第1回問11~問20の解き方

第1回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。

全50問の目次

問11.ライフステージと発達課題

 消去法で解けないこともないが、選択が難しい問題です。

1.○ シャインの「キャリア・サイクルの段階と課題」からの出題。16~25歳の基本訓練の段階で直面する一般問題としてあげられている。【木村先生P64】 

2.× 児童期(成長段階)には、自己の興味、関心や能力に関する探究を行う。【宮城先生P48】

3.× ライフステージ全体をマキシサイクルといい、それぞれのステージにおいてミニサイクルがあるとしたのは、スーパーである。【テキスト3-P17】

4.× エリクソンの漸成的発達図式において、「生殖性」を発達課題としているのは「成人期」である。【テキスト3-P78】

問12.シュロスバーグの理論

 1がクルンボルツと気づけると正解は導きやすいものの、シュロスバーグと思い込んでしまうと、解答がやや難しい問題でした。

1.× 偶発的な出来事をみずからの主体性や努力によってキャリアに最大限に活かしていくことを述べているのはクルンボルツ。【渡辺先生P88】

2.× 「安全」(Safety)ではなく、「自己」(Self)である。【テキスト3-P63】

3.× 人生の転機(トランジション)のプロセスを「終わり」、「ニュートラル・ゾーン」、「始まり」の3段階として表したのはブリッジスである。【テキスト3-P63】

4.○ 渡辺先生の著書にそのままの表現があります。【渡辺先生P135】 

問13.ひきこもり支援

 肩の力を抜いて、支援の基本姿勢に照らして考えましょう。

1.○ 社会的自立のため、規則正しい生活への移行は当然にあること。 

2.○ 社会参加の試行段階での留意点である。【テキスト1-P164】 

3.× 「一日も早く」は不適切であり、就職後のアフターケアも重要である。【テキスト1-P164】

4.○ 自立困難な若者の心理的要因には、精神障がいと自己確立の挫折がある。【テキスト1-P159】

問14.障がい者の雇用・就労の状況

 法定雇用率は毎年調査があるため、最新のデータを確認しましょう。50%前後(満たない)のイメージです。

1.○ 重度の障害がある人については、障害者職業能力開発校において職業訓練が行われる。【厚生労働省:PDF

2.× チャレンジ雇用制度は、障がい者の就労支援の制度。「官公庁・自治体」などで非常勤職員として雇用、その後ハローワーク等を通じ、一般企業への就職を目指す。 【厚生労働省:PDF

3.× 平成28年6月の最新のデータが既に公表されており、48.8%である。法定雇用率は50%前後(満たない)と捉えておく。【厚生労働省:PDF】   

4.× 身体障がい者に加え、精神障がい者を算定基礎に加えることとなった。 

問15.職業能力評価基準

 自己啓発の支援について、正社員と正社員以外で差がある点を把握しておけば、正答を導くことができます。能力開発基本調査は頻出の資料ですので、概要を掴んでおきましょう。

1.○ 

2.○ 問題文のとおり、職業能力開発総合大学校は、我が国の職業訓練の中核機関である。【職業能力開発総合大学校

3.○ 平成29年4月1日からキャリア形成促進助成金は「人材開発支援助成金」と名前が変更になった。【厚生労働省

4.× 頻出の能力開発基本調査からの出題。2017年4月に最新版が発表されており、確認が必要。支援の有無では正社員が80.9%、正社員以外が58.8%と差がある。【厚生労働省:PDF

問16.キャリア形成に係る助成金

 助成金関係は複雑で積極的な解答が難しいです。情報を網羅して対策することは困難ですが、平成29年度より名称が変更となった、人材開発支援助成金の資料に目を通しておきましょう。

1.× キャリア形成促進助成金は平成29年4月1日から「人材開発支援助成金」と名前が変更となったが、一般社団法人や各種組合等も対象である。

2.○ 難しい設問で積極的に○にすることは難しい問題。

3.○ キャリアアップ助成金は、非正規社員の正社員化を主眼に置いた助成金。こちらも平成29年度より内容が変更になっている。【厚生労働省:PDF】 

4.○ 企業内人材育成推進助成金は、平成28年度からキャリア形成促進助成金に統合されている。【厚生労働省

問17.能力開発基本調査

頻出の能力開発基本調査の設問。2017年4月に最新版が更新されています。試験の法令基準日は4月1日ですが、最新の情報も確認しましょう。【平成28年度能力開発基本調査

1.○ 平成27年度の調査では減少しているものの、平成28年度の調査では、いずれも前年よりも増加しているので、注意が必要である。

2.○ ジョブ・カードについて「内容を含めて知っており活用している事業所の割合は、平成28年度の調査でも2.8%(平成27年度2.1%)にとどまっている。

3.× 能力開発の責任主体について、企業主体が76.1%、個人主体が23.0%とおさえておく。(平成28年度)

4.○ 正社員・正社員以外のいずれも、OJTを重視する又はそれに近い事業所が70%を超えている。 

問18.人事労務・雇用管理

 雇用-判断の難しい選択肢ばかりですが、4の内容は絶対的明示事項と呼ばれ、口頭での説明ではなく書面での明示が求められています。積極的に×としてよい選択肢となります。1~3は今後の試験対策として頭に入れておきましょう。

1.○ 合理的配慮の提供の義務は、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなる場合を除く。【障害者雇用促進法・合理的配慮指針:PDF

2.○ 包括的な雇用契約は存在しており、総合職などでは、従事する仕事や場所を限定しないこともある。

3.○ 内定の法律的な性格として、「双方が解約権を持つ始期つきの労働契約」とみなす判例がある。

4.× 労働時間や賃金といった、絶対的明示事項は、書面で明示しなければなりません。 

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問19.職能資格制度

職能資格制度については、第2回にも出題があり、正答を導きづらい問題です。テキスト等には記述がなく、こちらのサイトを参照しています。【日本の人事部

1.○ 職能資格制度は、能力に応じて等級を決める制度。

2.○ 資格等級ごとに、能力の基準が作成されている。

3.× 役職数が足りない、人件費が高騰するなどの問題点がある。

4.○ 人事考課や昇格試験を行うが、抽象的にならざるを得ない部分もある。

問20.労働市場の知識

 用語の定義については、改めて問われると難しい問題です。この問題で確認しておきましょう。

1.○ 就業者の定義=15歳以上の従業者+休業者。

2.× 労働力人口比率とは、15歳以上人口に占める労働力人口の割合。

3.× 労働力人口とは、15歳以上で、労働の能力と意欲を持つものをいい、完全失業者も含む。

4.× 完全失業者には、求職活動や事業を始める準備をしていたものも含む。

参考資料・文献

日本マンパワーキャリアコンサルタント養成講座テキスト

新版キャリアの心理学渡辺三枝子(ナカニシヤ出版2007年)

日本の人事部

厚生労働省、総務省

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