日本ハムのドラフト1位、早実の清宮幸太郎内野手(18)が26日、札幌ドームで行われたファンフェスティバルに登場し、規格外にビッグな目標をぶち上げた。壇上での質疑応答で、本塁打の目標本数を問われると「60本です」と即答。13年にバレンティン(ヤクルト)が作ったプロ野球年間最多記録を口にした。色紙には「北海道から世界へ」と書き、満員3万9606人のファンに壮大な夢を披露した。
この怪物、口にする目標も、大観衆を楽しむ強心臓も、規格外だった。ステージに上がった清宮は日本ハムファンで埋まったスタンドをぐるりと見渡した。「幸せです」。ファンフェスティバル恒例の新入団発表。度胸抜群の18歳は、明らかに高校野球とは違った雰囲気を全身で楽しんでいた。
手に持った色紙には、達筆で「北海道から世界へ」としたため、高1から使っているというサインを添えた。「ここにいる皆さんと一緒に、北海道から世界を目指したい。この球場で今までにないくらい本塁打を打って、皆さんに喜んでいただけるようなプレーをしたい」。司会のOB森本稀哲氏に「何本くらい打ちたいですか?」と問われると「60本です」と応え、大歓声を呼んだ。
ステージから降りると「大きく言っておこうと思って」といたずらっ子のように笑ったが、13年にバレンティンが塗り替えた年間最多本塁打記録を目標に掲げたのには、理由があった。「以前は(日本記録は)王さんだった。まずは王さんの記録を目標としてやっていけたら。出来るだけ早く、達成したい」。早実の大先輩で、尊敬しているソフトバンク王会長と、近鉄ローズ、西武カブレラの55本、その先の60本塁打を見据えた。
広大な札幌ドームに本拠地を移転後、チームの年間最多本塁打は04年セギノールの44本。日本人なら05年小笠原の37本にとどまる。この球場を拠点に60本塁打を放つことが、いかに難しいかが分かるが、栗山監督は「素晴らしい。(大谷)翔平の二刀流の時もそうだったけど、絶対にやるんだという気持ちでやってきたから」。実現不可能な夢などない。「目指す世界とはメジャーです。メジャー以外、ないです」と話す怪物が、大谷が去った来季以降、新たな伝説に挑む。【中島宙恵】