魚肉を熟成、うま味アップ 静岡県水産技術研、初の製造工程確立
(2018/1/6 07:59)-
静岡県水産技術研究所(焼津市小川)が、マグロやカツオ、ニジマスなどの魚肉を熟成させる日本初の製造工程確立に成功した。熟成させた魚肉は生臭さが消えてうま味が増し、生ハムのような食感。食の都静岡の新たな地域ブランドとして期待が集まる。
確立した熟成魚肉の製造工程は前処理で塩と調味液に漬けた後、食用白カビを吹き付けて温度と湿度を管理しながら寝かせる。60日後に何も処理をしなかった魚肉と比べた結果、最大でうま味成分が3倍になった。30日間ほどで食べ頃になり、白カビからほんのりチーズのような香りも漂う。
伝統的な塩辛やかつお節、新巻きザケなどと違い、白カビを使って生の状態のまま長期熟成させる技術は画期的。牛肉など畜肉で同様の技術は既にあるが、研究開発にあたった山崎資之開発加工科主任研究員(33)は「水分が多くて腐りやすい魚肉では、世界を見渡してもほかに例がないのでは」と話す。
前処理段階で乳酸菌を加えると、雑菌の増殖を抑制できる上、香りとうま味がさらに増すことも分かった。活用したのは、県工業技術研究所沼津工業技術支援センターを中心に県の五つの専門技術研究所が構築した独自の微生物ライブラリー。集めた微生物の中から、カツオの腸管と果物のカキから採取した3種類の有望株を選び出し試作を重ねている。
製造技術は特許出願中で、県内企業との共同研究で2018年3、4月に商品化の予定。商品化後は県内優先で水産物加工業関係者に普及を図る。山崎主任研究員は「魚離れが懸念される中、子どもがおいしさを知るきっかけになれば。官民一体で世界に誇れる特産品を目指したい」と意欲を示す。
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