ドル弱気派はご用心、アジアの中銀が下落にブレーキかける可能性

  • 中国人民銀、元の中心レート設定方法を見直し-関係者
  • この措置がドルの下支えにつながる可能性-インテレクタス

ドル弱気派は用心すべきだ。アジアの中央銀行がドル下落にブレーキをかける可能性がある。

  中国は人民元安に歯止めをかけようと3年間取り組んできたが、ここにきて逆の問題への対応にシフトしつつある。事情に詳しい複数の関係者2人が9日に話したところによると、中国人民銀行は元相場を支えるツールと広く解釈されてきた中心レート設定方式の1構成要素の利用を停止した。これを受けて元は下落した。

  一方、韓国政府は2017年のアジア通貨パフォーマンスで最高だったウォンの上昇に警戒感を示し始めており、台湾の中銀も通貨高の抑制を目指している。

  昨年上昇した新興国通貨が一段高となる中で、アジアの輸出国は自国経済への影響を懸念しつつある。こうした当局の姿勢は米国の利上げ観測と相まって、昨年に続いてドル安が進むとの見方を後退させる可能性がある。ブルームバーグのドル指数は9日に続伸し、1年間の下落率は約8.5%に縮小した。

  インテレクタス・パートナーズのチーフエコノミスト、ベン・エモンズ氏は「中国人民銀の中心レートの設定方法見直しはドルを押し上げ、米国の金利やインフレ率の上昇見通しなど他の要因と重なり、ドルの下支えにつながっている」と分析した。

  以下は一部アジア通貨の上昇と当局の反応。

  • 台湾ドルは17年に8.7%上昇。中銀は台湾ドルが4年ぶりの高値を付けたのを受け、昨年12月末に市中銀行に米ドル買いを要請したと事情に詳しい複数の関係者は明らかにした
  • 韓国ウォンは8日、対ドルで3年ぶり高値から下落。政府当局者はウォン相場の一方的な動きに対し「断固」対応するとブルームバーグ・ニュースに語った
  • 元は今週、1ドル=6.475元と、昨年9月以来の高値を付けた。17年は6.7%値上がり
    • UBSウェルスマネジメントのアナリスト、テック・レン・タン氏は9日付リポートで、人民銀は「6.50元水準を譲れない一線としているようだ」と分析

原題:Dollar Bears Get Warning Flag as Asian Central Banks Push Back(抜粋)

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