ブリーディング

ポリプテルスの雌雄は尻ビレ付近の骨格形成が異なるため、簡単に見分けることができます。

ポリプテルス オス

肉厚で丸い扇状

ポリプテルス メス

細長い形

成熟速度は種類にもよりますが、生育の早いセネガルスでオスは1年以上、メスは早くとも2年以上かかると言われています。 発情したとオスは尻ビレをお椀のように丸くさせて泳ぐようになり、メスを追尾をしたり、頭部付近でしきりに体を小刻みに揺らしメスの体に触れたり、軽く噛んだりとアピールするようになります。

文献より抜粋

ポリプテルスの産卵期は、多くの生物と同じように雨期と重なっています。 水槽内で繁殖を促すには雨期のような環境が必要で、そのためには乾期のような環境をつくりだす必要があります。
乾期によって水位が落ちた川は、太陽熱によって水温が上昇、蒸発によってかなり汚れている事でしょう。 この事から産卵前には1ヶ月以上 足し水のみで済ませ、水換えをほとんどしないようにするなどして 極端な言い方をすれば水を汚す必要があります。 やがて雨期が来ると大量の雨が降り 増水するとともに水温が下がります。水換え量を大量に行い水温を少しだけ下げて雨期が来たという事を認識させ繁殖を促します。

産卵は少量ずつ数日にわたって1.5~2㎜ほどの粘着性のものを流木や水草に産み落とします。
孵化後の仔魚は粘着器を持っており数日間は孵化した場所に留まります。 そのあいだ他の魚類と同様に卵黄をある程度の成長まで栄養として吸収し、黄卵のなくなりはじめる孵化1週間後あたりから泳ぎ回ってブラインシュリンプなどを捕食するようになります。 特に天敵から襲われやすい稚魚は草かげなどに潜んで身を守りますが、呼吸のたび水面に上がるには危険が伴います。 そこで水中での呼吸を補助する外鰓 (がいさい) が伸びだしてきてきます。 この外鰓は、多くの両生類の幼生期や 肺魚などの幼魚期に同様のものがみられます。

外鰓について
デルヘジィ稚魚
デルヘジィの外鰓
この頃のポリプテルスはかなり大食漢のようで、同時期に孵化したポリプテルスの外鰓をミミズなどの餌と勘違いし共食いをしてしまったりという事も多々あるようです。 飼育下ではいかに共食いをさせないようにするかが問題となり、コップなどに入れて単独飼育するのが無難かもしれません。
ウィークシーの外鰓が消えない
20cm超えウィークシー
一般に餌の摂取量が多ければ外鰓は大きく広がると言われています。
やがて成長とともに外鰓は縮小・消失していき、その期間は個体の餌の摂取量・環境などの個体差や種によって違いがあります。 消失時期は種や個体の成長速度によって異なりますが、エンドリケリー エンドリケリーなど成長の早い種では約半年、ウィークシーのように遅い種では5年以上経過してから無くなるようです。