朝7時の開店に合わせて
ふっくらと焼き上げたロールパンに、ほどよい甘さの口どけの良い自家製バナナクリームがサンドされたバナナクリームロール。倉敷で生まれ育った人なら誰もが一度は口にしたことのあるこのパンは、岡山木村屋の倉敷工場で作られています。毎日朝7時の直営店開店に合わせて製造され、配送されていきます。
基本的な味と製法を守る
発売された年は今となってはハッキリした資料が残っていないので不明だそうですが、少なくとも昭和36年度(1961年)のパンフレットには掲載されているので、およそ半世紀以上に渡って愛されているロングヒット商品と言えるでしょう。ちなみに初期は紙の包装が使われていたそうです。
クリームの味にバナナを選んだ理由も定かではありませんが、おそらくは当時最高級品であったバナナを手軽に味わってもらいたいとの思いで考えられたのではないか、とのこと。発売以来、基本的な味と製法を守り続けているオリジナルのバナナクリームはファンも多く、昔はお客様の要望でバナナクリームを店頭でパンにサンドしていたこともあったそうです。今はそれが製品化されてドイツコッペ(バナナ)として販売されているそうです。クリームのみの単品でも販売されています。
県外からも引き合いが
菓子パンのバリエーションがどんどん増えている昨今、実はロールパン自体は全国的に少なくなる傾向にあるそうです。その中にあって現在でも幅広い年齢層に支持され続けているバナナクリームロールは、お土産品としての需要も増加しています。昔から同じデザインのパッケージも完全に定着し、もはや変えることも許されないぐらいに受け入れられているこの商品について、岡山木村屋では「親子3代に渡って愛されているので、今後4代、5代と続いて欲しい」と語ります。
価格は1本116円(税込)。現在、直営店40店舗を含む県内(一部福山市も)約100店舗で購入できるほか、岡山木村屋のホームページ上でも通信販売を行っています。通信販売は、岡山出身の県外居住者を中心に利用が広がっているそうです。