前回お届けした、お薦めロードムービー編の第二弾です。
どちらかというと「ロードムービー仕立て」でメインストーリーがきっちりしているものが多くなりますが、いつも通り独断と偏見でお届け致します。
レインマン (1988)
圧巻の演技力により、ダスティン・ホフマンがアカデミー主演男優賞を受賞。
高級外車ディーラーをしている主人公に届く、絶縁状態だった父の訃報。遺産の大部分が、存在すら知らなかった自閉症の兄へ渡ることを知った主人公は、ある画策から自分の住むロスへ連れ帰ることに。そこから兄弟二人の旅が始まります。
http://mymeaningfulmovies.blogspot.jp
「絆」の重さや深さを描いた良作。サヴァン症候群という役どころを演じきるダスティン・ホフマンも見事ですが、ラストのトム・クルーズの表情も必見なのです。
アバウト・シュミット (2002)
主人公の定年退職者にジャック・ニコルソン起用。ジャケットがもう秀逸です。
保険会社を定年退職し、暇な暮らしが始まった矢先に妻が急逝、娘がバカみたいな男と婚約、友人の裏切りを知るなど次々押し寄せるリアルな孤独感。娘の結婚式を手伝おうとキャンピングカーで旅へと繰り出します。切なさ満載の、でも喜劇。
本作主演のジャック・ニコルソン。最近の骨太ディカプリオを見ているとを見ていると、演技力も含め彼に寄せてきていると思えるのは私だけでしょうか。
天才スピヴェット (2013)
家族の再生、心の傷、社会への皮肉。色々あるけど解放感満載のラストです。
悲しい事故で双子の弟が亡くなり、そのことで自分を責め続けている10歳の天才少年。磁気車輪の発明がベアード賞を受賞し、授賞式に出席するべく家を飛び出した彼が、様々な人と出会いながら進めていく大陸横断の一人旅の物語です。
『アメリ』で有名なジャン・ピエール・ジュネ監督作品。ツッコミどころは多々ありますが、優しい気持ちとメルヘンな目線で楽しめる一本です。
オー・ブラザー!(2000)
アメリカ人の友人が「一番好きな映画」とDVDを貸してくれた作品です。
1930年代のアメリカ南部・ミシシッピが舞台。同じ鎖に繋がれていた男三人が労役中に脱走。保安官の魔の手が迫る中、旅路で強烈な個性を放つ人々との出会いと別れを繰り返していく物語。ほのぼの&ゆるめで、音楽が心地いい一本です。
http://www.craveonline.com
ダンディなイメージのジョージ・クルーニーが、ぶっ飛んだ男をコミカルに演じているのも新鮮。アメリカ南部に詳しい人なら面白さ倍増なんだろうと思います。
マイ・プライベート・アイダホ(1991)
バックグラウンドの要素が複雑な、切ないロードムービーという印象です。
男娼として街角に立ち、中年男性に体を売って稼ぐ青年。ナルコレプシー(発作的に眠ってしまう睡眠障害)でもある彼が、恵まれた暮らしながら家庭の温かさを知らない男娼仲間と共に、故郷のアイダホへ、母を探してバイクで向かうストーリー。
主演二人が醸し出す危うさには何とも言えない気持ちになります。23歳という若さで他界したリバー・フェニックスの哀切な演技も見どころ。いやー美しい。
今日の名言。
水滴がすばらしいのは最も抵抗の少ない経路をたどること。人間はまったくもって、その逆だ。
映画『天才スピヴェット』より