NEMの良し悪し
数日間NEMを触ってみましたので、技術者視点でNEMについて軽く書こうと思います。
また、このブログは「個人やスタートアップがサービス内でNEMを使うとしたら」という視点です。
金融系のお話は専門外なのでアシカラーズ。
NEMの良い点
[GOOD]手軽に実装が出来る
仮想通貨(&ブロックチェーン)のシステムを組むにあたり、まずEthereumとNEMという選択肢があります。
(他にもLISKやら何やらありますが一旦。)
EthereumはプログラムをEthereum環境上で実行させることが可能です。
まさしくPaaSのようなプラットフォームの機能が提供されています。
ただEthereumは、以下3点から個人的にあまり好きではありません。
・Solidityという独自の言語が選択されているため、学習コストがかかる
・プログラムの実行に結構なお金(=Eth)がかかる
・上記2点のため、様々な制約がある
つまり個人やスタートアップが「サクッと」開発できるものではないのです。
それに比べNEMが提供しているのはAPIのみです。
ユーザ(=ウォレット)を作ったり、送金(=トランザクション)が簡単にできるAPIが提供されています。
エンジニアにはこの「API」が公開されていれば十分です。
今まで散々作ってきたサービスと同じやり方で開発をすることが可能です。
そのため、NEMは「仮想通貨」や「ブロックチェーン」のシステムを比較的簡単に導入することが可能です。依存が少ないため、既存のシステムにも素早く組み込めるのではないでしょうか。
ただEthereumが使えないのか、というと全くそんなことはありません。
強いて言うなればEthereumは「業務用ブロックチェーン」。
お堅い会社や業界などは、NEMではなくEthereumを選択していくと思います。
(ちなみに私も業務ではEthereum使ってます)
NEMの悪い点
[BAD] NEMのトークンには「ポイント」の価値しかない
Ethereumで作られたトークン(ERC20)は、様々な取引所で取引することが可能です。
それはつまり「トークンが通貨と交換」することが可能となり、トークンに金銭的価値が生まれます。通貨と交換できるようになれば大きな経済を作ることができます。
それに比べNEMのトークン(モザイク)を取り扱う取引所はほぼありません。NEMのトークンに「価値が見られる作り」がされない限りは取引所も取り扱うことはないでしょう。
そうすると「金銭的価値のないNEMのトークン」の使い道は、プライベートな環境のみで使われることになります。
(TSUTAYAポイントや、イベント限定ポイントのような使われ方でしょうか。)
プライベートな環境でのみ使われる「ポイント」に大きな経済圏を作ることはかなり難しいことではないでしょうか。
こちらがNEMの現在の弱点だと思います。
NEMの未来
個人的に考えるNEMの未来は以下2つ次第かなと思ってます。
(金融のお話は・・・略)
・爆発的なNEMサービスが生まれる
・NEMのトークン(モザイク)に金銭的価値が与えられる
今年はカタパルトなどの発表もありますが、NEMの上で動くサービス(BtoB含む)が頑張らない限りはNEM本来の力も分からないと思います。
(まぁ価値が見えないトークンも山ほどありますが・・・)
「電話機能しか使えない高性能iPhone」が発表されるようなものですね。電話機能だけであれば昔のパカパカ携帯で十分ですね。
そこで話はタイトルに戻るわけですが、BtoCでもBtoBでもNEMの盛り上げにはサービスの開発が必要です。現在NEMサービス作ってますので、気になる方は話しかけてください。
良い点悪い点書きましたが、僕はNEMが好きです。
NEMを盛り上げていきましょう!