DOCTORS 最強の名医 新春スペシャル[字] 2018.01.04
『DOCTORS新春スペシャル』引き続きご覧いただけるとうれしいです。
お願いいたします。
ぜひご覧ください。
(相良浩介)今日からこちらでお世話になる外科医の相良浩介です。
どうぞよろしく。
(堂上たまき)院長の堂上です。
(森山卓)俺が執刀するんだぞ。
ちゃっちゃと終わらせちゃうよ。
(千住義郎)心拍30に下がりました。
(段原保)なんでだよ…!?昇圧剤準備。
(千住)酸素率上がりません!すぐにカテ室に運んで。
早く!
(千住)寝てる患者のふりしてこのまま霊安室に持っていっちゃえばいいから。
(桃井正一)絶対に謝っちゃ駄目ですよ。
ミスを認めたって揚げ足を取られますからね。
(皆川和枝)こんな事はどこの病院でもあるし…。
それも医者だけの常識ですよ。
僕が執刀します。
(宮部佐知)でも先生院長の許可が…。
ふざけた事言うな。
今僕たちが考えなければならないのは落合さんです。
それ以上に大切なものなんて僕たちにはありません。
(和枝)執刀した森山先生は院長の親戚なの。
(たまき)あなたの言っている事は正論かもしれないけど私にはスタンドプレーに見えます。
俺たちは間違ってるとでも?ひどいもんです。
さすがにもう黙ってられません。
それは俺の患者ですよね?ドクターのプライドは山よりも高く海よりも深い。
何…?相良!お前は…クビだ!特別講師?
(和枝)ドクターを教えるの?あいつ…俺の斜め上じゃないかよ!心から謝るっていうなら俺に土下座しろ!院長代理申し訳ありませんでした!
(笑い声)いいんですよ。
病院のためにはこれで。
(佐々井圭)あと15分でこの短い門脈を吻合出来るんですか?生体肝移植に挑戦出来ただけで満足か?ここで諦めるような医者はもうこの病院にはいないはずです。
相良の言うとおりだ。
(和枝)びっくりしてましたよ西都大の先生方。
堂上のドクターはすごいって。
(高泉賢也)マジですか?
(段原)西都大のドクターが?
(佐々井)僕たちを認めてくれたの?
(千住)よっしゃー!やっぱり外科医はオペだ。
患者を死のふちから救ってやる事こそ外科医の醍醐味さ。
大丈夫。
森山先生なら乗り切れます。
絶対に!この患者を…絶対に助けるぞ!院長になりなさい卓ちゃん。
あなたがあの椅子に座ってくれたら私は安心して引退出来るの。
堂上総合病院院長…。
俺が欲しかったのは肩書だったんだよ。
ちょっと早すぎますね。
ここが理想の病院になるにはまだまだ時間がかかる。
森山先生にはもっとしっかりしてもらわないと安心出来ません。
(英語)
(心電図モニターの音)オーケー。
いらっしゃいませ。
堂上総合病院院長森山卓です。
お預かり致します。
癒着が強いな。
(心電図モニターのアラーム)
(心電図モニターのアラーム)森山卓でございます。
(伴財日出彦)森山卓…。
あっ君か。
(小野寺圭吾)こちら会長の伴財先生だよ。
会長…。
これは失礼致しました。
先代の堂上院長には随分世話になってね。
この病院長会でも大事な役職をお願いした。
伯母の役目も私が引き継ぐつもりでおります。
馬鹿言うな。
君には任せられんよ。
(小野寺)新入りの席はあそこだ。
はあ!?ああ…これだ。
(沖伸一郎)会長。
最近釣りのほうはいかがですか?いやあ先週ねこのぐらいのイシダイがかかってね。
(小野寺)大物じゃないですか!
(沖)さすが会長!
(伴財)それでね…。
偉そうに…。
(係員)申し訳ございません。
こちらの不手際で弁当が足りませんで…。
異議あり!なぜ私だけから揚げ弁当なんですか?なぜ私には役職を任せられないんですか?なんの悪意があってこんないじめのような事をするんだ!
(一同の笑い声)噂どおりのボンクラだな。
何!?
(伴財)君の伯母さんは確かに立派だった。
でもその甥っ子だからといって丁重に扱ってやる理由はないよ。
(小野寺)仲良しクラブじゃないんだよここは。
(一同の笑い声)君が院長の器じゃないって事はみんな知ってるよ。
実際もう赤字なんだろ?堂上は。
患者のためにならん不健全な病院はなくなったほうがいいんだ。
来年は君はもうここにはいないだろうよ。
(小野寺)弁当食ってる時に「異議あり」って…。
(沖)何考えてるんだ?
(一同の笑い声)んん…。
んんん…んん…んんんん…!今ちょうど帰ったところですよ渋谷さん。
(渋谷翔子)ブータンに行ってらしたんですよね?相良先生。
やっぱり世界で一番幸せな国でした?ええ。
いいところでしたよとっても。
でも僕は仕事で行ってたから…。
向こうの大きな病院で手術もされてたんですか?ええ。
最終日だけ。
それまでずっとサムドゥプジョンカルという町で診療所の開業準備を手伝ってました。
堂上院長の診療所…。
そこを人生最後の終のすみかにされるそうです。
経費削減?人件費も含めて一律5パーセントカット。
一律って…。
そんな事したら現場から猛反発が。
一律じゃない。
俺の給料とお昼の出前は別。
あっ特上天丼はもう注文しておきました森山院長。
ありがとう猿渡さん。
事務長。
私は院長から堂上の経営を任されたんです。
なぜなら経営コンサルタントは経営のプロだから。
いやでもですね…。
ノープロブレム!ビコーズアイアム院長。
ドゥユーアンダースタンド?イエス!バット…んん…。
私は堂上をですね…。
心配してるんだろ?わかってるよ。
ハハハハ…。
でもねトップが変わっちゃったの。
伯母さんは俺に言ったんだよ。
堂上はあなたに任せたって。
ねっ?伯母さん。
ハハハハ…。
院長…。
私が堂上を黒字にしてみせますよ森山院長。
頼んだぞ。
クソッ…伴財会長を黙らせてやる…。
伴財会長?から揚げ弁当の恨みは一生忘れねえ!わかりますよ好きなものを奪われる気持ち。
んんん…んんんん…。
しょぼい診療所だなあ。
フフッ…。
でも向こうの人たちは喜んでましたよ。
日本人のドクターが来てくれたって。
ふーん…。
物好きだねえ伯母さんも。
ほれほれほれほれほれほれ…。
フフフフッ。
日本でのんびり余生を過ごしゃいいのにね。
うーんおいしい。
世界一周旅行の時のブータンがよっぽどお気に召したんでしょう。
もう一度現役に戻って患者さんを診たいという気持ちもあったそうですし院長は。
前院長ね相良先生。
今の院長は俺。
もう1カ月経ってるんだから間違えないでよ。
すみません失礼しました。
…でこちらが猿渡さん?経営コンサルタントの猿渡です。
ああ先生は初めてか。
10日ほど前だから君がブータンに行ったすぐあとに来てもらったんだ。
随分急な話ですね。
4年後にはうちは100周年だ。
それまでに堂上を有名病院にするんだ。
うーん…やっぱりうまいねこのエビは。
お二人はいつからのお知り合いなんですか?先月一緒にゴルフして意気投合したんだよな。
いやああの時の院長のドライバーはすごかった。
300ヤードは飛んでましたよね。
それはね大げさ大げさ。
いやいやそんな事ないです。
でもね290はいったよ。
いやいや僕の目測ですけども389はいってましたよ!ハハハハ…!
(猿渡)あれ目測だったから僕言わなかったんですけど…。
困った事になりそうだなあ…。
点滴は今日で終わりです。
(大村完二)ありがとうございます。
いいえ。
ご気分はいかがですか?大村さん。
相良先生!
(大村)ああ…先生が帰ってきた。
2週間も留守にしてしまって申し訳ありませんでした。
でも大村さんの様子は毎日報告受けてましたよ。
ねっ?はい。
(大村)おかげさまでとても楽になりました。
ああそれはよかった。
じゃあちょっと診させてください。
失礼します。
渡辺さんも正木さんも大丈夫だね。
みんな順調だ。
はい。
先生…。
ん?経営コンサルタントの方とはお会いになられました?猿渡さん?森山先生が院長になってからナースのみんなはうんざりしてます。
あんな人まで連れてきて。
宮部くん。
僕はただの勤務医だよ。
愚痴られたってどうしようもない。
でも…。
患者さんの事だけ考えろ。
それが僕らの仕事だ。
はい…。
…ったくもう。
あきれて口あんぐりだよ。
(高泉)なんですか?あんぐりって。
佐々井先生のところの担当患者が今朝息引き取ったんだってさ。
もう92だぜ。
なのに息子が怒っちゃってさ。
(千住)どうして?病院で死ぬなんて…。
母さんには幸せな最期を迎えさせてあげたかったのに!
(瀬戸晃)幸せな最期…?
(佐々井)縁側でうたた寝してるなあ母さんって思ってたらいつの間にか眠るように亡くなってたみたいな…って今時そんな死に方あるか?
(和枝)はあ?
(高泉)眠るようにって…。
その時のばあさん誰も見てないわけだろ?ぐわって目をひんむいて息絶えたかもしれないよな。
佐々井先生!大体その家に縁側なんかあるのかよって話だよな。
段原先生!お疲れさま。
(和枝)相良先生。
(瀬戸)おかえりなさい。
ただいま。
ただいま皆川先生。
(佐々井)はあ…。
もう2週間経っちゃったんだ。
早いなあ。
院長は…あっ違う。
前院長お元気でした?生き生きとしてましたよ。
そんないいところなんですかねえブータンって。
どんな診療所を作られたんですか?院長先生は。
前院長な。
あっ…すいません。
前院長は。
あとでゆっくりお話ししてあげます。
それより僕がいない間に何か変わった事は?そうだ…先生にご相談が。
折原美都さん…。
おとといご両親と一緒に来た女の子なんですけど先生に生体肝移植手術をお願いしたいそうです。
移植?今の気分はどう?美都ちゃん。
(折原聡美)先生が尋ねてらっしゃるのよ。
(折原克也)美都答えなさい。
(折原美都)大丈夫。
そっか。
よかった。
(和枝)美都ちゃんは12年前に帝楼会病院で先天性胆道閉鎖症と診断されたそうです。
はい。
先天性…。
その時に胆汁のバイパス手術というのを受けました。
(聡美)それからはずっと定期的に検査を受けてきたんですが先週…もう肝臓は限界にきてるって…。
限界?先天性胆道閉鎖症の場合胆汁のバイパス手術を行ってもやがて肝機能障害から肝不全を起こして移植が必要になる場合があるんです。
その移植手術を相良先生にお願い出来ないでしょうか?
(和枝)どうして帝楼会病院で受けられないんですか?あそこは…。
この12年の間に担当の先生が何人も代わりましたし今の先生は美都が嫌だと…。
どうして?美都ちゃん。
嫌いだから。
実は私たちもあの先生には誠意を感じないというか…。
もちろん優秀なお医者さんだとは思うんですが…。
ご両親もそう思われるなら仕方ありません。
患者さんにはドクターを選ぶ権利があります。
それでネットで調べて堂上総合病院の相良先生が素晴らしいドクターだと…。
美都の手術は先生にお願いしたいと思ったんです。
なるほど。
そういう事ですか。
私ここにいなきゃ駄目?
(聡美)何言ってるの。
お前の話してるんだぞ。
私わかんないもん。
2人で決めていいから。
美都?おい…。
(美都)ロビーにいる。
(ドアの開閉音)今あの子反抗期で…。
フフッ…。
それじゃ仕方ないですよ。
うちもそうでしたから。
そうだったんですか?もう…大変だったわよ。
ええ〜?
(折原)申し訳ありません。
ではご両親と美都ちゃんのご希望がかなうよう調整してみます。
そうですか!
(聡美)よかった…。
その前に確認を。
美都ちゃんに肝臓を提供するドナーはお二人のどちらかという事でよろしいですか?
(2人)はい。
(和枝)もう一つ。
この事は帝楼会病院の了解は取ってらっしゃいますか?ああ…いいえ…。
まずは相良先生が引き受けてくださるかどうかをお尋ねしたかったので。
(聡美)担当の先生にはまだ伝えていません。
わかりました。
ただバイパス手術当時の記録やこれまでの検査データは帝楼会病院にあるわけですからやはり先方の了解が前提となります。
手術前後のフォローもスムーズに出来ますし。
えっ…じゃあどうすれば?それは私たちにお任せください。
(2人)よろしくお願いします。
ご期待に沿えるよう頑張ります。
僕に声をかけてくださってありがとうございました。
美都。
相良先生が前向きに考えてくださるって。
あの先生にお願い出来るといいな。
誰だっていいよ。
(折原)コラ待ちなさい。
(聡美)美都!手術が怖いのかな?美都ちゃん。
まだ小学生だもんそりゃ不安よ。
生体肝移植実現に向けて考えましょう。
はい。
(和枝)あっ…あの人には会われました?相良先生。
えっ?森山院長が連れてきた経営コンサルタント。
皆川先生もその話?みんな心配なんです。
そうこの間なんか…。
これからはニッチな外来が流行ります。
ニッチ?頭痛外来やめまい外来を作るんです。
内科だの脳外科だの言ったって患者にはわかりませんからね。
ふーん…なるほど。
そのほうが親切っぽいな。
あっいびき外来とか便秘外来も作っちゃうか。
あっいいですね!全然気づかなかったそこ!くしゃみ外来はどうだ?
(猿渡)さすが院長!ねえもっとあるんじゃないですか?教えてくださいよ〜。
他にね…他にそうだな…。
さすがじゃないでしょ!
(ため息)くしゃみ外来?そんなのたくさん作っちゃったら皆川先生が総合診療科をやってらっしゃる意味がありません。
どうして前の院長は森山先生に病院を譲っちゃったんでしょう?まあ立場が人を作るって期待されたんでしょうけどね。
全然変わらないですけどね。
なんとかしてください相良先生。
だから僕に言われても…。
(いびき)
(戸の開く音)
(森山日美子)卓ちゃん。
朝よ卓ちゃん。
ん…。
(日美子)グッドモーニング!おはようママ。
(あくび)うーん…。
フフフフ…。
だから朝からこんなに食べられないって…。
朝ご飯はちゃんと食べなきゃ。
サラダのニンジン残しちゃ駄目よ。
はーい。
あっそうだ。
返事はどうするの?卓ちゃん。
先週のお見合い。
断って。
ええ〜?ママはあの人気に入ったのに。
ヒヒヒヒ…!あの引き笑いが嫌なんだよ。
うーん…そんな事言ってたら一生独身よ卓ちゃん。
ニンジン苦い…苦い…。
堂上総合病院100周年に向けての新プロジェクトを発表します。
(桃井)新プロジェクト?温泉を掘る。
(田村戸紀子)温泉!?専門業者の調査でこの敷地の地下を掘っていけば99パーセントの確率で温泉が噴き出る事がわかった。
99パーセント!?マジで?これからこの国は高齢化社会まっしぐら。
そのニーズに合わせて堂上総合病院に温泉付きリハビリ施設を造る。
これが100周年記念プロジェクトだ!
(和枝)ええっ!?病院名も100周年を機に堂上温泉病院に変える。
(相原亜美)堂上温泉病院!?
(段原)いいんじゃないですか?
(吉川みずき)いいか?
(千住)ありだと思います!
(戸紀子)ない。
ないよな?都内に温泉病院なんて。
俺たちはオンリーワンを目指すんだ。
(拍手)馬鹿じゃないの…。
それは猿渡さんのアドバイスですか?そうです。
あなたね…。
ゴーサインを出したのは俺だ。
何かご不満でも?いえ…夢のあるプロジェクトだと思います。
えっ?相良先生…。
ハハハハ…。
ブータンで謙虚さを学んできたね相良先生。
ありがとうございます。
うん。
では解散!院長!ん?ご相談が1つ。
(ため息)ええ…なんだね?折原美都ちゃんという12歳の女の子の生体肝移植をご両親から依頼されました。
(佐々井)生体肝移植?
(桃井)相良先生がですか?はい。
美都ちゃんは12年前に帝楼会病院で先天性胆道閉鎖症の手術を受けその後定期検診を受けてきたそうです。
だったらそこでオペすりゃいいじゃないか。
担当ドクターに不信感を持たれてるんです。
相良先生の評判を知ってうちでお願いしたいって。
(みずき)すごい。
(亜美)さすが相良先生。
(戸紀子)久々の生体肝移植ですね。
院長が許可してくだされば帝楼会病院にこの件を伝えたいんですがよろしいでしょうか?よろしいに決まってるじゃありませんか!
(猿渡)帝楼会病院の院長は…伴財日出彦先生。
何!?
(猿渡)関東病院長会の会長です。
噂どおりのボンクラだな。
来年は君はもうここにはいないだろうよ。
あいつか…。
(戸紀子)会長?ハハハハハ…。
そうかあいつの病院よりもうちがいいのかその患者は。
ハハハハハ…!わかった。
やってよし。
ありがとうございます。
その代わり必ず…。
ジャストアモーメント院長!伴財会長の病院から患者を奪うのは角が立つのでは?角が立つ?そんな事気にする必要ありませんよ。
私たちは患者さんを助けるのが仕事です。
上手に立ち回りましょう。
ここで喧嘩を売ってもなんの得にもなりませんよ。
うん…。
猿渡さん患者さんの命がかかってるんです。
病院長会なんて関係ないじゃないですか!この話はなしだ。
院長!待ってください!相良先生も皆川先生も大人にならなきゃ。
解散!大人にならなきゃいけないのはどっちよ!あり得ない…。
なんで温泉はよくてオペは駄目なんですか?私に聞かないで。
(猿渡)これから温泉掘削業者と打ち合わせです。
うんわかった。
(猿渡)さあどうぞ院長。
ありがとう。
ハハハハ…。
(ため息)お疲れさまです相良先生。
ああ渋谷さん。
電話でお話ししたエスアイ製薬の新薬です。
緑膿菌に効果がある抗生物質。
おお…これは優秀な治療成績ですね。
試してみましょう。
ありがとうございます。
ところで渋谷さん。
はい。
僕がブータンに行ってる間に病院長会議がありましたよね。
そこで何かあったんですか?ああ…森山院長は一番末席に座らされて1人だけ安いお弁当だったとか。
えっ?前の院長先生が役員でいらしたからご自分もそれくらいの扱いを受けるって期待されてたんだと思いますよ。
でもほら森山院長がどういう人かって外の先生も知ってらっしゃるから。
屈辱的な扱いを受けた。
なるほどね…。
あっ私が言ったって言わないでくださいよ相良先生。
わかってます。
それともう一つ。
猿渡さんご存じですよね?ああ…新しく入られた経営コンサルタントの?調べてもらえます?あの人の事。
どうして?なかなかユニークな人みたいなんで。
はあ…。
お願いします。
(PHSの着信音)はい。
(ナース)「相良先生救急搬送の患者さんが来ます」森山日美子さん70歳下腹部痛を訴えられています。
血圧100の70心拍110サチュレーション97です。
森山さん病院に着きましたよ。
ううっ…うっ…す…す…卓ちゃん…。
えっ…?
(亜美)卓ちゃん…?す…卓ちゃ〜ん…!ママ!
(せき払い)か…母さん…。
ああ…卓ちゃ〜ん…。
今はとりあえず鎮痛剤で痛みを抑えてます。
どうしたんだよマ…か…母さん。
(日美子)急におなかの下のほうが痛くなったのよ。
キリキリキリって…。
ご自宅で動けなくなってご自分で救急車を呼ばれたそうです。
堂上に連れてってって救急車の人に頼んだのよ。
息子が院長だからって。
痛みの原因はなんなんだ?CT撮ってみないとわかりませんけどS状結腸憩室炎の可能性が高いです。
S状結腸憩室炎?はい。
あの…深刻な病気なの?いえそんな事ありませんよ。
大丈夫だよママ…。
(せき払い)母さん…。
特別室に入院だ!僕が主治医になるから安心して。
(日美子)ありがとう卓ちゃん。
大丈夫。
大丈夫だよママ。
(せき払い)母さん…。
大丈夫だからね大丈夫。
大丈夫だよママ。
森山院長のお母さんが!?はい!院長にお母さんがいたの?息子と似てるの?あんな顔?みんな騒ぎすぎです。
師長どうしてそんな冷静でいられるんですか。
私が冷静?腰が抜けて立てないのよ!ですよね!森山院長ねママって呼んでた。
ママ!?そうお母さんの事をママって。
ひえええっ…!もう50になろうかっていうおじさんが?院長にお母様がいらっしゃったなんて…。
俺は卵から生まれたと思ってたのか?そういう意味では…。
日美子さんとおっしゃるんですねお母様。
(千住)品のあるお名前だなあ。
お父様もいらっしゃるんですか?15年前に死んだよ。
失礼しました!ご兄弟は?なんだよ!皆川先生まで。
いませんよ!
(高泉)ああじゃあ一人っ子。
お母様と2人暮らしなんですね。
だからなんだ?だって森山院長のプライベート想像した事もなかったんで。
しなくていい!それで…どうするんだ?相良先生。
ママの…。
(せき払い)母の治療方針は。
ママ…。
S状結腸憩室炎と確認出来たんですが痛みが強いのでオペも検討したほうが。
ママ…。
オペは駄目だ…。
保存的治療にしろ。
ママ…!わかりました。
ではしばらくは点滴で栄養補給して抗生物質を投与します。
ママ…!それで病状が落ち着けば?数日様子を見て徐々に食事を再開します。
ママ!ただ憩室が破れた場合緊急オペに。
縁起でもない事言うなよ!ママ!うるさーい!
(一同)すいません!
(佐々井)高泉くん!んん…んんんん…!おかわり大盛り。
(ナナ)もう駄目。
飲みすぎよ。
家帰ったって誰もいないんだ。
真っ暗なんだぞ。
(ナナ)何子供みたいな事言ってるの。
院長先生でしょ?死んじゃったらどうしよう…。
えっ?ママ…。
(せき払い)じゃなくて母さんだよ。
点滴打ってれば治るんでしょ?でも何が起こるかわからないだろ。
もしママ…。
(せき払い)じゃなくて母さんが…。
もうママでいいから。
私の前で無理しないで。
(泣き声)ナナちゃん…最近悪い事ばっか続くんだよ。
ママは倒れるし病院長会議じゃ俺だけから揚げ弁当だし。
(泣き声)よしよし。
(泣き声)見つけましたよ先生。
猿渡さんの秘密。
秘密?ユニークどころか相当胡散臭い人でした。
なるほど…そんな事が。
渋谷さんもう一つお願いが。
えっ?そこまでしていいんですか?だって悪いのは猿渡さんでしょ?どうするんだろう?美都ちゃんの生体肝移植。
相良先生。
(和枝)ああう〜ん…。
森山院長が許可してくれなかったからやらないなんて言うとは思えないけどね。
でも温泉病院には賛成してましたよ。
院長の考えは尊重しなきゃいけないって思ってらっしゃるのかも。
そうかな?したたかな人よあの人は。
宮部さんだって今まで散々振り回されてきたでしょ。
はい。
フフッ。
まあそういうところに惹かれてるのかもね。
えっ?う〜んおいしいこのマッシュポテト。
私が…好きだと思ってらっしゃるんですか?相良先生の事。
ずっとじゃない。
相良先生だって絶対気づいてるはずなのに。
私は別に…。
まだ亡くなった奥さんの事が忘れられないのかしら?でももう人生の次のステージを考えてもいいと思うな2人とも。
あっ…ごめんなさい。
余計なお世話だったわね。
お魚おいしい?はい。
(和枝)少しくれる?あっフフフ…どうぞ。
(和枝)いい?もうジャンジャンいってください。
いいから来て!朝からなんだよ…!俺は特別室に行きたいんだ!ママ…じゃなくて母さんの様子を。
そんなのどうでもいい。
どうでもいい!?
(アナウンサー)「逮捕されたのは自称経営コンサルタント猿渡圭介容疑者です」ええっ!?猿渡です。
(アナウンサー)「猿渡容疑者はワシントン条約で輸入が制限されているマダガスカル産オオヒルヤモリを不正に国内に持ち込み他にも十数匹を自宅で飼っていました」オオヒルヤモリ…。
経営コンサルタントの猿渡です。
(アナウンサー)「爬虫類愛好家の間では猿渡容疑者はヤモリの猿渡と呼ばれ…」ヤモリの猿渡…。
はい!
(アナウンサー)「警察関係者によると猿渡容疑者は近年数回にわたって…」当然猿渡さんは解任ですよね?院長。
そりゃそうでしょう。
ヤモリ飼ってただけだろ。
病院経営とは関係ない別件逮捕じゃないか。
かばう気ですか?ヤモリの猿渡を。
逮捕されたって罰金払って終わりだよ!あんな人雇ってたらうちの信用は地に落ちます!そんな事もわからないの!んん…んんんん…。
院長!
(桃井)森山院長!んん…!わかったよ!新しいコンサルタント探すよ!
(ノック)誰だ!失礼します。
相良先生もご覧になったんですねあのニュース。
ヤモリの猿渡。
僕がやりましょう。
えっ?経営コンサルタントです。
はあ?相良先生が?ええ。
なんで先生が?ブータンで前院長に言われたんです。
森山院長の右腕になってくれって。
まあ経営に関わるのは抵抗があったんですけれどもブータンで心が洗われたのかな。
新院長の支えになるのならなんでもしようと決心したんです。
経営を外部の人間に丸投げするのはよくありません。
そういう人に乗っ取られた病院を僕は知ってます。
勧められるままに温泉を掘って破綻した病院も。
でも相良先生はドクターなんですから。
僕は大学院で医療経営学を学びました。
勤務医だって知っておく必要があると思って。
医療経営学…。
何を企んでるんだ?企んでませんよ。
信用出来ない。
信用出来ないって…。
院長が信用した猿渡は犯罪者だったんですよ!わかりました。
必要ないと言われるなら出しゃばりません。
(桃井)ちょっと待って…!相良先生は堂上の事を思って手を挙げられたんですよ!本当にいらないとおっしゃるなら僕は出ていきます。
森山院長!
(戸紀子)院長!んん…んんんん…。
失礼します。
わかったよ!やらせてやる。
まずは堂上100周年までの経営戦略を提案しろ。
俺がノーと言ったらそこで終わりだ!それが人にものを頼む態度ですか!大人になりなさい!んん…んんんん…!
(亜美)36度5分。
お熱はありませんね。
感じのいい看護師さんでよかった。
院長に言われてるのね患者さんには親切にって。
院長?卓ちゃんは優しいから。
ああ…はい。
はい言われてます。
家でもね仕事の話よくしてくれるの。
姉が…ああ前の院長ね。
はい。
姉がブータンに行ってちゃんと病院継いでいけるか心配だったんだけどみんなからもうすごく慕われてるんでしょ?誰が?バレンタインデー。
看護師さんから頂いたチョコレートもう毎年山のように持って帰ってきて。
でもね食べきれなくて私の友達にあげちゃうの。
ごめんなさいね。
ととと…とんでもないですよ。
どんどんあげちゃってください。
ハハハハ…。
じゃあ失礼します。
えっチョコレート!?
(亜美)私たちからもらったって!何?それ!私はこの病院に20年いるけど森山院長にチョコレートなんか一度もあげた事ないし患者さんからもらってるとこも一度も見た事ない。
じゃあそのチョコレートはどこで?自分で買ってるのよ!
(3人)えーっ!!
(段原)嬉しいなあ。
(佐々井)森山院長がそこに座ってる。
俺の席はいつもここじゃないかよ。
(千住)でもずっと猿渡さんとつるんでらっしゃったから。
僕たち忘れられちゃったと思ってました。
忘れるわけないだろ。
チーム森山だぞ俺たちは。
ありがとうございます!僕たちはずっと森山院長を慕ってますから。
(高泉)一生ついていきます!変なヤモリなんか絶対飼ったりしません!
(一同の笑い声)あれ?どうしたんですか?院長。
(鼻をすする音)俺には君たちがいたんだよな。
いますよ!いるに決まってるじゃないですか!僕たち森山先生の事が大好きなんですから。
チキショー!そうか…そうか…。
そうかそうかそうか…。
(沖)この店でいいですか?会長。
(伴財)おおなかなかいいね。
(小野寺)あれ?森山先生。
ああ…ああ…会長…。
(高泉)会長?なんだい酒なんか飲んでていいのか?経営コンサルタントが捕まったんだろ?あんなの雇うなんて…。
人を見る目もないんだな。
まあ堂上が潰れたらうちで買い取ってやるよ。
(小野寺)ハハハハ…どうぞ会長。
(小野寺)一番いいウイスキー出して。
(店員)かしこまりました。
ご用意します。
(佐々井)ちょちょちょちょ…!
(千住)院長!ついてくるな!誰なんですか?あの人たちは。
うるさい!会長って言ってましたよね?みんな大嫌いだよ!嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ…!モジャモジャさせやがってこの野郎!
(一同)院長!院長!嫌いだ!嫌いだ!嫌いだ!ああーっ!!
(一同)院長!院長!堂上総合病院の新たな経営戦略案です。
まずは患者さんの入院期間は14日以内。
これを徹底してください。
えっ?はあ?ドクターが例外と認めた患者さん以外はこの期間内に退院してもらいます。
患者さんが入院の継続を希望されてもですか?厚生労働省の規定では入院が2週間を過ぎると保険点数が下がっていきます。
つまり病院の儲けにならないんです。
そんな杓子定規に…。
相良先生がそんな事言っちゃうんだ。
なんだ?その地味な提案は。
堂上100周年に向けての経営戦略だぞ?病院の収入増に直結する大事な事です。
温泉を掘るなんていうギャンブルよりはずっと確実です。
あっそれから皆さん温泉の話あれなくなりましたから。
ですよね?院長。
んん…。
そして2つ目。
2つ目は薬の購入費用を抑える。
今と同じような効果でもっと安い薬に変えられないか各科で今一度チェックしてください。
全部チェックするの?ええ。
いびき外来はどうなったんだよ。
くしゃみ外来とかも。
うちには総合診療科があります。
皆川先生が窓口になって患者さんを適切な診療科へ送ってくれています。
…はい。
でも皆川先生その後の診察で別の病気が見つかる場合がありますよね?ええ。
ところが最初の診断名だけが記載されて保険請求される事があります。
きちんと追加病名も記載しておかないと収益減少に繋がりますので確認よろしくお願いします。
私がですか…。
地味だ地味すぎるもう…!なんだか小役人みたい。
収入が大事なのはわかります。
でも2週間経ったから患者さんに出ていけなんて…。
かわいそう?勘違いしないでください。
これは我々の問題なんです。
ドクターは患者さんが2週間以内に退院出来るよう最善の治療を考え努力しなければなりません。
オペは患者さんのダメージを最小限に。
傷口は出来るだけ小さく時間は短く。
術後管理も徹底する。
ナースもです。
患者さんが早く退院して社会復帰出来るようたとえ嫌がられてもリハビリを促していく。
無駄な薬を使わないのも外来が混乱するような診療科を作らないのも正確な情報を記載して保険請求するのも全て…患者さんのためです。
病院の収入を増やすのは我々の給料を上げるためじゃない。
患者さんにベストな医療を提供したいからです。
ご理解頂けましたでしょうか?院長。
結果的にはこういう事が経営者としての評価を上げるんだと思いますが。
でも地味だ!院長…。
(机をたたく音)地味だ地味だ地味だ地味だ…!そんなんじゃ伴財を見返す事は出来ない!伴財?ああっ…!もういい!そうおっしゃると思ってましたよ。
思ってたんなら…。
堂上の名前を世間に知らしめるのは森山院長あなたの役目です。
えっ?院長はドクターです。
腹腔鏡オペはアメリカ仕込み。
ああ。
経営は地味でもドクターとしては派手に活躍しましょうよ。
ああ…ん?ご自分が治療した症例を学会で発表するんです。
学会発表?ええ。
そんなの大学で教授になりたい連中がむきになってやる事だろ。
だからこそですよ。
そこに民間病院のドクターが登場してみんなをあっと言わせる発表をすればそこら辺の病院長たちは腰を抜かすでしょう。
何?それを論文にして海外の一流医療雑誌に掲載されれば院長はもう世界的権威です。
世界的権威…。
確かにそうだ。
すごいじゃないですか!院長。
いやいやいやいや…。
そんな簡単に…。
世界的権威か…。
悪くないでしょう?でも学会発表して論文書いてなんて面倒くさいんだよな。
面倒くさい!?もっとドリーム感のある派手なやり方はないのか?出た!ドリーム感。
そうですか…。
実は僕に学会でオペを生中継しないかっていう話があったんです。
学会で?生中継?リアルタイムでオペをするんですか?それを学会の会場で流すわけ?患者さんは東京医療大学病院に入院されてる方だったんですけど僕がブータンに行ってる間に容体が急変されましてその話はほぼなくなりました。
(指を鳴らす音)それだ。
俺が代わりにやってやる。
俺が?いや学会で皆さんが見たいのは最先端オペですよ。
最先端オペをやってやるよ!ドクターたちが息をのむようなすごいライブオペを。
ライブオペ!かっけえ…!ライブオペって…。
いいんですか?相良先生。
森山院長は腹腔鏡のスペシャリストですからね。
ンフフフフ…。
オーケーなの?よーしビリビリの緊張感の中でバリバリのオペをバキバキに成功させてやる!じゃあライブオペにふさわしい患者が必要ですね。
森山院長を引き立てる最高の素材か…。
素材って…。
僕の患者にいいのがいます。
(みずき)いいの!?僕にも難しい手術を予定している患者が。
よーし!患者のオーディションを行う!総胆管結石か。
誰でも出来るオペじゃないか。
でも見せ方を工夫すれば…。
不合格。
胃の粘膜下腫瘍。
院長の得意な腹腔鏡でオペ出来ます。
(大野誠一)何事ですか?ライブでやるにはイマイチだ。
不合格!ったく…うちにはろくな患者がいねえ!お疲れさまです森山院長。
誰?エスアイ製薬の渋谷です。
もう8年も通ってるのに。
薬の売り込みなら…。
せめてパンフレットだけでもね?わかったよ。
聞きましたライブオペ。
でもいい患者さんがいないんですって?今の俺にその話をするんじゃない。
他の病院の患者さんでもよければ私が話をつけますよ。
堂上に転院してもらうよう。
君は仕事が出来そうだな。
はい。
ライブオペの患者が決まったよ。
まあ!18歳の高校生だ。
潰瘍性大腸炎の患者で腹腔鏡を使った難しいオペになるけど僕なら大丈夫。
並み居るドクターたちの前で未来ある若者の命を救ってやるんだ。
すごいわ卓ちゃん。
頑張って!頑張るよ!ママ。
(せき払い)…じゃなくて母さん。
ご気分はいかがですか?森山さん。
(日美子)大丈夫です。
何も問題ない。
僕にも脈を診せてください。
相良先生は息子の一番弟子なんですってね。
えっ…?
(日美子)息子から聞いたわ。
僕の事尊敬してるんだって。
ハハハ…母さん。
ハハハ…。
森山院長は素晴らしい方ですから。
そう?はい。
大丈夫ですね。
あっそうだ院長。
美都ちゃんの事なんですけど。
み…み…みとちゃん?折原美都さん。
生体肝移植でしか助かる道がない12歳の女の子です。
まあ!やはりご両親は院長の一番弟子である私に手術をしてほしいと。
どうしましょう?どうしましょうって相良先生がおやりになればいいじゃない。
ねえ?卓ちゃん。
あ…ああ。
僕がオペしてもいいんですか?いいわよ。
院長。
美都ちゃんを助けてあげなさい。
ありがとうございます!
(ドアの開く音)失礼します。
宮部くんあとお願いね。
あっはい…。
ではお大事に。
頑張って相良先生。
ありがとうございます。
じゃあ僕も仕事に戻るから。
いいお弟子さん持ったわね卓ちゃん。
だろ?フフフッ…。
弟子…?相良先生。
よくもやってくれたな。
あんなところで移植の話を持ち出しやがって。
僕も許したんですからおあいこでしょ。
何?僕が院長の一番弟子。
(つばを飲む音)僕にだってプライドがあるんですよ院長。
えっ…いや…。
さすがの僕もあれには…。
ハア…。
相良先生…!でもあんなに喜んでらっしゃるお母様を見たらここは大人にならなきゃと思いました。
そうだよ!やりますからね僕は。
美都ちゃんのオペ。
…わかった!じゃあ帝楼会病院の了解を取ってきてください。
俺が!?担当ドクターに電話したら検討するって言われました不愉快そうに。
これはもう院長に直接出向いてもらったほうが話が早い。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…!伴財会長にビビってるんですか?4年後に100周年を迎える病院の院長でしょう!一番弟子が頼んでるんですよ。
…わかりました!ありがとうございます。
ええ…!ええ〜…!何か心配な事がおありでしたらいつでもおっしゃってください。
宮部さんは結婚してらっしゃるの?えっ?看護師さんは結婚してても仕事中は指輪しないから。
ああ…それはやっぱり衛生面で…。
結婚は?宮部さん。
独身です。
お付き合いしてる方はいらっしゃるの?いませんけどでも…。
ああそう!失礼します。
嘘でしょ…!相良先生が手術してくださるんですか!はい。
うちの森山院長が先方の了解を取って過去の手術記録や12年間の検査データをもらってきます。
こういった事はトップ同士で話を進めたほうがいいですから。
ありがとうございます。
よかったね美都。
美都。
すみません…。
本当に院長が?じゃあお父様とお母様は検査室へ。
どちらが美都ちゃんのドナーに適しているか調べましょう。
では私がご案内します。
(折原)はい。
(聡美)お願いします。
ドナーになる不安もおありでしょうけど心配なさらないでくださいね。
私たちの事よりも美都が元気になって明るい子になってくれれば…。
病気って嫌ですよね。
心も不健康になって家族までギクシャクして…。
でも今美都ちゃんは反抗期ですし。
あの子に言われました。
こんな体に生まれたのはお父さんとお母さんのせいだって…。
ハハッ…。
でもそのとおりですから。
本心じゃありませんよ絶対。
あれ以来会話らしい会話もないんです。
まあ元々親子が顔を合わせる時間もほとんどないですから…。
お母様もお仕事を?パート掛け持って主人も本職の他にアルバイトを。
そうですか。
移植手術で仕事を休む事になればその間は収入がなくなるから今のうちに貯金しとかなきゃって…。
元気な体になったら何がしたい?やりたい事あるでしょ。
思いっきり走ってみたい。
そっか。
ドッジボールも。
うん。
出来るよ。
旅行だって家族でいろんなとこ行けばいい。
そんなのあり得ない。
美都ちゃんはお父さんとお母さん嫌いなの?はい吸って。
止めます。
はい楽にしてください。
宮部?宮部佐知さんよ。
もうどうしてママに言わなかったの?あんな素敵な人が近くにいるなんて…!待ってくれよなんの話?あなたの結婚相手に決まってるでしょ。
結婚?うん!彼女は独身だしなんの問題もないわ。
大ありだ。
彼女はナースだよ?ナースと結婚してるドクターはたくさんいるじゃないの。
そんなの俺に言わせりゃ手近なとこで手を打った駄目な連中だ。
プライドがないんだよ!じゃあ一生独身でいるつもり?俺は忙しいんだよママ。
ライブオペの準備があるのに移植手術の了解も取ってこなきゃいけないしくだらない事で呼び出さないでくれ!ああ…卓ちゃん!うう〜…。
堂々と堂々と。
堂々と…。
堂々と堂々と。
堂々と…。
堂々と堂々と。
堂々と…。
か…会長。
(小松川弘)折原美都さん担当の小松川です。
ど…堂上総合病院院長森山です。
患者のご両親が希望されてるんですか?そちらでの移植手術を。
ええ。
うちで執刀してもらいたいと…。
別に構わんよ。
堂上が今まで生体肝移植を何回か成功させてるのは知ってる。
まあ前の院長の時代だが。
どうぞ。
うちでの手術記録と検査データです。
ありがとうございます。
どうして私がわざわざ同席したかわかるかね?いや…それは院長の私が出向いてきたわけですから。
君と一緒にするな!新米に礼儀を教えてやるためだ。
患者がどの病院を選ぼうと自由だ。
だが私の病院から患者を持っていこうなんてまともな経営者なら考えんよ!ですよね。
(伴財)堂上じゃ威張ってるかもしれないが我々の中に入ったら君はペーペーだ。
覚えておきなさい。
私の態度よりも患者に見限られたそちらのドクターのほうが問題なのでは?えっ?うちには相良という優秀なドクターがいます。
患者の信頼も厚い。
当然です。
私の一番弟子ですから。
一番弟子?ハハハハハ!相良先生の噂はよく耳にするが君の弟子とは…。
アハハ…!聞いた事あるか?ハハハ…!ありませんね。
それは私の実力をご存じないからですよ。
近々ライブをやります。
ライブ?ぜひご覧になってください。
チケットお送りしますから。
あっ!ソールドアウトにならなきゃね。
アハハハハハ…!おはようございます相良先生。
おはようございます。
とうとうこの日が来ちゃった院長のライブオペ。
うまくいく事を祈りましょう。
相良先生はお手伝いしないんですか?院長は腹腔鏡のスペシャリストですよ。
そこは認めてらっしゃるのね。
院長としても認めてます。
だって美都ちゃんのデータちゃんともらってきてくれたんだから。
それはそうですけど…。
はあ。
俊樹くん。
俊樹くん。
君が緊張する事はない。
今日の主役はこの僕なんだから。
(笑い声)
(城俊樹)お母さん…。
(城明美)…大丈夫ですよね?腕だけは確かです院長は。
オペの映像をどうやって学会会場に?ネット回線です。
映像届いてますか?
(スタッフ)はい。
こちらきれいに映ってます。
先生前のほう行きましょうか。
あっどうも。
どうも。
卓ちゃん頑張って。
大丈夫。
オペのイメージは頭の中で完成してるから。
ママも見たかったわ。
世界への第一歩。
今日は歴史的な日になるよ。
…あっ!んっ?あっ!ああ…。
ママ?痛い痛い痛い…痛い痛い痛い〜!ええーっ!?憩室が破れてます。
急いでオペしないと。
な…何!?僕がやります。
嫌!手術は卓ちゃんがやって〜!僕はこれからライブがあるんだよ。
手術は僕がしっかりと責任持ってやりますから。
だってだって卓ちゃんが私の主治医でしょ?普通身内のオペは…。
(亜美)ドクターはやりません。
(泣き声)ママを助けて卓ちゃん!んんんんんんん…。
んんんんっ…。
森山院長からもお母様に。
イタタタタ…卓ちゃん!痛い痛い痛い…。
んんんんんんん…。
院長!んんんんんんんっ…。
ライブオペの患者を変更する!お母さんのオペを生中継するの?だそうです。
憩室が破れただけなのに。
おなか開いて切って縫うだけじゃない。
俊樹くんのオペはどうするの?そっちを相良先生がやるみたいです。
高泉先生と僕にサポートに入ってくれって。
(高泉)ああもう!院長のオペ見たかったのに!大丈夫なの?そんなに急で。
俊樹くんの事は全て把握しています。
僕の執刀でよろしいでしょうか?はい!
(俊樹・明美)はい!「予定された手術は変更になりました」「今日はS状結腸憩室穿孔に対する開腹によるS状結腸部分切除手術をご覧頂きます」「簡単なオペだと思われるかもしれないがそれは大間違いです」「なぜなら患者は私の親だからだ!」
(ざわめき)「ライブオペのコンセプトが変わったんです」「今日のテーマはあなたは自分の母親を切る事が出来るか?」「私は出来る!」
(ざわめき)どうなってるんですか?俺だってわからないよ!バイタル問題ありません。
(スタッフ)どうして急に患者が?私に聞かれたって…!それでは葛城俊樹さんの大腸全摘回腸嚢肛門吻合術の腹腔鏡手術を行います。
急なオペになってしまってすみません高泉先生。
(高泉)いえ。
ただ僕が指示を出しますのでそれに従って頂ければ大丈夫です。
(高泉)わかりました。
瀬戸先生も緊張しないで。
(瀬戸)はい!それでは始めます。
メス。
はい。
始めるぞ!メス。
はい。
(心電図モニターの音)院長?何やってんだ?何やってるんでしょうね?んんんんんんん…。
どうした?んんっ…。
顔が見えないようにしてくれ。
(佐々井)えっ?気になって集中出来ない。
ええっ?はあ!?早く!わかりました!これでよろしいですか?オーケー…。
(千住)「バイタル問題ありません」なんで患者の顔に?死んだのか?
(ざわめき)始めるぞ!
(佐々井)はい!
(段原)よろしくお願いします。
んんっ…!
(佐々井)院長?今度は何?やっぱりやめろ。
(千住)はっ?死んでるみたいじゃないか!縁起でもない。
でも…。
だからそれじゃ顔が気になるんだよ!そんな事言われても…。
どうすればいいんですか?それでいい。
(千住)はあ…。
こんなオペ…。
(佐々井)初めてだ。
冗談でしょ?
(ざわめき)どうしてサングラスを。
なんなんだよ?これ。
始めるぞ!んんっ…。
まだ何かあるんですか?俺は…俺はここから生まれたんだ。
もういいから。
(段原)始めましょう。
早くしないと麻酔が切れます。
わかってるよ!ごめんねママ。
「ああ!切っちゃった!ああ!切っちゃったよママ」「ママ切っちゃったよああ!」「私がママを切ってしまった!ああ〜!」「ママ」?アホか!瀬戸先生ほらここが患部です。
色が変わってるでしょ?はいわかります。
(高泉)腸管の炎症が強いですね。
ええ。
よし大腸を授動しますハーモニック。
(看護師)はい。
あっああ…。
暑い!汗。
(看護師)はい。
失礼します。
(段原)空調下げて。
(看護師)はい。
アハハハ…。
「汗!」
(看護師)「はい」「涙…汗!」
(看護師)「はい」「涙…汗!」
(看護師)「はいはい…」「涙…汗!」
(看護師)「はい」「涙…汗!」ママわかるかい?卓だよ。
卓ちゃん…。
手術は無事終わったからね。
何も心配ない。
ライブオペはうまくいった?ライブオペ…大反響だったよ。
うん…。
じゃあ次は結婚ね。
宮部佐知さんと。
ナースとは結婚しない!
(小松川)森山先生のオペは散々だったそうですよ。
行かなくて正解でしたね伴財院長。
これで堂上は終わりだな。
フフフフフッ…。
それでは折原美都さんの生体肝移植手術についてのカンファレンスを始めます。
(和枝)適性検査の結果美都ちゃんに肝臓を提供するドナーは父親の克也さんが適当であると判断しました。
母親の聡美さんに問題があったわけではありません。
肝臓のサイズを考えた結論です。
じゃあ万が一何かアクシデントがあった場合は…。
ドナーを変更する事も?
(和枝)可能です。
(ノック)院長はカンファレンスに出なくていいんですか?生体肝移植ですよ。
堂上にとっては大イベントじゃないですか。
それは俺のライブオペが大イベントじゃなかったっていう皮肉かい?事務長。
そんな事は…。
ここで失敗したら相良も面目丸潰れだな。
えっ?俺をはめやがって…。
ライブオペをやれば森山院長は世界的権威になりますよ。
全然ならなかったじゃねえかよ。
それは院長のお母様がいきなり出てきたから…。
俺の腹腔鏡手術を自分がやって生体肝移植まで。
院長。
失敗すりゃいいんだよ。
何を言ってるんですか!んんっ!「んんっ!」じゃない!堂上をお願いねって託されたんでしょ?院長から。
なのにいつまでもつまらない事をネチネチと!そんな事を続けるなら私が許さない!んんっ…!何!?なんだかなもう!ごめんなさい…。
ドナーからの肝臓摘出は佐々井先生と高泉先生。
了解。
(高泉)わかりました。
レシピエントへの移植は段原先生と僕のチームで行います。
(段原)オッケー。
千住先生は麻酔でこちらについてください。
了解しました。
オペ全体の進行を管理する移植コーディネーターは相原さん。
はい。
術前術後のケアには私たちが入ります。
よろしくお願いします。
お願いします。
堂上ではこれまで何度か生体肝移植手術を成功させてきました。
でも皆さん決して油断しないでいきましょう。
このオペは美都ちゃんとそのご家族を救うオペなんです。
(ドアの開く音)待った!院長!そのオペ俺も参加してやってもいいぞ。
えっ!?
(段原)院長が?
(桃井)だからそういう言い方は駄目だって…。
生体肝移植だからな。
院長になったとはいえ手伝ってやる事はやぶさかじゃない。
院長!
(みずき)なんなの?今頃。
自分のライブオペが不評だったからだ。
ぜひ加わってください。
院長。
僕たちのチームに入ってくだされば安心して出来ます。
ありがとうございます。
院長…院長もほらお礼言って。
ハハハハハ…!そうかそうか。
よしわかった。
アハハハハ!もう一度頭から説明してくれ相良先生。
院長!
(戸紀子)なんですかその態度は!信じられない。
ありがとうございます院長。
今までの事は水に流すよ相良先生。
でもご安心ください。
院長がいらっしゃらなくてもこのチームでオペは出来ます。
えっ?
(桃井)えっ?
(佐々井)相良先生。
肝臓摘出チームのリーダーは佐々井先生に安心して任せられますから。
大丈夫ですよね?いや…。
院長はどうぞ見守っててください。
いやいや俺がやってもいいって言ってるんだぞ?やらせてやってください。
いいじゃないですか相良先生。
いや…もうそのお気持ちだけで結構ですから。
(机をたたく音)これは院長命令だ。
俺も仲間に入れろ!入れてやってください。
お願いします。
我々は患者さんを助ける事しか考えていません。
ライブオペが不評だったからとか伴財会長を見返してやりたいとかそういった動機で参加されると…迷惑です。
相良先生。
(高泉)そんな…。
(和枝)私も同感です。
このオペに院長は必要ありません。
院長室で特上天丼でも召し上がっててください。
んんんん…。
院長は反省してるんです。
私が叱りつけてここに来させたんです。
事務長が?反省してらっしゃるようには見えないな。
してるんです!してますよね?院長。
んんっ!んん…。
完全に上から目線の上から口調じゃないですか。
参加してやってもいいって…。
院長は我々以上に患者さんを見下してるんです。
オペを手伝ってやる俺が助けてやるドクターは偉いんだ。
まだそんな事をおっしゃってるようならもう現場から離れたほうがいい。
もっと謙虚になるべきです。
院長。
カンファレンスは以上です。
待て!謙虚になればいいんだろ。
オペに俺も参加しよう。
皆さん明日は全力を尽くしましょう。
待て!参加させてくれ。
解散。
参加させてください!お願いします!お…お?おお…。
お願いします…!院長…。
院長に頭を下げられたら仕方がありません。
ああ…そうね。
私は甘いと思うけど。
佐々井先生。
先生のチームに院長を加えてもらってもよろしいでしょうか?も…もちろんです!いいの?仲間に入れてもらえるんですか?美都ちゃんと美都ちゃんのご家族を助けましょう。
オホホホホ…はい!いこうか。
よっ!はいはいはいはい。
(森山・佐々井・高泉)はいはいはい!
(拍手)どうして私だけ…。
もう肝臓は限界にきてるって…。
相良先生が前向きに考えてくださるって。
あの先生にお願い出来るといいな。
誰だっていいよ。
大嫌い!
(店員)お待たせしました。
はいどうも。
術後のドレーンからの排液の性状に変化があった際には…。
宮部くん?相良先生。
何?術後管理の確認?はい。
へえ!なんか嬉しいな。
真剣に取り組んでくれて。
術後管理は責任重大ですから。
あっ!じゃあ一緒に勉強しようか。
いい?ここ。
えっ?あっはい…。
術後は免疫抑制剤を長期間使用するから…。
ウイルスや細菌感染症の予防が大切です。
そうそう。
だから日常生活での注意点についてもきちんと指導しておく必要があるよね。
はい。
美都ちゃんやご両親のためにわかりやすいパンフレットも準備しておく予定です。
へえ!頼もしいよありがとう。
はい…!頼もしいよありがとう。
うう〜っ!頑張る頑張る頑張るぞ!
(ナナ)はいウーロン茶。
ありがとう。
お酒飲まないなら来る事ないのに。
明日は朝から大変なオペなんでしょ?そうだけど…。
病院でまた何かあったんだ。
俺は今日大事なものを失ったような気がする。
森山院長の大事なもの…。
プライド?どうしてわかるんだよ。
だって他にないじゃない。
俺を一番わかってくれてるのはナナちゃんかも。
ナナちゃん。
俺と結婚しない?ナナちゃんになら本当の自分をさらけ出せる。
ナースには無理だけどナナちゃんには…。
嬉しい!考えとく。
真剣に言ってるんだよ俺は。
今真剣にならなきゃいけないのは明日のオペ。
先生は人の命を助けるドクターでしょ?ナナちゃん…!
(和枝)おはよう。
気分はどう?美都ちゃん。
大丈夫です。
前処置も問題はありません。
安心して相良先生に任せてね。
あなた…。
今は美都が元気になる事だけを考えよう。
心配いりませんよ。
よろしくお願いします。
折原克也さん42歳男性です。
生体肝移植。
ええ。
お父さんの肝臓の一部を娘さんに移植するんです。
その手術を息子が。
ええ。
院長自らチームに入ると。
本当よかったです。
はあ…どうして結婚出来ないのかしら?えっ?私だってわかってるのよ事務長さん。
看護師さんたちからモテモテだとか患者さんたちからも大人気だとかあの子が言ってる事は全部嘘。
えっ…。
もう…姉から散々聞かされてきたもの。
卓ちゃんにはもっとしっかりしてほしい人格者になってほしいって。
ご存じだったんですか…。
でもね私にはとっても優しいいい子なの。
悪い人間じゃないのよ本当に。
確かに。
チーム森山っていうのがあるぐらいですから。
しっかりしたお嫁さんが来てくれればあの子は変わると思うの。
私が言ってる事は変ですか?いいえ。
私だって森山院長にはもうほとんど馬鹿な子ほどかわいいという心境です。
フフフ…。
アハッ!ああっ!これは失礼しました。
いいえ…。
(2人の笑い声)このオペをライブ中継すればよかったんだ。
ハハッ!院長…。
相良先生このオペのリーダーは君でも堂上のトップは俺だからな。
調子に乗るなよ。
乗ってませんよ。
院長には感謝してます。
患者さんを助けたいって頭を下げてくれる院長他にいませんから。
何もかも嘘っぽいんだよな君の言葉は。
ハハハ…オペに集中しましょう。
よろしくお願いします。
俺の本気を見せてやる。
イッツショータイム!それでは折原克也さんから折原美都ちゃんへの生体肝移植手術を開始します。
緊張してきた…。
私も。
これからレシピエントの肝臓を摘出しますが摘出時間は4時間を予定しています。
それが終わったタイミングでドナーの肝臓を受け取り移植に入ります。
了解!バイタル問題ありません。
では始めましょう。
ビデオ回して。
はい。
メス。
はい。
森山院長のほうも見てきます。
レシピエント手術開始しました。
(受信音)相良チームオペ開始しました。
ではこれよりドナーの肝左葉摘出手術を行う。
(佐々井)よろしくお願いします。
(高泉)お願いします。
メス!
(看護師)はい。
お願いしますよ院長!院長しっかり!始まったわね。
はい。
千住先生出血量は?トータル50です。
肝門部の処理を進めていきます。
電気メス。
(看護師)はい。
(段原)吸引します。
この先に…。
ん?
(佐々井)えっ?
(高泉)院長…。
えっ?どうした?切除するぞ。
(佐々井)はい。
ケリー。
(看護師)はい。
こんなの初めて見た…。
あっ…!何がどうしたの?まもなくドナーの肝臓を摘出します。
バックテーブルの準備は?
(高泉)出来ました。
摘出するぞ!
(佐々井)ベイスン!はい。
(看護師)お願いします。
(佐々井)すぐにバックテーブルで還流開始して。
わかりました。
(受信音)ドナー肝臓が摘出されました。
了解しました。
(段原)血管処置が終わってこっちに来るのは30分後ですね。
それまでに受け入れ準備を完了しましょう。
(段原)はい。
千住先生バイタルは?
(千住)問題ありません。
よし。
バックテーブル還流と血管処置終わりました。
よし行け!ドナーの肝臓移動します。
慌てるなよ。
はい!あとは相良先生!それにしてもあんな肝臓…。
びっくりしましたね。
(亜美)ドナーの肝臓です。
(段原)そこに置いて!
(亜美)はい。
えっ?何?あれ…。
プットインしましょう。
温阻血時間のリミットは60分しかありません。
はい。
60分…。
プットインします。
千住先生5分おきに時間を教えてください。
わかりました。
肝静脈を吻合します。
(段原)はい。
千住先生3分おきにバイタルを。
(千住)了解。
6−0ください。
(看護師)はい。
肝臓来ましたか?もう吻合に取りかかってます。
あなた…。
ご主人の手術は完璧です。
ありがとうございました先生。
(みずき)術後集中治療室へ。
はい。
(看護師)折原克也さん生体肝移植ドナー手術です。
お願いします。
はい。
お疲れさまでした森山院長。
君にも見せたかったよ。
あの肝臓。
えっ?クーパー。
(看護師)はい。
門脈吻合終了しました。
遮断を解除しましょう。
(段原)サテンスキー外します。
外しました。
再灌流です。
いけ!門脈のフロントフロー弱くないですか?
(千住)えっ?肝臓の色が変わらない…。
紫のままですね。
肝臓に血液が流れていかないんです。
流れない?超音波。
(看護師)はい。
何やってんだよ…。
俺たちの仕事は完璧だったのに。
頼みますよ本当に!駄目だ。
えっ?やっぱり血液が入ってない。
(段原)どうするんですか?温阻血時間40分過ぎました。
相良先生!温阻血時間40分過ぎました。
相良先生!レシピエントに入れた肝臓は60分以内に再灌流しないと…。
障害が起こって使えなくなります。
時間内に血流が再開しなければ美都ちゃんは…。
ええっ…!?左胃静脈を縛りましょう。
ケリー。
(看護師)はい。
脾静脈と上腸間膜静脈の合流部から出ている左胃静脈を結紮します。
血管テープ用意して。
(千住)早く!はい!どういう事ですか?左胃静脈から逃げていく血流を止めればその血流が門脈にかかって肝臓に血液が入っていくかも…。
ああ…。
ケリー。
(看護師)はい。
2−0絹糸。
はい。
結紮します。
美都ちゃん…。
早くしろ!左胃静脈結紮しました。
駄目だ。
肝臓の色変わらない。
(千住)えっ!?
(亜美)ど…どうして?なんでだよ!45分…早くしないと肝臓が使えなくなります!相良先生!まだどこかから血液が逃げてるんです。
(段原)だから肝臓に入っていかないんですか?脾静脈の末梢からは…。
いやここじゃない。
(心電図モニターのアラーム)血圧下がってます。
60の40。
相良先生!早く!50分!相良…!そうか…!脾静脈から腎静脈に逃げる脾腎シャントが原因です。
それ以外考えられない。
探しましょう。
はい!脾腎シャント!?肝臓に血液がスムーズに流れにくい時別の場所に血管が出来て血流がそっちに行く事があるんだ。
(段原)どこに…?脾腎シャントなんてどこに出来るかわかりませんよ。
これから探すなんて無理だ!ええっ…!間に合わない…!諦めるな。
この肝臓はお父さんから美都ちゃんへの命のプレゼントだ。
絶対に無駄にしない。
絶対に助けろ相良!ないないない…。
相良先生?諦めるのか?相良先生どうしました?アプローチを変更します。
左腎静脈を結紮切離し人工血管で門脈に吻合します。
用意して。
(看護師)はい!メッツェン。
(亜美)人工血管?
(千住)左腎静脈を門脈に?はっ…その手があったか。
どういう事?人工血管でバイパスを作ってシャントに逃げてる血流を門脈に戻す気だ!はあ?サテンスキー。
サテンスキー。
はい。
6−0。
(段原)ヘパリン。
メス。
(看護師)はい。
人工血管と門脈を吻合しますよ。
はい!6−0。
(看護師)はい。
(高泉)時間がない!相良先生にはどこに血流が流れているかわからないんですよね?ギャンブルですよあれは。
いや…あいつは確信があるんだ。
急げ!相良!クーパー。
(看護師)はい。
再吻合終了。
再灌流します。
ジャスト60分!
(心電図モニターの音)
(段原)頼む!
(心電図モニターの音)
(心電図モニターの音)あっ!ああ…きたーっ!赤くなってきた!あ…!ええ!よし…。
もう大丈夫。
よかった!ハラハラさせやがって…!うわあ〜ちょっと院長!院長院長院長…!ドワイヤン腸鉗子。
(看護師)はい。
止血を確認しましょう。
(段原)はい。
長鑷子。
(看護師)はい。
(段原)長鑷子。
(看護師)はい。
(段原)ガーゼ。
(看護師)はい。
美都ちゃん?ドレーンの排液は?問題ありません。
(和枝)顔色もいいですね。
ええ。
美都ちゃんこれから思いっきり走れるしドッジボールも出来るよ。
本当に…?うん。
よかったね美都ちゃん。
ありがとう先生。
お礼はねお父さんに言ってあげて。
そう。
びっくりしたよ僕は。
今までたくさん手術してきたけどあんなにきれいな肝臓は初めて見た。
私もよ。
ねえ美都ちゃん。
美都ちゃんは生まれてすぐに胆道閉鎖症って診断されていずれ移植手術を受けなきゃいけない可能性があったんだ。
だからお父さんとお母さんはその時のために…自分たちの肝臓を美都ちゃんにあげるためにお酒も飲まずたばこも吸わず食事も気をつけて運動もしてきれいで健康な肝臓を用意してくれてたんだよ。
まあ美都ちゃんもつらかっただろうけどお父さんもお母さんも美都ちゃんにどんな態度を取られても美都ちゃんを助ける事しか考えてなかったんだよ。
それって愛情以外の何物でもない。
僕はそう思う。
いいお父さんとお母さんだね美都ちゃん。
本当ね。
(聡美)美都!美都…!
(美都)お母さん。
(折原)美都。
大丈夫よ美都。
もう大丈夫。
これからはな元気に生活出来るぞ。
ごめんなさい…ごめんなさい。
なんだよ。
どうして泣くんだよ?そうよ美都。
ありがとう。
ありがとうお父さん。
ありがとうお母さん。
美都…。
(小松川)堂上の生体肝移植成功したそうです。
執刀医は?相良先生です。
どうしてあんな優秀なドクターが堂上にいるんだ!退院おめでとうママ。
うん。
快適な入院生活だったわ。
ありがとう卓ちゃん。
どうしたの?ママの肝臓もきれいだったよ。
えっ?ママも僕のために…。
僕の…僕の…僕のために…。
失礼します。
ああーっ!ナースコールで私が呼んだの。
何かありましたか?森山さん。
卓ちゃんもういいわ。
今日はあなたの大好きなハヤシライスよ。
楽しみに帰ってきてね。
どうして宮部くんを…。
いいから仕事に戻りなさい。
(携帯電話の振動音)うんわかった。
今日は早く帰るから。
うん。
フフッ。
ハハッ…。
宮部さん。
今度うちに遊びに来て。
駄目です。
遠慮しなくていいのよ。
してません。
いないんでしょ?お付き合いしてる方。
でも…好きな人がいます。
誰?この病院の人?ドクター?そうなのね…。
でもね宮部さん。
卓ちゃんはねここの院長なのよ。
卓ちゃんと結婚すればあなたは院長夫人…。
無理です!そんなにその人の事が好きなの?森山院長にはきっとふさわしい女性がどこかに…世界のどこかにいらっしゃると思います。
失礼します。
ああ…。
退院おめでとうございます!世界のどこかにって…。
ああ〜う〜ん!ええっ!?やっぱり結婚は無理。
私は院長夫人なんてなれないわ。
そんな事ないよナナちゃん!森山院長にはお似合いの人がいるから。
世界中探せばきっと。
じゃあお店で待ってまーす。
せ…世界中って…。
んんん…んんんん…。
好きな人がいます。
あんな事言わなきゃよかった…。
宮部くん!宮部くん。
はい。
美都ちゃん普通食の開始いつからだっけ?月曜からです。
予定よりも順調に回復してるから土曜からでいいよ。
わかりました。
よろしく。
はい。
宮部くん。
美都ちゃんは君の事が本当に好きなんだね。
えっ?患者さんを笑顔にさせるナースなら安心して任せられるよ。
ありがとう。
宮部さん。
なんでもおっしゃってください。
相良先生のお手伝いならなんでもしますから私。
そう!そう…。
宮部くん…。
嬉しいよ。
でも…僕の患者さんだけじゃないから。
えっ?院長や佐々井先生たちも助けてあげて。
あっ…はい…。
じゃあ。
ああ…相良先生。
わかってるくせに!
(ため息)森山院長。
温泉掘削業者から違約金の請求書が来た。
ほれほれほれほれほれほれほれほれほれ…。
この金はどうやって捻出するんだ?相良先生。
違約金…。
経営コンサルタントなんだろう?君は。
しかし内部の人間がコンサルタントっていうのもおかしいな…。
ああ…経理部長でもなんでもいい。
事務長と一緒にちまちました金の計算をするのは君の役目だ。
あくまでも僕はドクターです。
もちろん本職でも頑張ってくれなきゃ。
ドクターと経理の二枚舌。
アハハハ…。
いや失礼。
二足のわらじでね。
俺はちゃんと見てるからな。
この病院を乗っ取ろうなんて考えるなよ相良先生。
ちゃんと見てる?無理でしょう。
2018/01/04(木) 21:00〜23:10
ABCテレビ1
DOCTORS 最強の名医 新春スペシャル[字]
患者のためなら手段を選ばない最強の名医・相良(沢村一樹)復活!
ライバル医師・森山(高嶋政伸)が新院長に就任!森山の最強ママ(松坂慶子)も参戦で新年から大混乱!
詳細情報
◇番組内容
堂上総合病院は、森山“新”院長(高嶋政伸)と彼が連れてきたうさん臭い経営コンサルタント・猿渡(手塚とおる)の手により大混乱!おかしな方向へと暴走しようとしていた…。そんなある日、相良(沢村一樹)を訪ね、先天性胆道閉鎖症を患う少女・美都(鈴木梨央)が来院。彼女は生体肝移植手術を必要としており、彼女の両親はその手術を相良に依頼。しかし、猿渡の入れ知恵で森山はこの患者の受け入れを拒否…波乱が巻き起こる!!
◇出演者
沢村一樹、高嶋政伸、比嘉愛未、黒川智花、宮地雅子、正名僕蔵、滝沢沙織、敦士、斉藤陽一郎、尾崎右宗、阿南敦子、浅利陽介、小野武彦、伊藤蘭、野際陽子
【ゲスト】松坂慶子、石橋蓮司、手塚とおる、鈴木梨央 ほか
◇脚本
福田靖
◇演出
本橋圭太
◇音楽
林ゆうき
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】黒田徹也(テレビ朝日)、三輪祐見子(テレビ朝日)
【プロデューサー】松野千鶴子(アズバーズ)、神馬由季(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/doctors/
☆Twitter
https://twitter.com/DOCTORS_tvasahi
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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