病気・ケガ
硬い硬鱗(こうりん-Ganoid Scale)によって守られているガーの体は、
白点病や水カビ病などのように外部から真皮に寄生する病気に対して強く、いわば 病気になりにくいサカナと言えます。
その一方で 鑑賞魚用パラザンDやグリーンFゴールドなど、治療薬品にはとても弱い面があります。
薬浴で治すつもりがトドメ刺しちゃった!て事のないように。
できるだけ使用しないように日ごろの水槽管理が肝心です。毎日観察すると共に、異変に対して早急な処置をとれるよう心がける必要があります。
幼魚期ならともかく成魚ともなれば 虐められたなんて事でもない限り 病気などで死ぬことはないと思います。それくらい丈夫なサカナです。が、余裕でいると ある日ポックリと…
ガーの病気やケガの治療の基本は 0.6%の塩水浴と水換えと加温と思って下さい。
もし処置が必要となった場合、慌てて薬浴などさせず この方法でしばらく様子をみて下さい。
塩水浴に使用する食塩は どの家庭にでもある食塩を使います。なかなかの優れものです。
例えば 私たちが風邪気味かなって感じるとき、食塩水で鼻うがいすると治るって聞いたことありますよね。
それから、体の疲れをとりたいときに入りたくなる温泉。日本で一番多い温泉の種類はナトリウム塩化物泉、つまり食塩泉になります。
このように塩には皮膚の免疫機能などの活性化や殺菌効果があり、知らず知らずのうちに私たちは塩の効能を使っています。
簡単にいえば ガーに行う塩水浴も同じ事です。
主な塩の効用 | |||||||||
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ただ、食卓塩や精製塩、岩塩、並塩など食塩でも種類があり 多少なりとも成分が異なります。
魚類や哺乳類 その他多くの生物が どうしても欠かすことのできない主要ミネラルを取り込ませることを考慮すると、
塩化ナトリウムが99%以上占める精製塩は あまりお勧めできません。 確かに岩塩とか藻塩とか自然の塩って、どれが旨味なのか分からないけど美味しいね。天ぷらとか焼き鳥に付けるといいよね。 淡水魚の血液塩分濃度にあわせ 約0.6%(水1Lに対して 塩6g)を作り、塩水浴させます。 海水の塩分濃度はおよそ3.3~3.5%。かなり濃いです。何倍もの濃度です。 アリゲーターガーがメキシコ湾海岸で生息できるくらいだし良さそうなものだけど、弱ってる時に高濃度は負担になります。 また 水草は浸透圧が どーのこーので塩水では枯れます。隔離して下さい。 |
塩水浴と水換え・加温の効能
コントロール機能の手助け私たちの血液に塩分濃度があるように、淡水魚にも塩分濃度があります。また 淡水魚の皮膚は半透膜で形成され、水分は通すが塩分は通さない特徴があります。 淡水中に生活する彼らにとって常に浸透圧よる水ぶくれの危険にさらされていると言えます。 そこで、浸透圧の差を防ぎ血液に含まれる塩分濃度をコントロールする腎臓が発達しました。塩水浴には浸透圧の調整の手助けの役割もあります。 |
エラ呼吸の促進空気呼吸を行っているガーや、一般的なエラ呼吸の淡水魚は 水中のマグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分をエラにある塩類細胞から吸収しています。 塩水浴することで塩類細胞を膨張させ、エラ呼吸を促進することができるので、呼吸障害や体力回復に効果があります。 |
ミネラルの補給海水にはマグネシウムやカルシウムなどのミネラルなど、自然界に存在する92種の元素を含んでいます。これらを補うことで体力回復に効果があります。 |
病原菌の予防塩水浴に弱い病原菌の二次感染の防止。細菌・真菌・現生動物など単細胞類の発育を阻害し増殖を低下。 生物の細胞を覆う細胞膜は半透性の性質で、細胞内外で異なる濃度の溶液があるとき、水分は細胞膜を透過して、濃度の低い方から高い方へ浸透し平衡に達しようとします。 サカナの体構成のように皮膚やウロコ・体表粘膜に守られず 塩分濃度の調整システムのない病原菌は、浸透圧の関係上、細胞から水分が奪われ脱水状態になります。 |
水換え病原菌の大量発生を緩和。濾過不足による水質悪化を緩和・除去。濾過バクテリアには、サカナの糞・残餌などから発生するアンモニアを栄養分として 亜硝酸を出すものがいます。次に この亜硝酸を栄養分とするバクテリアが分解して硝酸になります。 アンモニア・亜硝酸は有害化学物質であり水質を酸性に変えるばかりでなく、体調不良の原因となります。硝酸塩は アンモニアや亜硝酸に比べれば無害ではあるものの、溜まれば有害になります。 |
加温28~30℃以上に設定。ウーディニウム病、エロモナス病、白点病などの二次感染防止。高温に弱い病原菌、または温度をあげることにより病原菌の成長サイクルを早めて塩水浴によるダメージを与えられる増殖時を狙う。 |
それでも改善しない場合 薬浴してください。
何度も言うように、ガーは治療に使用する薬品にはとても弱いです。
用法・用量をよく読み規定量の半分、もしくはそれ以下の量を使うようにして下さい。
ガーのかかりやすい病気・ケガは以下のようなものがあります。
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