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胃腸の疲れをリセット、いいことずくめの「ゆる断食」

2015/3/4

日経ウーマン

 会社の飲み会や接待、残業空けの遅い夕食…。胃腸が疲れていたら、すっきりリセットできる「ゆる断食」に挑戦してみては? 断食といっても、ここで紹介するのは、ジュースや黒糖は取ってもよいもの。余計な水分や老廃物を出せば、カラダの中から軽くなります。

■食べないことで胃腸の疲れが取れる

 疲れた胃腸をシャキッとリセットしたい人は、週末の休みを利用して、断食にチャレンジしてみよう。食事をいったん休んで胃腸の疲れを取り、老廃物を出し切る、究極のリセット&デトックスメソッドだ。

 「漢方では『吸収は排泄(はいせつ)を阻害する』という言葉があります。断食中は消化・吸収がストップするので、体のエネルギーを排泄に費やせるのです」と、イシハラクリニック副院長の石原新菜さんは説明する。

 今回紹介するのは、ニンジンリンゴジュースや黒糖入りのショウガ紅茶を飲みながら行う「ゆる断食」だから、とってもラク。「朝食をジュースに置き換える“朝だけ断食コース”なら、誰でも無理なくできますよ」。これを何度かやって慣れてきたら、週末断食コースにもトライしてみよう。

 断食には心を静める作用もある。リラックスを示す脳波(α波)が増えて、ゆったりと落ち着いた気分になる。また、余分な水分が排出され、体重がストンと落ちる。「朝だけコースで1キロ減る人もいます」と石原さん。さらに「食べなくても意外に大丈夫だ」と気づくことで、普段、空腹でもないのについ食べてしまう「ムダ食い」を減らす効果も。年の最初は、断食で身も心もリフレッシュしよう。

■ゆる断食の4大効果

・ムダ食いが減る「ダイエット効果」

 断食をすると排泄作用が高まり、体内の余分な水分が出て体重が落ちる。また、「食べなくても意外に大丈夫」と気づくことで、スナック菓子などの習慣的なムダ食いを減らす効果もある

・胃腸を休める「リセット効果」

 食べ物の消化・吸収のために絶え間なく働く胃腸にとって、断食は貴重な休息タイム。お酒を飲まない「休肝日」で肝臓が休めるように、たまには食事をストップして胃腸に貴重な休息時間を

・脳や神経を休める「リラックス効果」

 断食に体が慣れてくると、リラックス時に出る脳波(α波)が増え、瞑想をしているときの精神状態に近づくことが分かっている。断食は、高ぶった脳や神経を静めるのにも効果的なのだ

・老廃物を出す「デトックス効果」

 空腹になると、胃腸の大掃除ホルモン「モチリン」が分泌され、老廃物をきれいにしてくれる。おなかがグーッと鳴るのは、大掃除が進んでいるサイン。どんどん鳴らして、胃腸のなかをきれいにしよう

■効果を高めるポイント
・お酒、たばこはNG
・料理番組を見ない、食品売り場に近づかない
・好きな音楽やDVDでリラックス
・スマホやケータイ、パソコンは極力遠ざける

 ゆる断食中は予定を詰めず、のんびり過ごそう。スマホなどデジタルな刺激を遠ざけ、好きな音楽や映画を楽しむのがおすすめ。せっかく体のなかをきれいにするのだから、お酒はNG。食べ物の映像や、匂いは心を乱すので、避けよう。

~“ゆる断食”で胃腸疲れをスッキリ解消~

●カラダが生まれ変わる「週末断食コース」

 週末の休みを利用して、丸1日+翌朝の朝食までジュースに置き換える「週末断食コース」にチャレンジ。1日目(土曜日)は固形物なしなので、胃腸がしっかり休める。味覚が鋭敏になるので、2日目(日曜日)昼のおかゆは、涙が出るほどおいしく感じられるはず。

●食べすぎた翌日に「朝だけ断食コース」

 最初にやってみたいのは、朝食をジュースに置き換える「朝だけ断食コース」。昼食からは脂肪分や油分の少ない軽めの食事を取るお手軽な方法だが、胃腸が午前中いっぱい休めるので、おなかがスッキリ軽くなるはず。夕食を食べすぎたと思った翌朝に行うのもおすすめ。

 空腹や冷えが強まった場合は我慢せず、ショウガ紅茶に黒砂糖を入れて飲むか、黒砂糖をなめる。カラダがすぐに温まり、血糖値が上がってラクになる。喉が渇いたときも、水ではなくショウガ紅茶を飲もう。

ニンジンリンゴジュース 基本のレシピ
ニンジン2本+リンゴ1個をジューサーにかける
ジューサーがない人は、市販の「リンゴ100%ジュース」でもOK

■気になる症状別 ジュースにあと1品プラス

・高血圧の人は「玉ネギ」をプラス

 玉ネギに豊富な硫化アリルは、動脈硬化を防ぐのに有効。血圧が高めの人はぜひ、使ってみよう

・生理痛がひどい人は「セロリ」をプラス

 滋養強壮薬として古くから珍重されてきたセロリ。頭痛や生理痛を緩和してくれる。生理痛の重い人はぜひ

・肌が弱い人は「ゴボウ」をプラス

 ゴボウは食物繊維が豊富な野菜。腸内の環境を整え、善玉菌を増やして、美肌作用が期待できる

・貧血の人は「ホウレン草」をプラス

 鉄分が豊富なホウレン草。ビタミンCと一緒に取れば吸収率がよくなるので、レモンを搾るのがおすすめ

・胃腸が弱い人は「キャベツ」をプラス

 キャベツには、胃腸薬にも使われる粘膜修復成分「ビタミンU(キャベジン)」が豊富。胃が弱い人におすすめ

こんなときはやらないこと
●生理前 ●貧血がある ●妊娠中、授乳中 ●熱があるとき、体調が悪いとき

この人に聞きました

石原新菜さん
 イシハラクリニック副院長。80年長崎県生まれ。06年帝京大学医学部卒業。父、石原結實氏のクリニックで、漢方医学、自然療法、食事療法などを行う。講演、テレビなどでも活躍。

(ライター 北村昌陽)

[日経WOMAN2015年2月号の記事を基に再構成]

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