今日はあいも変わらず暇だったので連休最後の日を潰して2つも記事を投稿してしまいます。
今更すぎる話題ですが件のセクハラ問題。
中々過激なタイトルになってしまいましたが、書かずにはいられなかった驚きがこの事件にはありました。
昨今のTwitter界隈を騒がせたこの事件でわたしが一番驚いたことは業界の有名クリエイターが告発されたことでも、告発した某有名ブロガーが童貞叩きでまさかの逆炎上してしまったことでもない。
あ、こういうのって悪いことだったのか!
という、狩猟採取時代を思わせるようなどうしようもない前時代的な司法制度文明社会民主主義皆無な感想でした。
わたしはでかめの広告代理店で働いているしがないサラリーウーマンですが、そんなわたしでも知っているぐらい、件の告発された方の言動や行動は有名でした。というより業界で知らない人はいないんじゃないかというレベル。それなのになぜ、彼は今までなんの問題もなくトップクリエイターとしての道を歩んできたか、それは彼がなんらかの圧力で告発を弾圧していた、というわけでは決してなく、彼の行動が業界で「当たり前」だったからです。
名の知れたトップクリエイターなら少々の女遊びは当たり前。インターンの学生に個人的にラインを送ってみたり、執拗に後輩や部下の女子を家に誘ってみたり、休日にライン1つで飲みの席という名の合コンに呼び出したりなんかも日常茶飯事。トップクリエイターでなくとも既婚者ならば不倫は当然、あまつさえ職場内不倫なんかしちゃったりして、社内で2人の関係を知らない人はいないけれど見て見ぬ振りは暗黙の掟。他の同僚もいるからと嘘ぶかれてのこのこ訪れた上司の部屋は当然のように2人きりで、ベットに押し倒されて、命からがら逃げ帰ったら次の日から仕事の当たりをきつくされただの、逆に仕事をもらうために上司の愛人になっただの、懲りずに社内で不倫してしかも3股でバツ3になっただの(リーチ!)、海外旅行に行って薬物を吸引しながら外国人の風俗嬢にこっそり中●ししただの、VIP席を陣取って女を持ち帰り放題しただの、初子出産一ヶ月前に5Pしただの、結婚式一ヶ月前に婚約解消してJKの彼女をこしらえただの、出てくる出てくる。永遠のバブル世代、セクハラと異性遊び(女遊びだけに限らない)の宝庫、それがわたしの知る広告代理店です。もちろん愛という名のパワハラももれなく付属してくるサービス精神。おそらく本当に#metooと思ったのはセクハラをされた側ではなくしていた側なのではないでしょうか。
そんな広告代理店の実情を知るわたしにしてみれば、件の事件はえ、セクハラ?そうか、世間ではあれをセクハラというのか、というアホ丸出しな感想を持つことしかできませんでした。業界全体が歌舞伎町ばりに性的なモラルや倫理的なモラルに対して麻痺しており、告発どころか告発をする出来事として認識していなかったのです。同じような出来事が自分の身の回りで起こっていても、それ最悪だねーあの人も仕方ない人だねー、さて、次の打ち合わせなんだっけ?といった具合にまるで犬の粗相を見たかのようにスルーしてしまうことは業界あるあるに違いありません。
そしてなんとも皮肉なことに、現在の業界のクリエイティブの主流はソーシャルグッドと呼ばれる、広告活動を社会貢献活動に発展させ、世の中の共感を生むこと。夜には誰とセックスするかということしか考えていない広告代理店のクリエイターたちが、昼にはしたり顔で恵まれない国の人々に寄付を募ったり、女性の社会進出に貢献したりする企画を考え、ましてその問題に関する啓発をドヤ顔でハフィントンポストの記事とともにフェイスブックに投稿しているという、なんとも奇妙な二重人格を持って生活しているのです。
(勿論、ソーシャルグッドな企画の方が海外広告賞を取れたり、社会の関心を集めやすく、PRバリューが高かったりするので、そのような行動には善意だけではない、利己的な理由があるのですが、その辺りはむしろ時流を掴んでいる有能なクリエイターとして評価していただきたい)
こう書くとそんな人は一部だとかいう意見もあるかもしれない。酷い人の行動が目についてそれが全体のように思ってしまっているだけかもしれない。でも少なくともわたしの周りにはそんなサイコパスがゴロゴロと存在していました。そしてそのサイコパスの1人かもしれないわたしはまさに驚いたのです、こういうのはセクハラだったのか!と。
社会適合性に関する面白い実験をしている記事がありました。
以下記事の引用になります。
こうして人間は洗脳される!!社会適合性を利用した社会実験が面白い!! | コモンポスト
紫色の服を着た女性をターゲットにしたこの実験。待合室に並ぶ仕掛け人たちは、「ピー」という機械音が聞こえると意味もなく立ち上がります。最初のうちは立ち上がらなかった女性ですが、周囲の人々と同じ行動を取るように動きます。そうしているうちに1人ずつ待合室から消えていきます。
ところが誰もいなくなっても、「ピー」という音が鳴ると女性はその都度立ち上がります。
その後、そのルールを知らない人がやってきても立ち上がる女性。気持ち悪そうに見ている男性に対して「みんなやっているから」と説得。その後やってきた人々もこの慣習を引き継ぎ、最終的に誰1人、立ち上がる理由が分からないまま立ち上がります。
要するに、最初はおかしな行動だと思っていても、周囲の人がそうしているというだけで人はその「社会」に適合し、同じくおかしな行動を始め、さらにはそれをその「社会」の常識として人に伝達してしまうのです。
広告代理店では上記のような状況が少なくともわたしが入社して以来数年間続いています。ということはわたしが入社する以前から、長年に渡って続いていたことなのです。件の自殺問題で労働環境や、労働時の過剰なパワハラには現在目を光らされて規制されていますが、肝心の労働者自体の根本にあるモラルは依然として旧体制のまま。入社するとすぐに飲みの席で異性遊びを習い、権力と金の使い方を叩き込まれていく、伝統芸能のようにこの井の中の蛙状態の異質なモラル感は受け継がれていきます。さらに広告業界には元々派手めだったりお金持ちだったりする大学のサークル(こちらも近年問題になっている件の事件のような)などで同じようなモラル感を叩き込まれてきたうら若き男女が入社してくるため、掛け合わせでサラブレッドのようなハイパーサイコパス広告マンたちが出来上がってしまうことがままあります。わたしの場合、それが行き過ぎて、あ、これは変な状態だったのか!と驚きを持つほどになってしまっていました。つまり、モラルそのものが業界に塗り替えられ、洗脳されている卍解状態だったのです。
と、ここまで書いておいてなんですが、わたしは現在の広告代理店の体質を改善してほしいなんてかけらも思っていません。異性遊びでお喋りは達者になりますし、飲みの席での目上の方へのマナーを学べたりもしますし、社会の厳しさを知ってこれから先どんな辛いことも乗り越えていけます、精神が病んで再起不能にならない限りは、といったような有り体のこんな業界にもいいところはあるというお茶濁しを言うつもりもありません。
なぜこんな腐った業界を改善する必要がないか、それはわたしも同じくどーしようもない腐ったクズだからです。クズは改善できません。だからクズはクズ同士、多少のクズを許される環境にいるのが一番収まりがいいのです。
心配しなくともおそらくこういった体質も、時がくれば新たなモラルと価値観を持つ勢力に取って代わられることでしょう。広告業全体の売り上げや平均年収は年々シュリンクしています。現に広告代理店は広告業に留まらない様々な分野に挑戦しており、残る旧世代は思想と共に排除されていくのです。
今回の事件も、見方によっては広告業との関係が薄いバズフィードと組んでセクハラを告発して、バズフィードは自社のジャーナリズムをPR、当人は新たな社会的キャラクターを確立、などウィンウィンな関係を築きつつ、旧世代のおっさんを刺し落とすという、業界の外からの新世代の一枚も二枚も上手な攻撃という風にもとれます。(元々のキャラクター上、中々上手くいかなかったのが残念でなりませんが)
いつまでも井の中の蛙じゃいられないのが平清盛を唄った一節からの常なのです。
まあ、大抵の場合権力を有する新たな勢力もまた別のサイコパスだったりはするのですが。
この記事を読んで広告業界に戦慄しているあなたに一言だけわたしが言えるとすれば、触らぬサイコパスに祟りなし、広告マンとテレビマンとベンチャーの社長とその取り巻きを見たら全速力で逃げろということだけです。
そして本日社会人になった方々はそのような人々のいない職業に就いた方が身のためです。
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