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吉田戦車『スター・ウォーズ』はミレニアム・ファルコンを愛でる映画連載 2018.01.10

吉田戦車『スター・ウォーズ』はミレニアム・ファルコンを愛でる映画

 

『スター・ウォーズ』第1作目が日本で公開されたのは1978年。私が中学3年生の時のことだ。

 

 米国公開から1年たっていて、雑誌で関連記事を読みあさり、よだれがたれそうな状態になっていた。

 

「もうやってるはずだ」と、謎の勘違いをして、住んでいた水沢から1時間電車に乗って盛岡まで行ったものの、まだやっておらず、しかたなく東映の便乗映画『宇宙からのメッセージ』を観たりした。

 

 後日、今はない地元の映画館「SYロマンス」で無事鑑賞。いちばんああいうのを喜ぶ年頃にリアルタイムで『スター・ウォーズ』を浴びた。

 

 なけなしのこづかいをためて買った関連商品は、サウンドトラック(LPレコード)と、主人公たちが乗るXウイング・ファイターのプラモデル。ちゃんと色を塗って汚して仕上げた。

 

 マニアやオタクというほどではないが、続編も公開されればすぐに劇場に観に行った。

 

 2015年、新作『フォースの覚醒』公開と前後して、バンダイから『スター・ウォーズ』メカのプラモデルが続々と発売され、久しぶりにプラモというものを買った。

 

 憧れのミレニアム・ファルコン号。購入価格3518円。

 

 それから2年たって、新たな続編が公開されたのに、それはまだ箱のまま、まったく手をつけていない。

 

 なんというか、マンガを描くということが、私程度の密度の絵であっても、毎回ジオラマを作っているような細かい作業なわけだ。

 

 とてもじゃないが、仕事が終わったあとに、さらに趣味で細かい作業をする気にはなれない。しいて言葉にすれば、そんな感じだ。

 

 ミレニアム・ファルコンは、もう二つ買った。トミカのミレニアム・ファルコン。534円。

 

 トミカだから車輪がついていて、走らせることができてかわいい。

 

 そしてクレイジー・ケースという、ミントタブレットの容器が納められるようになっているオモチャのミレニアム・ファルコン。720円。

 

 これがなかなかのすぐれもので、劇中のワープ突入音と、失敗音を鳴らすことができる。トミカより二回りほど大きく、モールドも細かい。

 

 ひっくり返すとタブレットケースが入る空洞がポッカリあいているのだが、それは見て見ぬふりをしつつ、プラモデル用のグレーのマーカーを買って、全体に汚しを入れたりして愛玩した。

 

『フォースの覚醒』で、ミレニアム・ファルコンが登場するシーンでは「よし!」と声が出た。他にも何人か、そういうおじさんたちがいたよ。

 

 私にとって『スター・ウォーズ』シリーズは、いつのまにかミレニアム・ファルコンを愛でるための映画になったようだ。

 

 ジェダイもフォースも、すべてがミレニアム・ファルコンを観るための脇役にすら思える……、といったらいいすぎかもしれないが。

 

 プラモ作れよ、とも思う。

 

よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん

 

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載

 

(週刊FLASH  2018年1月2・9日合併号)

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