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おもちゃ修理 楽しんで15年 金沢のボランティアグループ

持ち込まれたおもちゃを修理する副田繁夫さん(中)ら=金沢市若松町の杜の里児童館で

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子どもの笑顔 原動力に

 金沢市若松町の杜の里児童館で、地域のお年寄りのボランティアグループ「トイ・リベア・ルーム」が十五年にわたり、子どものおもちゃの無償修理活動を続けている。壊れてしまった大切なおもちゃが直り、うれしそうに持って帰る子どもたちの笑顔が原動力だ。

 部品がはずれたミニカーや音が出なくなったピアノのおもちゃ。児童館の一室で、メンバーの男性たちがドライバーやペンチを手に、“患部”を探して直していく。「上から乗っかったんやなあ」。タイヤが動かなくなったミニパトカーを手にしていた男性は、車体の底のひび割れを見つけ、接着剤に手を伸ばす。様子をのぞきに来た子どもたちは、細やかな作業を食い入るように見つめる。

 グループを構成するのは代表の副田繁夫さん(85)=同市天神町=ら地元の七十三~八十五歳の男性五人。もともと一部のメンバーは市城北児童館でも同様の活動をしており、二〇〇三年、杜の里児童館の開館に合わせてグループを立ち上げた。メンバーには、車の整備士やエックス線機器の修理に携わってきた人も。毎月第三土曜の午前中、子どもたちが持ってきたおもちゃを修理する。

 元バス運転手の副田さんは、子ども時代からおもちゃの分解や機械に触れることが好きだったという。

 四歳の時、「中に小人がいるのかも」と、自宅にあったラジオを分解したのが始まりだった。「どうして動くのかな」と思うたびに竹とんぼや三輪車のねじなどをはずし、仕組みを確かめた。解体と修理を繰り返し、十歳ごろに初めて分解したラジオを元通りにした。成長するにつれて関心は機械へと広がり、アマチュア無線機にも触れるようになった。

 トイ・リベア・ルームに持ち込まれるおもちゃは縫いぐるみやミニカーが中心だが、最近は無線操縦する小型のヘリコプターなど、構造が複雑で小さい部品を使うものが多い。手に入る部品でしか修理はできないが、副田さんたちはライト付きのヘッドルーペを装着し、器用に作業を進める。

 あくまで無償の活動だが、副田さんは「皆子ども好きな人ばかりで、子どもと一緒に遊んでる感覚で直しているだけ」と笑う。

 自身の場合もそうだったように、おもちゃの故障は子どもの好奇心や探求心による行動が一因となることも多いという。「おもちゃが壊れるのは自然なこと。子どもがまた楽しく遊んでくれる手伝いをしたい」。活動の楽しみを共有する新たな仲間も募っている。 (太田理英子)

 

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