たまには遠くへ旅行などして非日常を味わいたいけれど、時間もお金も用意するのは大変だ。ふとガイドブックを開いて思いついた。”キラキラしたガイドブックっぽいポーズで写真を撮れば、なんでもない日常も輝きはじめるのでは!?”
結論から言うと、なんでもない日常も輝きはじめます。
埼玉生まれ、神奈川育ち、東京在住。会社員。好きなキリンはアミメキリンです。右足ばかり靴のかかとがすり減ります。
前の記事:「闇串カツパーティーを開こう」 人気記事:「“トマトソースとマスタードが一度に出せるあれ”の工場見学」 > 個人サイト のばなし 非日常はガイドブックにあり昼は日高屋で済ませ、夜はサイゼリヤへ行き、ジャンボな夢を見て宝くじの列に並ぶ。もちろん悪くない日常だ。ただ、それは果たして華やかだろうか。もっと、こう、ガイドブックみたいにワクワクする非日常を手に入れたい!
そんなわけでガイドブックを読みこみ、ガイドブック編集者からアドバイスをいただいたりした研究の成果を見てほしい。 サイゼリヤでキラキラな昼食をでは手始めに日常の代表格、サイゼリヤに行ってみよう。
はじめに伝えておくと、独身男性のキャピキャピした写真がいっぱい出てきます。つらくなったら少し目を休めながら読んでください。 ポイント1:背景に気を配るサイゼリヤの場合は壁側の席は避けよう。上の写真のとおり背景も単調でキラキラしづらいし、何より椅子がカラオケっぽい。
表情も相まって三次会のカラオケに無理やり付き合わされ、かろうじて口だけ笑えている部下に見えてしまう。 ポイント2:自分の思っている2倍は表情を大げさに背景もポーズも整えたらそれらしくなってきた。なってきたが、写真を見返すと目が笑っていない。
ガイドブックを制作している人が実際に撮影時に伝えているのが「自分の思っている2倍は表情を大げさに!」ということらしい。もっとだ!もっとサイゼリヤへの日頃の感謝の気持ちを表情に乗せるんだ! ポイント3:どうにか撮れたらフキダシや文字でフォローしようと言うわけで感謝の気持ちが現れた写真が上のものだ。何枚か撮ったらいい具合に吹っ切れてきた。日常色の強い我らがサイゼリヤが少しずつ本格派イタリアンに見えてきたのではないだろうか。
ここまで来たらあともう一息。文字やフキダシをそれらしく添えてガイドブック感をドーピングしていく。出来上がったものがこちら。 いいぞいいぞ。笑顔のパターンが少な過ぎるのが気になるけど、この調子でどんどん日常をキラキラさせていくのだ。
悪戦苦闘しながらレイアウト。小さい自分(小さい自分?)を右下に添えたら完成だ
天井に向かって手を伸ばすポーズをとった瞬間、店内の目線が一斉におれに集中して大変恥ずかしかった。そりゃあおれだってこんな男がいたら思わず二度見する。
この逆境を乗り越えた自分にもう怖いものなどない。さっそく街へ繰り出そう!具体的には、新宿および総武線の東中野駅へ繰り出そう。 磯丸水産はフォトジェニックの切り札あれこれ歩き回りながらガイドブックになりきれそうなスポットを探す。さぁなんでもない日常が輝きはじめるぞ!
どうだろう、いい具合にぼかしたら背景が磯丸水産だということなど気にならなくなってきた。からあげクンも段々と食べ歩きには欠かせない定番アイテムに見えてくる。
みんなにもこの熱量が伝わってる、そう信じてどんどん行こう。こういう記事ではたぶん何より強い気持ちが大事なのだ。 あ、台湾みたい!出来上がった写真を見てそう思ったので勝手にセリフを付け足した。
よくよく見たらカタカナで「チゲ」と書かれているなど何が台湾だという具合だけど、勝手なふきだしをつければそこはもう小さな台湾なのだ。 引きの写真。冷静に考えたらそもそもなんで中華食堂でチゲを売っているんだ
都会のオアシスに癒されるいきなり水族館が目の前に現れたので大はしゃぎで撮影した。アミューズメントはガイドブックになくてはならない存在だ。ドンキってなんで水槽があるんだろうといつも不思議に思っていたけど、きっと今日という日の為だったのだ。
実はサイゼリヤさえ撮れれば新宿はほぼクリアだったのだけど思わぬ収穫があって良かった。意気揚々と"ザ・普通の街"こと東中野へ向かうべく電車に乗ろう。 と、その前に駅のロッカーで余分な荷物を預けることも忘れずに… 茶番、もう少し続きます。
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