列車の滑り止めに使う砂を合格祈願のお守りにする「すべらサンド」の一部に微量の有害物質が含まれていたことが判明し、JR西日本金沢支社が福井県内での配布を取りやめたことが5日、分かった。同支社は「自然界に存在する物質で健康への影響もないが、受験生の安全を考慮した」としている。
「すべらサンド」は、JR山口線を走る蒸気機関車(SL)が急勾配を上る際に滑らないよう動輪とレールの間にまかれている砂を神社で祈願し小袋に詰めたお守り。受験の縁起物として、県内ではJR福井駅などで2003年から無料配布されていた。同県嶺南では「すべらない砂(さ)」として手渡されていた。昨年は県内6駅で計1854袋を用意、配布前に行列ができる人気ぶりだった。
同支社によると、山口県内から取り寄せた砂をJR西日本本社(大阪市)が昨年12月に初めて検査したところ、一部に発がん性物質を有する「結晶性シリカ」が含まれていることが分かった。
結晶性シリカは自然界に存在し「長期間、大量に吸引しない限り問題ない」(同支社)ものの、念のため使用を見送った。砂の代替物を検討したが入手の調整がつかず、来年以降の実施も未定という。JR福井駅は昨年12月27日から中止を知らせる張り紙を掲示した。
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