dods’ blog - 今と昔のノートブック

今の記録は情報提供。昔の記憶は話題提供。気ままに記します。

ビル・エバンスは終始うつむいていた

時間に余裕があると、二つの遡りをしたくなります。ひとつは、今住む場所を軸にして、ここの昔は? を遡る作業。もう一つは、今の自分を軸にして、遠くの過去をストレートに遡る作業。まずは前者。

 

今の家に住み始めて6年になります。我が家の前の通りはかつてのメインストリートだったらしく、通りの旧名が周辺のマンション名とかに名残を残してます。でも、更地に我が家を建てる前、ここは何だったの? は古い地図を見てもよくわかりません。

 

ネット時代、本当に相当なことが調べられます。今回使ったのは、ネットの電話帳 - 住所でポン!  というサイトで、町名単位で電話番号とその所在地が過去のデータも含めて分かります。我が家の所在地は、かつて、有名な骨董屋さんだったと分かりました。

 

後者の遡りについては、我がブログのサブタイトルが「・・・昔の記録は話題提供」とうたう通り、自分の性癖というか、正体というか、無意識に日々やってしまっている作業でして、取り立てて主張するまでもなかったかな? と少々反省。

 

でも今日の本題はこちらの方。高一の次男がジャズにも多少関心が芽生えてきたのか、プレーヤーの話を最近たまにすることがあります。ピアニストで影響力があったのは誰なのか、といった難問を突き付けられ、途方にくれます。

 

まあ、ビル・エバンスは入るでしょう。そんなやりとりをきっかけに、かつて熱中して聞き、アルバムもたくさん買ったビル・エバンスが、youtubeとかではどうなのかと探ってみたら、予想通りいっぱいありました。

 

Waltz For Debby とか Portrait in Jazz のアルバムをそっくり公開しているものもありますが、ちょっと驚いてしまったのは、演奏そのものが記録された1960年代のモノクロ動画。何に驚いたかと言えば、ビル・エバンスの演奏スタイル。たとえばこれ。


Bill Evans-My Foolish Heart

 

Waltz For Debby の一曲目で聞いたことのある方も多いと思うのですが、この動画でビル・エバンスは終始うつむき加減に演奏しています。「首を垂れて」と言った方が正確かもしれません。他の動画も見ましたが、多くはこんな感じの演奏。

 

アルバムの表紙に見るところ、ジャケットにネクタイ姿が印象的だったビル・エバンス。神経質そうな印象もありましたが、あんな風にピアノの弾いていたのだと、やっと今になって知りました。

 

鍵盤すら見ることなく、10本の指から繊細なメロディーが次々の紡ぎ出される映像は、アルバム以上に心打たれます。しばらく遠ざかっていた巨匠にこちらも思わず首を垂れてしまった次第です。