り戻せる可能性があります。また、器質的変化でもチョコレート嚢腫や多嚢胞性卵巣症候群なの場合、鍼灸治療での妊活の効果は時間を要する場合もあるかもしれませんが、全く期待できないといわけではありません。
これらのことがきっかけとなり来院されています。
・体外受精へのステップアップの提案があった場合
・子宮内膜症などの診断を受けられた場合
・体外受精でも受精しない場合
・受精卵のグレードがよくない場合
・採卵ができない場合
・体外受精で移植しても着床しない場合
・ホルモン剤等をできる限り少なくして自然妊娠に近い状態を望まれる場合 など
経穴(ツボ)選びと効果
下肢、腹部、背部、臀部など鍼灸治療では、婦人科疾患のときに使用される経穴(ツボ)や卵巣や子宮を支配している神経や血管近傍などに刺激を加えていきます。これらの経血(ツボ)の中には女性ホルモン(エストロゲン)分泌を亢進が期待できる経穴(ツボ)も含まれています。その他に問診、脈診、腹診などで全身の状態を見て治療する経穴(ツボ)を決定し刺激を加えていきます。
1.視床下部ー下垂体ー卵巣系への指令系統の機能回復
2.女性ホルモンの低下による男性ホルモン活性化の防止
3.免疫力低下を防ぎ、カンジダ膣炎の罹患防止またはカンジダ菌の増殖加速減退
4.ストレスホルモン(コルチゾール)分泌による神経伝達物質(ドーパミンなど)分泌抑制
防止による高プロラクチン血症や卵胞の異常形態の防止
5.ストレスホルモン(コルチゾール)分泌時、分解時に発生する活性酸素による卵子の老化の防止
6.活性酸素による卵巣や子宮の機能低下の防止
7.ストレスによる緊張を緩和し、筋肉や血管の収縮を改善させ、体温低下の防止や血流低下による体
熱、栄養素、ホルモンなどが本来必要とされる臓器へ運搬されることによる卵巣や子宮の機能回復、
卵巣や子宮などが硬くなることで引き起こされていた機能低下やホルモン不足の改善 など
経穴を組み合わせて鍼や灸で刺激を加えることにより、質の良い卵胞(卵子)の形成、子宮内膜の良好な環境づくり、卵巣や子宮などの機能回復などが期待できます。妊娠、そして出産に向けて、心と身体を整えられる!これが鍼灸の良さだと考えています。
鍼の刺激と脳の関係
鍼刺激は、脳波学的研究や脳内モノアミンに関する基礎研究になどよりリラクゼーション効果があるといわれています。
鍼刺激により大脳皮質全体からα帯域の脳波が観測されます。これは、十分にリラックスした状態のときにみられる広汎性アルファです。これには、脳幹網様体賦活系の関与が考えられています。脳幹網様体賦活系は、大脳皮質の活動レベルを左右するといわれていますが、この脳幹網様体賦活系の活動が鍼刺激で抑制され、それを介して大脳皮質の活動を鎮静化させることによりリラクゼーションが得られると考えられています。
[脳幹網様体賦活系とは] 延髄、橋および中脳被蓋の網様体と視床下部後部と視床の非特殊核を一つの機能体として考える概念であって、解剖学的に厳密に規定した考えではありません。ある研究者らは、脳幹の刺激により脳波に覚醒作用が起き、破壊によって昏睡を起こすことから、脳幹網様体には大脳皮質を賦活する機能が存在することを明らかにした。(南山堂 医学大辞典より) |
鍼の刺激による神経伝達物質への影響
リラクゼーションには、精神安定や心の落ち着きに関与するセロトニンや快感などに関与するドーパミンなどの神経伝達物質の関与も欠かすことはできません。これらのことに関しては、鍼刺激によりセロトニンが増加することが判ってきています。また、ドーパミンは副交感神経優位になることにより増加することが判っており、鍼刺激によるリラクゼーションは、副交感神経優位の状態と考えられるためドーパミンも増加させることが可能だと考えられます。また、鍼刺激によりストレスホルモン伝達が抑制されることも研究により発見されています。
不妊治療中は、ストレスとの闘いでもあり、特に不安な気持ちからイライラしたり、落ち込んだりされることも多いと思います。これらの不安を少しでも取り除いて心を軽くしていただく方法としても鍼灸治療は効果的な方法の1つだと考えられます。
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