【ラスベガス=岡田江美】パナソニックは8日、米アマゾン・ドット・コムの会話型人工知能(AI)「アレクサ」を搭載した車載向け情報提供・娯楽システムを発表した。AIが車に内蔵され、ネット環境がない状態でも話しかけるだけで道案内などができる。ネットへの接続が不安定な運転中でも声で簡単に操作できるようにし、利便性を高める。
「アレクサ今の天気は?」「今はオフラインです」
「じゃあアレクサ温度を変えて」「温度を変更しました」
米ラスベガスで9日から開かれる世界最大の家電見本市「CES」の開催を前に開かれた記者会見で新たなシステムを公開した。ネット接続がなくても車内の画面に話しかけると、車内温度の変更、音楽再生、道案内を起動するなどの操作ができる。
パナソニック米子会社のトム・ゲッパード社長は「ネットにつながっていなくても音声で様々な操作ができるのは革命的だ」と自信をのぞかせた。ネットにつながる環境ではより機能が充実する。帰宅途中に家の暖房や電気をつけたり、ドアの鍵の閉め忘れていないか確認もできたり、車と家も境界線なくつながる。
同日、米グーグルのAI「グーグルアシスタント」に対応した車載システムも発表した。既存のシステムに最新のアンドロイドの基本ソフト(OS)を搭載し、話しかけると道の混雑具合や近くの店を教えるなどより快適な運転を支援する。
パナソニックは車載事業を成長戦略の柱のひとつに据えており、売り上げの増加をけん引しつつある。音声認識AIで大きな存在感を放つアマゾンとグーグルとも手を組み、さらなる拡大を目指すねらいだ。