「高反発マットレス」の良し悪しを見分ける方法
私は職業柄、さまざまなブランドの「高反発マットレス」を実際に購入し、寝て試し、売れそうなものは通販サイトで売りさばいてる本職のマットレス屋なので、サイトの説明ページとレビューを見るだけで大体良いマットレスか悪いマットレスか分かるようになってきました。下記が良い「高反発マットレス」のポイントとなります。
POINT
1.密度が30D以上あること
2.第三者機関検査の証明書があること
3.密度と厚みに応じた適正な価格であること
買おうか迷っている「高反発マットレス」が既にある方は、まずはそのマットレスのウレタンの「密度」に注目してみましょう。密度表記がない場合は、サイズと重量からおおよその密度を割り出しましょう。重量すら表記がない場合は、もう自分を信じて買ってみるしかありません(笑)。カケンやボーケンといった第三者機関による試験証明書があれば安心できます。マットレス業界は「自称」が溢れている業界です。「密度」も「反発力」も自称しているだけの商品が溢れているのです。お気を付けください。
密度とは一般的に比重とよばれ・・・・みたいな説明がありますが、ここでは端的に数値で表します。深く考えなくても良いです。
下記の表はサイズをシングル、厚さを8cm~10cmくらいと仮定した場合の価格と私の個人的な感想です。
密度15-19D(kg/m3) |
激安「高反発マットレス」がこれ。個人的には高反発マットレスと呼びたくないです。1ヶ月も経たずすぐに形状変化(ヘタり)することもあります。最悪な商品だと圧縮されたパッケージから開封しても形状が歪んだままの商品もあります。マットレスに寝ている間のわずか数十分でさえ、人間の身体を支え上げることができず人によっては腰が痛くなります。ポリウレタンの原料価格を知っている人からすると、この価格での販売はよっぽど粗悪な素材を使わないと無理があることが分かると思います。耐用年数約1カ月持てばいい方です。。 |
市場価格¥2,000~¥6,000 |
密度20-25D |
安めの「高反発マットレス」の値。個人的には高反発マットレスと呼びません。耐久性はまあまあですが、寝ている間の数時間で人間の身体が沈み込んでいき、一番深く眠っているであろう深夜2時3時に腰が痛くて目が覚めるという最悪な現象が起きることもあります。耐用年数約1年。 |
市場価格¥6,000~¥10,000 |
密度30D以上 |
「高反発マットレス」と呼べる耐久性を兼ね備えています。朝までしっかりと全身を支え上げることができます。ローテーションや側地の破損に気を付ければ最低でも5年は使えます。耐用年数約3年。 |
市場価格¥10,000~¥80,000 |
ここで重要なのは「密度」=「反発力」ではないこと。密度はあくまでもウレタン自体の値段と耐久性に関わること。「密度」を上げると「値段」と「耐久性」が上がるんですが、「反発力」を上げても寝心地が変わるだけで「値段」も「耐久性」もあまり変わりません。
そして最近は、密度を上げるためにウレタン発泡の際、混ぜ物をして底上げする業者もいます。タチが悪いですが、そういう商品は必ずウレタンの質に現れます。密度の割にすぐにヘタったり、難しいですがウレタン特有の匂いとは別の匂いがしたり。他の人のレビューをよく確認することをお勧めします。
あと大事なのが、マットレスの厚みです。ウレタンの「厚さ」は「密度」と同じくらい「値段」と「耐久力」に影響を及ぼします。
値段を追い求める余り「厚み」を削るとマットレス自体の耐久性と「高反発マットレス」の特徴でもある体圧分散を損なうことになります。
一般的にマットレス一枚で底付き感なく成人男性を支えるのに必要な厚さは5cmです。横寝が多い方は7cm以上は欲しいです。この厚み以下だとどうしても肩や骨盤に底付き感を感じます。
つまり、
「密度30以上」、「厚み5cm以上」の「高反発マットレス」が、その高反発たる特徴をしっかり持ち合わせた良い「高反発マットレス」です。
ちなみに、勉強がてら安いマットレスのウレタンの質を調べるために厚さ8cm以上で1万円以下のマットレスを10商品購入し5kgのダンベルを置いてみたことがあります(タ○スのゲンとかマック○シェアとか)。結果は1日と持たずダンベルの形に凹んだまま戻らなくなってしまいました。それに比べ密度30Dあたりのマットレスは1週間経とうが凹みができる事はありませんでした。。。恐るべし。。。皆さんも安いマットレスを買われたときは実験してみてはいかがでしょうか?
下記重要ポイントです。1個でも満たせない商品ははっきり言ってダメな高反発マットレスです。
POINT
・密度の表記がない。表記があっても第三者機関の証明書がない。
・極端に厚みが薄い。3cmなどの商品は1枚では使えません。重ねるならOK。
・極端に安い。ウレタン原料の価格はある程度相場が決まっており一定の価格を下回るウレタンは混ぜ物や偽装によって密度をごまかしている可能性が高いです。
このサイト、かなりマニアックな高反発マットレスの原価計算してます。自分も同じような内容を書こうとしたことがあるけどここまでキレイにまとめることはできませんでした。