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29 子供と大人
「全部売って来いって言っただろうが!」
怒鳴り声と何かがガシャガシャンと転がる音が響き渡る。
あー坊とクマリンに買い出しに来ている時の出来事だ。
「この役立たずが!」
目を向けるとお腹の出た中年男が青い髪の男の子に殴る蹴るの暴行を加えていた。周りには売れ残ったと思われるブリキ細工が散乱している。
「すみませんっ!すみませんっ!」
歳はあー坊よりは少し上くらいか。男の子は土下座をして何度も何度も謝っている。
しかし中年男は止めることなく蹴りやすい位置になったその体を蹴り続けていた。
「これっ!子供を蹴るでない」
男の子に覆いかぶさり、蹴るのをやめさせる。
「……なんだ?おまえは」
突然現れたわしの姿に男は動きを止める
男と子供の間に来るように体をはさみ、男の子を背中にかばう。
そして中年男に詰め寄った
「大の男が、こんな小さな子を虐めて恥ずかしくないのかい」
腰に手を当てプンプン怒っていると
「おいっやめろっ! なんだお前は」
後ろから肩をつかまれ、かばっているはずの少年の方がわしを止めようとしてきた。
「余計な事すんなよ!」
こちらに気づいたあー坊が飛んできた。
聞いとくれよあー坊!この男この子を蹴っておったんよ
「すみません!!こいつ、世間知らずで!!」
隣に来たアトルに頭をつかまれたわしは強引に頭を下げさせられた
は?何でじゃ?
「おまっ、アトルか?」
青頭の少年が、あー坊の姿をみて驚きの声をあげた。知り合いの様だ。
「商売のいろはも知らない小娘が、余計な口出しして本当すみませんでしたっ」
なんで、わしが頭をさげておるんじゃ。
横を見るとあー坊は真剣な顔でわし以上に頭を深々と下げていた。
「そうだよな、こんなお嬢ちゃんにはわかんないよな」
中年の男は「女の空っぽな頭じゃ理解できないだろうよ」と笑う
「コイツはな殴られて当然なんだよ。なあ?」
当然のわけあるかいっ!わしが顔を上げようとしたら、より強い力で頭を押さえつけられた。
「はいっ殴られて当然です! 全部、俺が悪いんですっ!申し訳ございませんでしたっ!!」
大声をあげて、青頭の少年は地面に頭をこすりつけていた。
一体何の茶番じゃこれは
その後あー坊はわしを有無を言わさず引きずっていく。
抵抗しようとしたが、流石子供とはいえ男の子。全く歯がたたなかった。
そのままその場を後にすることになった。
◆
「アイツはあれで金貰って生活してるんだ! 余計な口出しすんな」
路地裏を曲がってしばらくたってから、やっと解放された。
「いいか!あいつの代わりなんて履いて捨てるほどいるんだよっ」
「仕事があるだけ、あいつはマシなんだ」
「お前の余計な口出しで、あのオヤジに体裁が悪いと思われたらアイツは仕事を失う」
「お前、責任とれるのかよっっ」
あー坊に畳みかけられて、わしは口ごもる。
「あの子も家に……」
その時は一緒に住めばいいと言おうとしたら睨みつけられた。
「ふざけんな!」
「アイツみたいな子供この街だけでも一体何人いると思ってるんだ!おまえ全員面倒見る気かよ!」
「そんな簡単な話じゃないんだよっ」
「おまえは正義面出来て、気持ちいいかもしれないけどな!付き合わされるアイツの身にもなってみろ」
更新できなくてすみませんでした。立て込んでました。
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