教育
必見!「銃乱射事件に遭遇したときのサバイバル術」|逃げる? 隠れる? 戦う? 日本では教えてくれない!
「認識力」を鍛えよ
プレズの話では、銃声が轟いたとき、彼とガールフレンドはステージから1m以内にいたという。彼は言う。
「2発目の銃声がして、これは爆竹ではないとわかったんだ。襲撃されているんだ、ってね。それからパトカーがラスベガス大通りをホテルのほうへ走り抜けていくのを見たんだ。僕はガールフレンドの手を掴み、会場のレイアウトを思い出しながら、反対方向の出口に全速力で走ったんだよ」
レストランやホテルのロビーなど目新しい場所に到着したら、ちょっと立ち止まって自分の感覚がその新しい環境の「正常な」状態であるときの景色、音、においなどを吸収しよう。いったんその基準が自分で確立できれば、危険を察知するのがたやすくなる。
たとえば、射撃場であれば銃声は普通の音だが、それ以外のほとんどの場所では違う。コンサート会場なら叫び声は普通だが、レストランでは違う。
何かが違うことが、その環境では「普通ではない」のだ。それに自分で気づくことが、おそらく危険を察知することになる。
8月のある日、ウールのトレンチコートを羽織った男が正面玄関から歩いて入ってくるのを見たとしたら、男の冬のいでたちに私の「正常基準」が反応するだろう。その結果、私は男の態度を少し長めに観察するだろう。そして危険に対応するだろう。その対応とは単に観察を続けることかもしれないし、出口に向かうといった行動かもしれない。
そして直感的に怪しいと思ったその挙動不審な男がコートの下からライフルを見せたなら、もはや最初の銃声を聞く必要はない。私は誰よりも、先に自分の避難プランを実行に移しているのだから。
現場からとにかく逃げろ
1999年のコロンバイン高校銃乱射事件では、銃声を聞いた教師の1人が図書室へ走り、911に電話をした。その時点で教師は、図書室にいた生徒たちに「しゃがんで机やテーブルの下に隠れるように」と言った。だが犯人が図書室に入ってくると、そこは殺戮現場と化した。机の下でじっとしていた生徒たちは捕捉され、次々と殺されていった。
もし銃撃者があなたと同じ高さから撃ってきているのなら、しゃがむのが基本だ。だが何をするにせよ、長く低い姿勢をとったままでいてはいけない。机の下に隠れていてもほとんど防御にならないし、動かなかったら格好の銃撃の的になってしまう。
コロンバインとヴァージニア工科大学の場合、犯人は至近距離で撃っている。しかし、動いている標的なら銃撃しにくい。そして殺戮現場から完全に退避した標的なら、もっとずっと銃撃しにくくなる。
もしあなたが標的になり、高い位置から犯人が撃っているとわかれば、「しゃがんだり」身を低くしたままでいたりしてはいけない。そうすると犯人にとっては、より広い平面にじっとしている人間の標的めがけて下方連射すればいいことになるからだ。
代わりに、あらかじめ狙いをつけた出口に向かって殺戮現場を逃れ、最終的には地形あるいは構造物で銃弾を防ぐことができそうな遮蔽物を見つけることだ。
ラスベガスのコンサート会場にいた多くの人々と同じように、犯人の位置がわからず近くに遮蔽物も見つからないとしても、殺戮現場から逃れようとすることはまだできる。それが最良の選択肢なのだ。
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