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〈平和つなぐ〉原爆禍の記憶胸にプロへ 横浜高校・増田珠選手 

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/01/01 02:00 更新:2018/01/01 03:23

継承に猶予なし=担当デスク・田中大樹


 メディアは、とかく節目に重きを置く。戦争については、沖縄戦の組織的戦闘が終結した「6・23」、原爆が投下された「8・6」「8・9」、終戦記念日の「8・15」、太平洋戦争が開戦した「12・8」は特に手厚く報道する。

 節目を報じる意義は大きい。犠牲者を悼み、過去を反省し、将来を見据える契機となる。しかし、体験者が刻々と鬼籍に入るいま、戦争の実相を後生に伝える継承には一刻の猶予もない。「節目報道」からの転換が不可欠だ。

 一方、戦争を知らない世代の勇ましい声は、ますます大きくなっている。とりわけ憲法論議が最大の焦点となろう今年は、戦争と平和について正面から向き合わねばならない。

 戦後の出発点は敗戦であり、平和への渇望だ。戦争は民主主義を壊し、人々の尊厳を踏みにじる最悪の人権侵害である。先の戦争に突き進んでいったこの国の姿を振り返り、市井の平穏を破壊した末路を思えば一目瞭然だ。過ちを繰り返してはならない。

 戦後73年。不穏な空気が漂う中、継承が待ったなしだからこそ、節目にとらわれない報道が重要となる。日々、体験者の声を伝えて戦争の現実を直視し、伝え継ぐ人々の姿を報じて共に歩む。そして、平和をつなぎたい。

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