[新]anone#01[解][字][デ] 2018.01.10
・こんにちは・・あ〜お久しぶり今日は?・・今日はね検査結果を聞きに来たの・・あ〜・ここの先生は検査結果が悪い時ほどステキな名言を交えてお話ししてくださるんですって。
あらいい先生ね。
(医師)やまない雨はありませんよ。
夜明け前が一番暗いんです。
砂糖水を売るか世界を変えるか。
(看護師)先生スティーブ・ジョブズは…。
まっ余命的には半年ほどになりますかね。
(持本)あ…そうですか。
へぇ〜…。
(フリスクを出す音)あっあ…。
(持本)ごめんな…無理だった。
俺もそっち行くわ。
(ドアが開く音)いら…。
いらっしゃいませ〜。
お客様あちらの券売機…。
(青羽るい子)何にしようかな。
焼きうどん…ん〜。
え〜っと。
じゃ焼きうどん。
(持本)ん〜あの…。
おいしい。
ん〜おいし〜い。
ここ繁盛してますでしょ?ありがとうございます。
今日で閉店なんです。
え?こんなにおいしいのに?ふ〜ん。
何で焼きうどん屋さんにしなかったんですか?今生まれて初めて焼きうどん作ったもので。
まぁそういうもんですよね。
置かれた場所で咲きなさいとかいうけどなかなか…。
あぁ…。
ん?自分ちょっと今名言怖いんで。
名言っていいかげんですもんね。
「やまない雨はない」とか。
「雨はやんでもまた降る」。
そっちのほうがすっきりします。
努力は裏切るけど諦めは裏切りませんしね。
でね一日にスマホを3時間見てる人は一生のうちに10年間見てることになるんですって。
はぁ〜。
それでトイレに使ってる時間は一生のうち3年。
3…じゃ行くのやめて漏らし続けたら?3年長生きってことですよね?アハハハ。
まぁ壮絶な人生にはなりますけどね。
ハハハ…!ねっもう〜アハハハ。
エヘヘ…。
アハハハ…。
じゃごちそうさまでした。
ホントにおいしかったです。
あっいえいえ。
ありがとうございます。
じゃ。
あっお客さん。
焼きうどんのあの…お会計って…。
え?あれってプライベートで作ってくださったんじゃなかったんですか?いや店内なのでプライベートとは…。
まぁそう思っていた私が勝手と言えば勝手なんですけど。
勝手ではないです!いえいえ勝手でしたプライベートだなんてそんな。
あのこれ…。
あっ分かりました。
あの焼きうどんはプライベートです。
プライベートごちそうさまでした。
(持本)あぁそうですよね。
人生の時間なんて限られてるしお会計なんてくだらない。
もっと何か有意義なことに人生を使うべきだったんですよね。
有意義なことって?まぁそれが分かってたら有意義だったんでしょうね。
でも最後にあなたのようなおキレイな方にごちそうできてよかったです。
最後?あ…あっあっあっ!いえいえ何でもないですあっ…あぁ。
あぁ。
よいしょ。
あ…すいません。
ちょっとこのお店って明る過ぎません?
(持本)え?あ…はい。
何だったらお付き合いしますけど。
はい?私もね死に場所?そういうのを探してたところなんです。
(持本)あっごめんなさい。
(エンジンの始動音)おはようございます。
(猫の鳴き声)
(猫の鳴き声)
(林田亜乃音)お〜。
痛っ。
あれ?どっから入って来たの?よっ。
ハァハァハァ…。
ん〜?何かにおいがしてたんだよね。
(山木)ゴミがねえらいことになってまして。
お願いしますね。
はい。
ハズレちゃん。
60代男性死後1か月です。
(沢ハリカ)はい。
(宮部)んっ。
いやネイルってどうせ手袋すんのに。
知り合いがね「あんたの仕事は気持ちがすさむからお守りだよ」って。
(ニコラス:ポルトガル語)余計なお世話ですよね。
(せき込み)待って無理。
俺こんなとこ入れないっす。
いいよ外回りお願いします。
遺品の仕分けお願い。
始めます。
(バスターの作動音)
(ニコラス)お金1万くれる約束だったよ!
(山木)昼食代抜いといたから。
(ポルトガル語)
(山木)ちょいちょい…怖い怖い。
あのおにぎり1個5000円だったんだ?へぇ〜。
あっちょ…。
ニコラス。
(山木)ちょっとハズレちゃん!ハズレちゃん!お疲れさまです。
(店員)ありがとうございました。
(ポルトガル語)
(美空)あっハズレおかえり。
(有紗)おかえり。
ただいま。
(有紗)ハズレスケボー。
(有紗)うわ〜〜!おいしそう!おいしそうだね。
ヤバくない?ねぇ見て。
おいしそうおいしそう分かった。
見えてる見えてる。
田嶋君も食べる?
(田嶋)賞味期限切れてるやつですよね?タダでもらったの。
歯どうしたんですか?お金欲しくて知らないおじさんとカラオケ行った時何か急にマイクで殴られたのハハハ。
病気の猫拾って病院代必要だからカラオケ行ったんだよ…って言わないと田嶋君今引いてたよ。
猫元気になってよかったよね!
(ハリカの声)ひと晩1200円のこのネットカフェに住み始めて今日でちょうど1年。
2人とはここで知り合って今ではシャワー室のお湯が出なかった時は連絡し合うしシャツのシミがいつ何を食べこぼして出来たものかお互いに知ってる。
忘れ物をした時は教えてくれる。
友達っていうのとは少し違うけどもう随分長い間パジャマを着て寝たことがないのは3人とも同じ。
カノンさんはどんなパジャマを着てますか?
(カノン)「薄いブルーの普通のです。
病院の売店で買いました」。
「へぇ〜病院ってパジャマも売ってるんですね」。
(カノン)「はいパジャマは僕らのユニフォームですからね。
ハズレさんは今日何してたんですか?」。
「ニコラスさんという方とお仕事で一緒でした。
ブラジルではデートに家族が同行することが多いそうです」。
(カノン)「へぇ〜親とか兄弟とか?」。
「いとこも」。
(カノン)「いとこも?相手の人は怒らないのかな」。
「相手ははとこを連れてるんじゃないでしょうか」。
(カノン)「ハズレさんがしてくれる外の話が毎日の楽しみです」。
「よかった」。
(カノン)「あとあのおばあちゃんの話も。
おばあちゃんの話また聞きたいです」。
「はいあのね」。
すごい大きな風車!人が立ってるねぇママあれ何?「8歳から12歳の頃まで森の中でおばあちゃんと2人で暮らしてました」。
(真砂子)イ〜〜だハハハイ〜〜だ「おばあちゃんの家は絵本から出て来たような家で屋根が星の形をしていました」。
ママパパ〜!「森にすむリクガメの名前はブラン伯爵といいました。
『この亀はもともとは人間でイギリスの貴族だったのよ』とおばあちゃんが言いました。
『彼の名前はゴーレム土から生まれたの自分でそれを知ると土にかえってしまうから絶対に教えちゃダメよ』とおばあちゃんが言いました。
私はそんな物語をもちろん全部真に受けていました」。
(真砂子)お先にお先です「まるで魔法を使って一夜にして出来上がったようなツリーハウスが私の家でした」。
魔法使いの家みたい!
(真砂子)気を付けてうん「森には学校も勉強もありませんでした」。
(真砂子)はいどうぞ学校の友達がね「お前は変な子だ」って言うの
(真砂子)ハハハ…そりゃよかったじゃないの変な子っていうのは褒め言葉なのよ失敗?アタリこれはアタリでもこれだけ違う形だよ人はね持って生まれたものがあるのそれを誰かに預けたり変えられちゃダメなの確かにあなたは少し変な子だけどでもそれはあなたがアタリだからよフフフフ「今でもあのツリーハウスでの幸せな日々のことを思い返します。
大切な思い出って支えになるしお守りになるし居場所になるんだなって思います」。
(カノン)「おばあちゃん今はどうしてるんですか?」。
「分かりません私12歳の時にまた別の所に住むことになってそれきりなんです」。
(カノン)「おばあちゃんの家はどこにあったんですか?会いに行こうと思わない?」。
「『つげ』っていう町だったと思うんですけど多分あの場所にはもういない気がします。
でもまぁいつかまたあの森に帰りたいなって気持ちはあります」。
(カノン)「おばあちゃんはアタリって言ったのにどうしてハズレさんはハズレって名乗ってるんですか?」。
「何となくですみんなにもそう呼んでもらってて」。
(カノン)「ごめんなさい質問攻めにしちゃって。
じゃあまた」。
「待ってカノンさん。
この頃体調はどうですか?」。
(カノン)「いいですよ。
薬を減らしたので吐かなくなったし」。
「良くなったんですか?」。
(カノン)「逆かな」。
(においを嗅ぐ音)
(山木)ここの人入院する金もなくて在宅で亡くなったらしいよ。
命ってのも不平等なんすかねぇ。
(山木)はぁ…。
ニコラス昼飯おにぎりでいい?
(ポルトガル語)
(山木)えっ?
(ニコラス)ヘヘヘ…。
(山木)ヘヘヘ…。
見て。
カノンって人さこれの病気バージョンじゃない?手術にかかるとかいってそのうちお金要求して来るよ。
別にさ本気にしてないよ。
(猫の鳴き声)何かかわいそうな人の漫画とか読んで楽しむのと同じ。
そうやって割り切ってんならいいけどさ。
でも確かに変なんだよね。
家のこととか聞き出そうとするし。
だから基本ウソだと思ってるよ。
でもホントに病気のコだったら何か聞いてて重過ぎだし。
あげたくてもお金ないしね。
(美空)あっ帰って来た。
どこ行ってたの?
(有紗)誰もいない?
(美空)うん。
(有紗)私人生変わるかも!
(美空)はっ?
(有紗)ちょっと来て。
(美空)えっ何?昨日バイト終わりでさ海までドライブしよう的なのになって車で3人で行ったのそしたら他の2人何かキスとか始めちゃって!地獄ドライブだ。
しょうがないから私海散歩してたの。
テトラポットとか探検して。
そしたら海のその…。
誰にも言っちゃダメだよ?
(美空)うん。
現金見つけちゃいました〜!
(美空)えっ?これぐらいの保冷バッグ?そこに一万円札がパンパンに入ってたの。
多分300…いや450万円ぐらいあったと思う。
えっ?
(有紗)ないよ!置いて来たよそのままそこに。
他の2人に見つかってキスついでに山分けしようなんて言われたらヤダし。
待って何それ待って待って何のお金?誰かが捨てたんじゃないの?ねぇ今から行ってみよう!盗む気?そんな正体不明の怪しいお金…。
私あのお金で差し歯入れるの。
私殴られたんだよ。
すごく痛かったのに保険証ないのにバイトのコ達私見て笑うんだよ!真面目に働いてたらまたいいことあるって。
ないよいいことある人は最初からいいことありっ放しなの。
ない人は最後までないっ放しなの。
いったってお金なんだよ。
お金じゃ買えないものもあるけどお金があったらつらいことは減らせるの!
(猫の鳴き声)海って湘南?あっ違う!えっと…何か字が読めなかったんだけど。
うんとね…。
(美空)ハズレこれ読める?柘。
あっ!ちょっと。
おぉ…。
うわっ。
(美空)何?
(有紗)何かあった時用ね。
行こう!お先〜!
(美空)ハズレ遅れんなよ!イェ〜イ!待ってよ!気持ちいい!
(美空)待って。
(有紗)この辺だからもうちょっとだね。
朝のうちに着きたいね。
(有紗)着けるでしょ!
(美空)寒っ!ねぇ…寒いよ〜。
何で取るの?「カノンさん何ですか?これは」。
(カノン)「ハシビロコウっていいます鳥です。
今ね窓の外にいるんですよ」。
「カノンさんのいるとこって動物病院なんですか?」。
(カノン)「ハズレさん内緒でしたが実は僕も動物で…」。
「えっ何動物ですか?」。
(カノン)「シロガオサキです」。
フフっ。
「えっちょっとイメージ違いますね」。
(カノン)「看護師さんはホッキョクウサギです」。
「脚長いですね」。
(カノン)「僕達みんなハシビロコウににらまれています」。
フフっ。
(美空)分かんない…何だろう?
(有紗)フフフ…。
何すか?お邪魔しました。
(カノン)「ハズレさん今日はお仕事は休みだったんですか?」。
「午前中に行って来ました」。
「仕事先に雑誌が置いてあって最近は先進医療というのがあるのを知りました」。
(カノン)「へぇ〜重粒子線治療みたいな?」。
「はいそれです」。
(カノン)「前に同じ病室にいた人がその治療で完治してました」。
「そうなんですか?」。
(カノン)「それはでも保険の適用外だからお金がすごくかかります。
僕には関係のない話です」。
もともとは丸の内に勤めてたんです商社。
あ〜じゃあエリートで。
自分ではそう思ってました。
私誰よりも仕事ができるなって。
30の時私より仕事ができない年下の人が先に出世しました。
まぁそういうこともあるかなって思ってたんですけどそれがその後14回続きました。
私40半ばになって…もう誰もいないなって思ってたら出世しました。
書類管理の倉庫の部長。
部下は誰もいませんでした。
どうして?女だから。
っていう話になるとちょっと面倒くさいと思うんで何か食べましょうか。
はいフフっ。
あっ3粒食べちゃった。
フフフ…。
いろいろあって迷っちゃいますね。
最後の晩さんですもんね。
お寿司とかのほうがよかったんじゃ…。
死にたいって言ってるのにお寿司なんか食べたら死にたくなくなっちゃうじゃないですか。
(フリスクを噛む音)青羽さんやっぱりダメです。
死んじゃダメですよ。
ここまで来てダメとか言わないでください。
この半年死にたい死にたいってそれしか考えてなかったんです。
それって死にたい死にたいって言ってないと生きられないからですよね?生きたいから言うんですよね?きっとね出世とかそういうことより…。
私刑務所帰りなんです。
会社の倉庫に火付けて5年入ってました。
だからもう行くとこ…。
あっ!えっ?あっ!あっ。
あっ流れ星!
(美空)あっホントだ〜。
お願い事しないと。
(有紗)あっそうだね!
(美空)見つかりますように。
(有紗)見つかりますように。
「カノンさん今流れ星が見えました」。
(カノン)「地球も流れ星になればいいのに」。
(猫の鳴き声)あれ?また入って来たの?ん?食べるか?食べるか?
(曽根)海岸線のほうで見たって人がいて。
(川村)あそこじゃない?テトラポットの。
テトラポット!?あんな所いますかね?
(川村)うちのコもね前あの辺で見つかったの。
(長田)行ってみようよ!ありがとうございます。
(美空)大丈夫かな?大丈夫大丈夫。
大丈夫は2回言ったら大丈夫じゃないってことだよ。
(有紗)だよね〜。
ハハ…。
(美空)ねぇ…!
(美空)早く!
(長田)いないじゃん!
(曽根)分かった分かった…。
お金隠した人達なのかも…。
(有紗)どうしよう。
逃げる?
(美空)逃げるって…。
何のためにこれ持って来たのよ。
(有紗)待って待って。
死んだらどうすんの!?こんな…!こんなんじゃ死なないよ。
一応ね…一応だよ。
(曽根)ココアちゃ〜ん!
(長田)ココアちゃ〜ん!犬かな…?
(曽根)ココアちゃ〜ん!犬…捜してたんだよ。
(長田)ココアちゃ〜ん!
(曽根)いねえじゃねぇかよ〜。
行こう。
うん。
(有紗)待って!あった!これ…。
(有紗)ウソじゃなかったでしょ?すごくない?すご…。
(有紗)これでさ3人でマンション借りようよ。
まず差し歯でしょ。
(美空)待って…。
今犬の鳴き声聞こえたかもしれない。
ココアちゃん?さっきの人達戻って来るかも。
犬見て来て。
うん。
ハズレは向こう見て来て。
うん…。
何で自分だけ残ってんの?
(美空)何が?
(有紗)いや「何が?」じゃなくて。
何のことだろう?違う違う。
(有紗)「違う」って2回言ったら…。
(スタンガンを当てる音)
(有紗)アァァ!うぅ…。
(美空)何だ。
気絶しないじゃん。
美空?
(有紗)うぅ…。
ごめんね。
留学したいの。
有紗。
クソ…。
ハァ…あいつ!
(有紗)殺す!
(有紗)美空!
(有紗)待てよ!
(有紗)美空〜!あ〜!どいて!
(有紗)うっ!ハァハァ…。
クソ…。
(美空)何ですか?返して。
何がですか?そのお金使っちゃダメなんです。
ちょっと意味分かんないです!
(運転手)ちょっと何してんの?
(美空)これで!早く!
(車のドアが閉まる音)これで!お客さんもっと細かいのない?お客さん!お客さん!?あの…!両替していただけませんか?それはそこの駅で…。
これで!
(運転手)いいですけど。
どうも!ハァハァ…。
えっ?うっ…!うぅ…!
(美空)ん〜!
(警笛)
(美空)えっ…。
ねぇ…!
(犬の鳴き声)
(曽根)ココアちゃ〜ん!ココアちゃんココアちゃん…。
(長田)ちょっと〜。
(曽根)かわいい…。
有紗。
勘違いしてた。
どうせ裏切るんだから友達なんかいらなかったんだ。
有紗…。
ハァ…。
どっかで会っても声掛けないでね削除よろしく。
(店員)いらっしゃいませ。
410円です1万円お預かりいたします。
こっちで。
(店員)1万円お預かりいたします。
お手洗いお借りします。
ちょ…ちょっと!えっ!?何?何ですかおばさん!何してんの?お金だよ!?お金だよ!?ちょっと返してよ!
(トイレの水洗音)
(トイレの水洗音)
(有紗)あ〜!お金〜!ちょっと!2万円返してよ!おばさん!ちょっおばさん…。
あっ!あっ!ちょっと…返して。
(クラクション)
(有紗)痛い痛い!痛い痛い痛い…!
(クラクション)痛い痛い痛い…!腕折れちゃうよ!おばさん!あっ!
(持本)うん?ありがとう!ありがとうございます。
え?え?何?あ〜!あっ。
乗って!乗って!ちょっと!ちょっと!
(有紗)ちょっと!返してよ!あ〜っ!
(持本)あぁ…!
(持本)あっ!
(クラクション)ハァハァ…。
すごい大きな風車!ハハハ…!ちょっとごめんなさい。
それね…ごめんなさいね。
捨てるつもりだったんだけど海に落としちゃって。
返して。
(甲村)こんにちはどちら様?
(高谷)ここ立ち入り禁止だよ出てって。
君いくつ?もしかして君ここにあった学校の生徒さんとか?
(高谷)ここって学校だったんですか?
(甲村)学校っていうか全寮制のねいわゆる更生施設だったんだよ。
不登校とかそういう子達が治療を受けるための。
いろいろ大変な学校だったらしいけどそこの子だったんじゃないの?うん?間違えました。
(甲村)治療っていうかほとんど虐待だったらしいけどね。
(甲村)まぁもともとね親に見放された子供ばっかりだったんだろうけど。
最終的には子供が1人死ぬとこまで行って閉鎖されたらしいよ。
(ハリカの声)今でもあのツリーハウスでの幸せな日々のことを思い返します。
大切な思い出って支えになるしお守りになるし居場所になるんだなって思います。
イ〜〜だハハハイ〜〜だ
(ハリカの声)私8歳から12歳の頃まで森の中でおばあちゃんと2人で暮らしてました。
・待って待ってちょっと待って・
(風見鶏の声)君のその思い出は間違ってるよ。
何?
(風見鶏の声)本当はそうじゃなかったでしょ。
本当はこうでしょ?やめて!ヤダ!
(風見鶏の声)その人はおばあちゃんじゃない。
おとうさんとおかあさんが君を入れた施設の先生だったんだよ。
ヤダ!ヤダ!待ってママパパ〜!待ってよ!
(風見鶏の声)じゃあ本当のことを思い出そう。
わ〜!ステキなお家ですね〜魔法の世界みたいわぁ…
(風見鶏の声)この思い出も間違ってるよ。
沢ハリカですよろしくね
(真砂子)あなたはどうしてここに来たのか分かってますか?あのねいっぱいあるよ忘れ物が多いのでしょ給食食べるのが遅いのでしょ列を乱すのでしょあと制服を着なかったことでしょ〜どうして制服を着ないんですか?好きな洋服を着たほうが楽しいでしょ?っていうことはみんなと違う行動を取るということですねみんなって誰?みんなって誰のことか分からないから同じにできないんだよねあなたは病気ですあなたの両親は弟さんにあなたの病気がうつることを恐れてますあのね私タケル好きだよパパもママも…あなたのそういうところが家族を苦しめるんです!魔法使いの家みたい!
(風見鶏の声)違うよ!間違ってるよ!離せゴーレム!土にかえれ土にかえれ!
(真砂子)クッキーだって何枚も焼けばハズレが出来るの私はクッキーじゃないよあなたの名前は「ハズレ」私の名前は沢ハリカだよ
(真砂子)ハズレ!あなたの名前はハ〜ズ〜レ違う!ハリカだよ!君はレディーソフィア君は弓の名人ワッツさんさぁ出発よ!
(男)フフフ…ハハハ…
(男)フハハハ…
(男の子)ハァハァ…どうしたの?大丈夫?ねぇ…すいません!すいません!開けてください!開けてください!
(男の子)ママ…ママ…死んじゃう死んじゃう…助けて死んじゃうよハズレ返事をしなさいはい…あなたの名前は?私の名前は…ハズレですもう一度私の名前は…ハズレです。
(真砂子)ご親戚の方から先程お電話がありました
(真砂子)先日弟さんが事故で亡くなられたそうですそして昨日ご両親がその後を追われたとのことあなたはここを出て児童養護施設に預けられることになりました
(足音)あなた名前は?どこから来たの?誰だってね過去に置いて来た自分っています。
今更もう過去の自分は助けてあげられないんだからせめて今を…。
何しでかしてくれるの。
(窓ガラスが割れる音)
(泣き声)あのね…。
だからいつもの靴にしなさいって言ったでしょ。
早く歩きなさい。
(カノン)「元気ですか?」。
「はい元気です」。
「今日は柘市という所に行って来ました。
私カノンさんにたくさんウソをついちゃってました。
おばあちゃんはいませんでした。
私は自分が思っていたよりもずっとハズレでした。
ごめんなさい。
カノンさんにも何にもしてあげられません」。
(カノン)「ハリカちゃん」。
「はい」。
「どうして私の名前…」。
(カノン)「僕もウソをついてました。
少し前から君のことに気付いてました」。
(カノン)「話しているうちにもしかしてって思うようになっていろいろ聞き出しました。
僕の記憶とは少し違ってたけど確信しました」。
「意味がわかりません。
カノンさんは誰なんですか?」。
(カノン)「前髪を切らせなくて閉じ込められてた暗い子。
それが僕です。
本当の名前は紙野彦星といいます。
ごめんなさい黙ってて」。
(カノン)「一緒に脱走した時のことは覚えてますか?」。
「脱走…そんなことあったんですか?」。
(カノン)「一度だけある夜ゴーレムが鍵を掛け忘れました。
僕とハリカちゃんは脱走してあの森を抜け出しました」。
彦星くん!かかしだよ!
(カノン)「夜の中を2人で走りました」。
(カノン)「僕は逃げるのに必死だったけどハリカちゃんは違いました」。
あのね…
(カノン)「『あのね…』そう言って君は雨に濡れた花がどんなにキレイか風にはためく大売り出しの旗はどんな音がするか天井の模様の中に何匹動物を見つけられるかそんな話を道々ずっとしてくれて…。
で一緒に見たんです」。
(カノン)「流れ星を」。
地球も流れ星になればいいのに
(カノン)「ほんの少しの時間だけど楽しかった。
大切な思い出って支えになるしお守りになるし居場所になる。
そう思います」。
(カノン)「あの時本当は君に言いたかったんです。
君の名前のこと」。
私の名前は…ハズレです
(カノン)「君の名前はハズレじゃない」。
(カノン)「君の名前はハズレじゃないよって」。
「はい。
私の名前は…ハリカです。
沢ハリカです」。
(カノン)「はい」。
「彦星君君に会いたいです。
君に会いに行ってもいいですか?」。
(カノン)「それはできません」。
「会うのダメですか?」。
(カノン)「君に会ったら死ぬのが怖くなってしまいます。
君に会ってしまったら一人きりが当たり前じゃなくなってしまいます」。
「私はもう当たり前じゃないです。
もう君がいること知っています。
ウソですよね?死ぬなんて言ってだましてるんですよね?」。
(カノン)「ううん本当です僕はもうすぐいなくなります」。
「嫌です」。
「嫌です」。
「いくらかかるの?」。
「全部でいくらのお金があったらあの治療ができるの?」。
(カノン)「ハリカちゃんできれば今まで通り『あのね』って言って外の話を聞かせてくれたら僕はもう十分です」。
「はい外のことまた毎日君に話します」。
(カノン)「ありがとうじゃあ」。
「あのね」。
(カノン)「またね」。
あのお金っていくら入ってたんでしょうね?持本さん前から思ってたんですけどフリスクちょうど1個出せないんですか?この世に生まれて来てフリスクちょうど1個出すことさえできません。
もう1回やってみてください。
ちょうど1個出たら私死ぬのやめてみます。
いやちょっと待ってください。
フリスクにそんな生き死にのプレッシャーかけ…。
持本さん出ました。
いや…。
努力は裏切るけど諦めは裏切りません。
…ですよね?
(持本)青羽さん待って!ちょっと待って!あっあっ…!あ…。
青羽さん。
シッ!え?
(持本)何ですか?何か燃してますね。
あの人!
(エラー音)
(エラー音)2018/01/10(水) 22:00〜23:10
読売テレビ1
[新]anone#01[解][字][デ]
Mother、Womanに続く坂元裕二脚本ドラマ第3弾!ある犯罪が出会うはずのない5人の運命を絡ませた!偽物から始まる真実愛、感動の物語!
詳細情報
出演者
広瀬すず
小林聡美
阿部サダヲ
瑛太
田中裕子ほか
【第一話ゲスト】
倍賞美津子
番組内容
亜乃音(田中裕子)はその日、自宅一階の廃業した印刷工場の床下から大量の1万円札の束を見つけ…。一方、ネットカフェに寝泊まりしている通称“ハズレ”こと辻沢ハリカ(広瀬すず)は、札束の入ったバッグが捨てられているのを見たという友人の証言をもとに「柘」という町を目指すことに。「つげ」は、かつてハリカが祖母(倍賞美津子)と暮らした幸せな記憶のある町。しかしそこで彼女を待ち受けていたものとは…。
監督・演出
【演出】
水田伸生
【プロデューサー】
次屋尚
原作・脚本
【脚本】
坂元裕二
音楽
三宅一徳
制作
【製作著作】
日本テレビ
【制作協力】
ザ・ワークス
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
主音声ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
解説ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32725(0x7FD5)
TransportStreamID:32725(0x7FD5)
ServiceID:2088(0x0828)
EventID:58137(0xE319)