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34 キクの料理(ラナ視点)
そんな彼女はお昼あたりから家に入りお昼ご飯を用意してくれた。
「口に合えばいいが」といって出されたのは
こぶし大の白く丸いパンと、白いスープ。
レタスとキュウリそして茶色くて丸い物体がお皿の上にのっていた。
添えてあるトマトがとても華やかにみえる。
フォークとナイフを渡され、戸惑った。
日頃食べるときはほぼ手づかみだ。それで食べるのに困るものは普段出てこない。
よく使うとしたらスプーンくらいか。
とりあえず手でつかめるパンから手に取る
「うわっやわらかっ」
ちょっと指に力を入れただけで穴があいた。そのまま小さく引きちぎる。
白いもちもちの生地が中からあらわれた。
ラナの知っているパンというのは硬く黒い外側ごと包丁で輪切りにし、スープに浸しながら柔らかくして食べるものだ。
だが、これはこのまま食べれそうだ。試しに口に運んでみる。
いつもの硬い歯ごたえはなく甘い味がふわりと広がる。
思いがけない甘みに頬っぺたが落ちそうになる。
「なにこれ!すごい美味しい!こんなパン生まれて初めて食べる!」
このパンだけで満足するわ
あっという間に1個食べ終わると「そうかそうか、もっと食べ」とおかわりのパンを乗せてくれた。
えっいいのか?やった!
次にスープに手をだす。
ヤギのミルクで作ったというクリームスープ。
ミルクと言えばサラサラしているのに、これがなぜかとろみがある。
飲んだ感じは塩味なのに甘く感じる。たまに入るトウモロコシの粒が甘くてアクセントになる。
そして、パンとよく合う。
夢中でパンとスープを往復する。
ふとアトルをみたら、フォークとナイフを両手に持ち、お皿の茶色い物体を切り口に運んでいた。
(なんで、こいつこんな自然にフォークとナイフを扱えるんだ?)
アトルを見習いながらフォークとナイフを持ち、茶色い物体に挑む
ごつごつした硬い表面にナイフを入れると思った以上に軽くナイフが沈んだ。
中は薄黄色の物体に、小さく刻んだニンジンや豆が入っていた。
口に運んでみると、茶色い外側がサクッと砕けあとからしっとりした触感が舌をつつんだ。
歯ごたえは外側の部分と、中に入った野菜の感触だけ。
これは一体何でできているんだ?ジャガイモ?でもジャガイモはこんな柔らかくないよな
「これ、中身はなんだ?」
「それはコロッケって言っての、ジャガイモをつぶして作るんじゃ。本当は肉のミンチ入れて作りたかったんじゃが、生肉は保存がきかんからの。ジャガイモと野菜だけしか入ってなくてすまんの」
いえ、十分美味しいです。何を謝られてるのかあたしわかりません。
肉入れるとこれ以上のおいしさになるの?うそでしょ
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