ヤマト運輸は10日、2017年12月の宅配便の荷物数が前年同月比6%減の2億2009万個だったと発表した。従業員の働き方改革で荷受けを抑制しており、3カ月連続で前年実績を下回った。一方、インターネット通販市場の拡大は続いており、荷物は日本郵便の「ゆうパック」に流入している。
ヤマトは国内の宅配便市場で約5割のシェアを占める最大手。例年12月は歳暮やクリスマス商戦の影響で、荷物数が通常の月の約2倍に増える。単月で過去最高だった16年12月は人手不足により一部で遅配が起きた。従業員の長時間労働も問題になり、17年春から荷受けを減らす「総量抑制」に着手していた。
一方、17年通年の荷物数は前年比1.9%増の18億7537万個で過去最高だった。総量抑制は個人向け料金を引き上げた10月から本格化したため、9月までの増加分が影響した。
宅配2位の佐川急便も17年11月に個人向け料金を引き上げたため、荷物は日本郵便に流れ込んでいる。ゆうパックの12月の荷物数は前年同月より2割増えたもようだ。物流施設で荷物を方面別に仕分けする作業が滞り、遅配が発生したことが明らかになっている。