Profile 細野真宏さん 日常よく目にする経済のニュースをわかりやすく解説した細野経済シリーズが、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録した。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、金融・経済教育の重要性を世に問い続けている。
  • はじめに…
  • Lesson1 初級者編
  • Lesson2 中級者編
  • Lesson3 上級者編
はじめに

 まず、私たちは学校でエネルギーについての教育をそれほど受けていないため、知識がほとんどない状態でエネルギーについて考えないといけません。そもそもエネルギー問題について、深く考えずに済めばよかったのかもしれませんが、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけとする福島での原子力発電所の事故を体験した私たちは、もう人任せで済ますわけにはいかなくなりました
 ただ、この「考えるために必要となる根本的な知識」をわかりやすく整理して伝えてくれている媒体が、震災から6年以上を経てもほとんどありません。自分の頭で考えて判断するために必要十分な情報を、最大限にわかりやすく伝えることが、今後の日本経済において、そして日本社会にとって、とても重要だと思っているため、今回解説をすることにしました。

 まず、私はどんな分野でも、教育を機能させる、つまり「自分の頭で考えて判断するうえで一番効果的な方法は何か」という課題をいつも考えます。例えば、年金のような、総理大臣クラスが勘違いをしているような場合では、官邸の会議などで、直接、総理大臣などに「それは誤解です」ということを気づかせる質問をし、そのうえで仕組みを中立的にわかりやすく解説するのが一番早かったりもします。
 では、エネルギー問題はどうしたら中立的で正しい解説が効果的にできるのか、と考えていました。そんな時に、電力会社そのものから、このホームページの依頼が来ました。タイトルも解説もデザインもすべて私に任され、とにかくわかりやすくて正しい解説をしてほしい、という要望です。私の思考の中心は「論理」「中立」で、その場がどこだろうと、正しいものは正しい、おかしいものはおかしい、と遠慮せずに言います。なので、電力会社にとって、不都合な話かどうかは私にとっては関係がなく、それが正しいことであれば、私はそのまま中立的に解説します。もしも、「これはNGだ」と言われてしまったら、その時は「ご縁がなかったですね」とお断りしてしまうだけの話です。

さて、ここからが本題です!
10分でわかる!エネルギー問題の「全体像」
えっ、そうだったの!? 原子力発電
これが解ければ、あなたのニュースの見え方が変わってくる
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