ムラー米特別検察官、トランプ大統領聴取に向け協議中=米報道
2016年米大統領選のロシア関与疑惑を捜査するロバート・ムラー特別検察官が、ドナルド・トランプ米大統領を事情聴取する方向で、大統領の顧問弁護士たちと協議していることが明らかになった。米紙ワシントン・ポストなど複数の米メディアが8日、伝えた。
ワシントン・ポストは、トランプ氏の匿名側近の話として、ムラー特別検察官が指揮する捜査陣が数週間の間に大統領から事情を聴くことになると伝えた。同紙によると、ムラー検察官が最初に大統領の弁護団と面会し、大統領聴取の可能性に言及したのは、昨年12月のことだった。
記事で大統領の側近は、「みんなが気づいているより速く事態は動いている」と話している。
ワシントン・ポストと米NBCニュースによると、ムラー氏が面会した弁護士はジョン・ダウド氏とジェイ・セクロウ氏。両氏とも、大統領は質問内容の定まっていない質疑応答に出席するべきではないと考えており、書面での回答で済ませられないか、捜査陣に打診しているという。
NBCは、消息筋3人の話として、捜査陣と大統領の弁護団の協議は「初期段階にあり、継続中だ」と伝えた。さらにNBCは司法省関係者の話として、大統領から直接聞き取りをする機会をムラー氏が諦める可能性は低いと伝えた。
現職大統領が検察官の事情聴取を受けた事例は過去にもある。特に有名なのがビル・クリントン元大統領で、ホワイトハウスのインターンとの性的関係について1998年に大陪審の前で証言した。
大統領の顧問弁護団は報道内容を認めていないが、ワシントン・ポストとNBCの両方に、「ホワイトハウスは、可及的速やかな解決に向けて便宜を図るため、引き続き特別検察官事務所に全面協力している」とコメントした。
特別検察官の報道官も、コメントの求めに応じなかった。
特別検察官は、2016年の米大統領選にロシア当局が関与し、トランプ陣営と結託したのかどうかを調べている。
マイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)をはじめ、元選対責任者や選対外交顧問などを訴追してきたムラー氏について、トランプ氏が更迭を検討しているという報道が繰り返されるなど、トランプ政権と特別検察官の緊張関係は高まっているとされる。
トランプ政権は一貫して、ロシアとの結託を否定。トランプ氏はロシア疑惑を「魔女狩り」と一蹴してきた。
中央情報局(CIA)をはじめ複数の米情報機関は2016年末の時点で、ロシア政府が大統領選をトランプ氏に有利に動かそうと工作していたと結論しているが、ロシアはこれを否定している。
ロシア疑惑そのものとは別にムラー氏は、トランプ氏が昨年5月にジェイムズ・コーミー連邦捜査局(FBI)長官を解任したのは、ロシア疑惑の捜査妨害にあたるかを調べているとも見られている。
コーミー前長官は解任後の上院公聴会で、大統領が自分に直接、フリン氏への捜査の手を緩めるよう要請してきたと宣誓証言している。
トランプ氏は後にテレビ・インタビューで、コーミー氏解任とロシア疑惑捜査を関連づける発言をしている。
(英語記事 Russia probe: Trump lawyers 'in talks over Mueller interview')