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リフォームの顧客がみんな株主に? フランス料理から旅行まで住人たちと寄り添う「さくら住宅」の理想

2017年10月15日 10時00分 (2017年11月5日 15時00分 更新)

さくら住宅の福田常務(左)と二宮社長

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横浜市の桂台地区に本社があるリフォーム会社「さくら住宅」(1997年創業・社員数50人)は、「コンロの火がつかない」といった他社なら応じない些細な依頼にも手間を惜しまず対応する。

宣伝もしない、ノルマもない、飛び込み営業もしない。二宮生憲(たかのり)社長が「質のいい仕事さえしていれば、自然と仕事はやってくる」という通り、創業2年目から19年連続黒字。桂台地区の5軒に1軒は同社がリフォームを手掛けた(前回記事参照)。

さくら住宅はいかに地域から選ばれるリフォーム会社になったのか。ひとつに、工事終了後も地域住民(顧客)を大切にする姿勢があった。

同社はこれまで4回の増資をしているが、2回目の時、福田千恵子常務が「お客様に株主になってもらってはどうでしょう」と提案した。

地元住民の顧客とは親密な関係になっていたので、「お客様株主」という制度を作り、出資してもらって会社を支えてもらうことで、同時に会社も利益を還元し、より相互依存できる関係を目指したのだ。

2017年3月末時点では、株主162人のうち顧客は63%に当たる102人に達している。

09年に柱の耐震リフォーム工事をした住民の永島ヒサエさんもそのひとり。リフォームが終わる頃に福田常務から「ぜひ会社を支えてもらえないでしょうか。今後、当社の経営方針が間違った方向にいきそうな時も株主の意見で軌道修正ができるからです。もちろん、配当はあるし、タダでフランス料理だって食べられますよ」との誘いを受け、即、2株の株主になった。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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