米国アマゾンプライム・ビデオ、日本アニメ専門配信「Strike」を1年で終了

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 米国のAmazon.comが運営してきた日本アニメ専門の定額課金見放題サービス「Anime Strike」が、2018年1月5日に終了した。Anime Strikeで配信されていた『いぬやしき』、『宝石の国』、『ボールルームへようこそ』といった作品は、Amazon プライムビデオに移された。今後は、日本アニメタイトルはプライムビデオの中でのサービスとなる。
 また同日、インド番組専門のチャンネル「Heera」も終了し、プライムビデオに移されている。Anime Strikeから始まったプラスアルファの料金でより専門性の高いチャンネルを提供するビジネスは、方向転換をすることになる。

 Anime Strikeは、2017年1月に日本アニメファン向けた専門チャンネルとしてスタートした。クランチロール(Crunchyroll)といった日本アニメ専門の映像配信プラットフォームの好調を後追いするものだった。
 目玉は月4.99ドルで最新の日本アニメが見放題であったが、Anime Strikeの視聴は、Amazon プライムビデオの加入が前提となっていた。日本では月400円、年間3900円と格安のイメージの強いプライムビデオだが、米国では映像視聴だけでも月8.99ドル、他のサービスも含めて年間99ドルと決して安くない。さらなる追加料金のビジネスモデルがユーザーの不評を買っていた。
 また有力タイトルはあるものの、独占はさほど多くなく、既存の作品もクランチロールやHulu、ファニメーション(FUNimation)といった他のプラットフォームより小規模であった。
 契約数獲得で苦戦していたとみられるが、サービス開始からわずか1年での終了は米国のIT企業らしいスピード決断だ。海外向けの日本アニメの配信プラットフォームでは、2017年にバンダイナムコ系のDaisuki.netもサービスを終了している。

 一方、日本アニメの配信では、有料サービスと無料サービスを組み合わせたクランチロールが有料会員だけで100万人以上と好調だ。2017年にソニー・ピクチャーズのグループに入ったファニメーションも資本増強で攻め姿勢である。
 映像プラットフォームとしてプライムビデオと競うNetflixは、同じ1月5日にテレビ放送もせず、ネットで独占する初のオリジナルアニメシリーズ『Devilman crybaby』の全世界配信をスタートした。今後もオリジナルタイトルの投入を予定しており、Netflix全体のなかで日本アニメを強化する。
 プライムビデオは最近でも「ノイタミナ」や「アニメイズム」の独占配信をはじめ、人気アニメの囲い込みに精力的に動いている。日本アニメへの関心が必ずしもなくなったわけではない。Anime Strikeからプライムビデオに作品を移すことで、Amazonが米国でアニメ配信ビジネスをどう構築するのかは不透明なところがある。今後の動向も気になるところだ。

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