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"Custo sprae fiscus", is tagged with「腐向け」「アルアイ」and others.

オバロのパンアイ二次創作です。【父と息子の攻防】【『意思』と『進化』の証明に冠さ...

Aqvarium

Custo sprae fiscus

Aqvarium

11/4/2017 18:49
オバロのパンアイ二次創作です。
【父と息子の攻防】
【『意思』と『進化』の証明に冠された最も情緒的であり甘美な『名称』】
小話、2本詰め合わせです。
やっぱり著しくパン→アイです。
注:かなりねつ造や、間違った解釈が入ってると思います。
『情熱が有り余ったんだね』と温い目で許せる方はご覧ください。
『あっ、無理かも』と思った方回避してください(汗)。

・表紙素材は此方からお借りしています。 illust/58529887

・前作に【スタンプ】【コメント】【ブクマ】【いいね】を下さり本当にありがとうございます。前作に引き続き、楽しく読んで頂けたようでちょっとホッとしました。
・【フォロー】をして下さった方も、気に入って頂けて嬉しいです。

【父と息子の攻防】



「父上」

 その声の響きのなんたるかを理解し、アインズは指骨で貌を覆う。流石は俳優として創造されただけの事はあるというべきか。 父上と呼ばれる度に、『愛している』という声が聞こえるのだ。
 自分の頭がおかしくなったというのなら。
 込められた『愛』が、親への純粋な思慕の情であったのなら。
 これほど悩ましく思う事など無かったというのに。
 しかしコレは・・・。

「どうされたのですか、父上」

アインズは何時も声を上げそうになる。
止めろ。 
止めてくれパンドラズ・アクター。
『父上』とは、そんな声で呼ぶもんじゃない。
 でも、言えない。
 言ったら、確実に何かが変わってしまうと知っているからだ。
 感情が抑止されなければ、はずみで言えただろう。しかし、強制的に冷静な思考回路を常備するアインズにはその言葉を吐く勢いは持ちえない。
 だから言葉を飲み込みこうして顔を覆うのだ。
 可愛くない訳が無い。『うわぁ』とは思いつつも、自分を父上、父上と慕う息子を、アインズは言葉通り『息子(じつのこ)』として愛し、情を日増しに積もらせた。
 だからこそ、この異形の愛息子が呼ぶ『父上』に感ずる苦味もまた増していくのだ。止めたいが止められない。せめてもの軌道修正にアインズは、パンドラズ・アクターをこう呼ぶようになった。

「私の愛しい息子よ」
 
 当然ながら、これは二人きりの時に限られる。
 言い変えれば二人きりの時は必ずそう呼んだ。
 愛が父の衣をまとって発せられる限りは大丈夫だと願って。それが剥がれるのを恐れ親子という関係を強調し、このぶっ飛んだ男を必死に留めているのだ。
  
「お慕いしております」
という告白に。

「私もだ、愛しい息子」
と微笑みで切り返す。

 親愛を盾取り、恋情の矛を必死にかわすこの攻防。
 触れる指の熱情を、幼子が親に向ける慕情へ還し。
 唇を強請って寄せられた顔を、親愛の口付けで押し戻す。

 胸に掻き抱かんと伸ばされる腕をすり抜け、逆に相手の頭を胸元に抱く。
 軍帽越しに後頭部を撫でながら、あくまで優しく父親として呟くのだ。

「寂しい思いをさせてすまない。私の可愛い息子よ」

 恋情には親愛を。
 色情には慕情を。

「私の愛しい息子よ」
「我が創造主たる父上」

 矛と盾を振いアインズ・ウール・ゴウンは必至で戦う。
 素直なのが唯一の救いであるが・・・。
(反抗期とか来たらどうしよう)
 割とマジで悩む超越者の姿がそこにあった。
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